新築住宅の瑕疵担保責任しんちくじゅうたくのかしたんぽせきにん
新築住宅の売主が、買主に引き渡した時から10年間、住宅の構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の瑕疵について負う担保の責任です(住宅の品質確保の促進等に関する法律95条)。つまり、新築住宅の骨組みと雨漏りについては、売主は10年間責任を負い、特約で短くすることはできません。
新築の建売住宅を買って7年目に、基礎にひびが入って家が傾いてきた。普通の売買なら、責任を問える期間はとうに過ぎているかもしれません。しかし新築住宅では、住宅の品質確保の促進等に関する法律が、基礎や柱などの構造耐力上主要な部分と、屋根や外壁などの雨水の浸入を防止する部分について、売主に引渡しから10年間の責任を負わせています。住宅瑕疵担保履行法は、この10年間の責任を「特定住宅販売瑕疵担保責任」と呼び、売主である業者にお金の備えを義務づけています。瑕疵とは、種類又は品質に関して契約の内容に適合しない状態のことです。

対象は、骨組みと雨漏りを防ぐ部分に限られます
構造耐力上主要な部分とは、住宅の基礎、壁、柱、小屋組、土台、床版、屋根版、はりなどで、建物の重さや地震の力を支える部分です。雨水の浸入を防止する部分とは、屋根と外壁、そこに設ける戸や窓の建具、屋根や外壁の内部と屋内を通る雨水の排水管です(同法施行令5条)。どちらも、欠陥があると住めなくなるのに、買う時に外から見ても分からない部分です。給水設備やガス設備、内装の仕上げは、この10年の責任の対象ではありません。構造耐力や雨水の浸入に影響のない瑕疵も除かれます。

新築住宅とは、完成から1年以内で未入居の住宅です
新築住宅とは、新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないものをいい、建設工事の完了の日から起算して1年を経過したものは除かれます(同法2条2項)。完成から1年を超えて売れ残った住宅や、一度でも人が住んだ住宅は、新築住宅ではありません。住宅とは人の居住の用に供する家屋又は家屋の部分のことで、戸建てでも分譲マンションの一室でも同じです。
10年より短くする特約は、無効です
95条1項の規定に反する特約で買主に不利なものは、無効です(同条2項)。「構造耐力上主要な部分の瑕疵について売主は責任を負わない」「責任を負うのは引渡しから2年間とする」と契約書に書いても、効力がありません。買主は、10年の間、修補などの履行の追完、代金の減額、損害賠償の請求と、契約の解除ができます。反対に、期間を延ばす特約は認められていて、引渡しから20年以内まで伸ばすことができます(同法97条)。なお、売主が建設業者に建てさせて引渡しを受けた住宅では、10年は建設業者から売主に引き渡された時から数えます(95条1項かっこ書)。

住宅の品質確保の促進等に関する法律 95条1項新築住宅の売買契約においては、売主は、買主に引き渡した時(…)から十年間、住宅の構造耐力上主要な部分等の瑕疵について、民法第四百十五条、第五百四十一条、第五百四十二条、第五百六十二条及び第五百六十三条に規定する担保の責任を負う。
試験ではこう問われる
- 構造耐力上主要な部分の瑕疵について売主が責任を負わない旨の特約は無効。特約があっても、業者は供託又は保険契約の締結を行う義務を負う
- 対象は構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の瑕疵。構造耐力上主要な部分だけではなく、給水設備やガス設備は入らない
- 構造耐力又は雨水の浸入に影響のない瑕疵は除かれる
- 責任を負う期間は引渡しから10年間。保険契約もこの期間に合わせて10年以上有効でなければならない
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