業務処理状況の報告ぎょうむしょりじょうきょうのほうこく
専任媒介契約を締結した宅地建物取引業者が、依頼者に対し、その契約に係る業務の処理状況を2週間に1回以上(専属専任媒介契約では1週間に1回以上)報告する義務です(34条の2第9項)。つまり、一社に任せた依頼者が業者の動きを定期的に知るための報告で、これとは別に、申込みがあったときは媒介契約の種類を問わず遅滞なく報告します(同条8項)。
家の売却を一つの会社に任せたのに、何週間も連絡がない。広告を出しているのか、問い合わせはあるのか、依頼者には分かりません。専任媒介契約の依頼者は他の会社に頼めないので、業者は2週間に1回以上、専属専任媒介契約では1週間に1回以上、業務の処理状況を依頼者に報告しなければなりません(34条の2第9項)。報告する中身は、指定流通機構への登録や広告など相手方を探すために行った措置と、引き合いの状況です(国土交通省の解釈)。これとは別に、物件に売買や交換の申込みがあったときは、媒介契約の種類を問わず、遅滞なくその旨を依頼者に報告します(同条8項)。

定期の報告は専任媒介の義務で、一般媒介にはありません
9項は「専任媒介契約を締結した宅地建物取引業者は」と定めていて、一般媒介契約には定期の報告の義務がありません。条文に理由は書いていませんが、一般媒介の依頼者は他の業者にも頼めるので、一社の動きが鈍くても困らないためと考えられます。一般媒介の業者が任意に報告するのは自由で、頻度にも方法にも決まりはありません。専任媒介では依頼者が宅建業者であっても報告は省けず、報告をしない特約は無効です(34条の2第10項)。
報告は、申込みがなくても行い、口頭でもかまいません
定期の報告は、買受けの申込みや問い合わせがなかった期間にも行います。申込みがなかったことも業務の処理状況の一つで、相手方を探すために何をしたかを伝えます。9項は報告の方法を定めていないので、書面でなく口頭や電話で報告しても違反にはなりません。報告の回数は「2週間に1回以上」なので、14日に1回の報告なら足ります。

申込みがあれば、どの媒介契約でも遅滞なく報告します
8項は「媒介契約を締結した宅地建物取引業者は」と定め、一般媒介契約にも掛かります。報告の時期は「遅滞なく」で、何日以内という猶予は置かれていません。国土交通省の解釈は、購入申込書のように売買の意思が明確に示された申込みがあれば、依頼者の希望条件を満たさない申込みでも、その都度報告するものとしています。条文に理由は書いていませんが、申込みに応じるかどうかを決めるのは依頼者で、業者が先に選り分けると依頼者が判断する機会を失うためと考えられます。

宅地建物取引業法 34条の2第8項・9項8 媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、当該媒介契約の目的物である宅地又は建物の売買又は交換の申込みがあつたときは、遅滞なく、その旨を依頼者に報告しなければならない。9 専任媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、前項に定めるもののほか、依頼者に対し、当該専任媒介契約に係る業務の処理状況を二週間に一回以上(依頼者が当該宅地建物取引業者が探索した相手方以外の者と売買又は交換の契約を締結することができない旨の特約を含む専任媒介契約にあつては、一週間に一回以上)報告しなければならない。
試験ではこう問われる
- 専任媒介は2週間に1回以上、専属専任媒介は1週間に1回以上。専属専任媒介で「2週間に1回以上」は誤り
- 一般媒介には定期の報告の義務がない。一般媒介で口頭により14日に1回報告しても違反しない
- 申込みがなかった期間も報告する。報告の方法に定めはなく、書面でなくてもよい
- 申込みがあったときは、一般媒介でも遅滞なく報告する。依頼者の希望条件を満たさない申込みだと業者が判断しても、報告は省けない
- 依頼者が宅建業者でも、専任媒介の定期の報告は省けない。報告をしない特約は無効(34条の2第10項)
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