標準媒介契約約款ひょうじゅんばいかいけいやくやっかん
国土交通大臣が定めた媒介契約の標準の契約書と契約条項で、専属専任媒介・専任媒介・一般媒介の三つの型があります(平成2年建設省告示第115号)。つまり、依頼者に不利な条項が紛れ込まないよう国が用意した媒介契約のひな形で、媒介契約の書面にはこれに基づくものか否かの別を記載します。
不動産会社と媒介契約を結ぶとき、多くの会社は国が定めた同じ書式の契約書を使います。これが標準媒介契約約款で、物件や価額を書き込む契約書の本体と、報酬の受け取り方や違約金、契約の解除などを定めた契約条項が一組になっています。依頼者は条項を一つ一つ検討する力も時間もないことが多く、業者に有利な条項が入っていても気づきにくいので、国が公正な内容のひな形を示しました。業者は特殊な事情のある取引を除いて約款を使うものとされ(国土交通省の解釈)、媒介契約の書面には、その契約が約款に基づくものか否かの別を記載します(施行規則15条の9第4号)。

約款に基づくか否かの別は、どの媒介契約にも記載します
媒介契約の書面の記載事項を定めた施行規則15条の9は、1号から3号では「専任媒介契約にあつては」などと契約の種類を限っていますが、4号の約款に基づくか否かの別には限定を付けていません。一般媒介契約でも専任媒介契約でも専属専任媒介契約でも記載し、依頼者が宅建業者でも省けません。国土交通省の解釈は、依頼者が一目で分かるよう、契約書の右上に「この媒介契約は、国土交通省が定めた標準媒介契約約款に基づく契約です。」か「…基づく契約ではありません。」と表示するものとしています。法律が求めているのは約款に基づくかどうかを依頼者に分かるようにすることで、約款を使わない契約を禁じてはいません。

依頼者に不利な特約をすれば、約款に基づく契約ではありません
約款に基づく契約とは、約款の契約書と契約条項をそのまま使う契約と、相手方を探すための具体的な措置や業務の処理状況の報告に関する条項の追加など、限られた範囲で契約書に手を加えた契約をいいます(国土交通省の解釈)。どちらも、特約の欄で依頼者に不利にならない特約をすることは差し支えありません。約定報酬額を超える違約金を請求する特約のように依頼者に不利な特約は、約款による契約としては認められず、その契約は約款に基づかない契約として扱われます。

三つの型は、媒介契約の三つの種類に対応しています
約款には専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の三つの型があり、どれを選ぶかは依頼者に委ねられています(国土交通省の解釈)。一般媒介契約の型は、重ねて依頼した他の業者を依頼者が明示する明示型で、明示しない非明示型にするときはその旨を特約します。一般媒介契約には法律上の有効期間の上限がありませんが、約款は実情に合わせて、専任媒介契約と同じく3月以内で定めています。
宅地建物取引業法施行規則 15条の9(抜粋)法第三十四条の二第一項第八号の国土交通省令・内閣府令で定める事項は、次に掲げるものとする。…四 当該媒介契約が国土交通大臣が定める標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別
試験ではこう問われる
- 一般媒介契約でも、標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別を媒介契約の書面に記載する(施行規則15条の9第4号)。「記載する必要はない」は誤り
- 依頼者が宅建業者でも、約款に基づくか否かの別の記載は省けない
- 専任媒介契約・専属専任媒介契約でも同じく記載する。記載は媒介契約の種類を問わない
用語で読んだ論点を、解説つきの肢別演習で確かめられます。無料プランは月300肢まで。