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低廉な空家等の報酬の特例ていれんなあきやとうのほうしゅうのとくれい

宅建業法 報酬・監督処分・罰則

代金(交換では価額)が800万円以下の宅地又は建物(低廉な空家等)の売買・交換の媒介について、業者が、媒介に要する費用を勘案して、原則の計算による額を超え、30万円の1.1倍(33万円)まで依頼者から報酬を受けることができる特例です。つまり、安い物件でも業者が引き受けやすいよう、手数料の上限を引き上げています。

地方にある代金200万円の空き家の売却を頼まれても、原則の計算では、業者が売主から受け取れる手数料は税込み11万円までです。遠くまで現地を調べに行き、買い手を探す手間は高い物件と変わらないのに、これでは引き受ける業者が見つかりません。そこで告示は、代金が800万円以下の物件を「低廉な空家等」と呼び、媒介の手数料を33万円まで受け取れる特例を置きました。令和6年7月1日からの決まりで、それまでの「400万円以下の物件で、売主から19万8,000円まで」という特例が広げられたものです。

代金800万円以下の物件は、手数料の上限が33万円まで上がる。
代金800万円以下の物件は、手数料の上限が33万円まで上がる。

対象は代金800万円以下の宅地建物で、空き家に限りません

低廉な空家等とは、売買の代金の額又は交換の宅地建物の価額が800万円以下の宅地又は建物のことです。金額は消費税等相当額を含まない額で見ます。名前に空家と付いていますが、使用の状態は問わず、人が住んでいる建物でも、更地の宅地でも、800万円以下なら対象になります(国土交通省の解釈)。代金800万円の原則の上限は800万円×3%+6万円=30万円なので、それより安い物件の上限を800万円の物件と同じ高さまで引き上げた形になっています。

売主からも買主からも、33万円まで受け取れます

特例で受け取れるのは、依頼者から、30万円の1.1倍に相当する33万円までです。依頼者であれば売主でも買主でもよく、双方から媒介の依頼を受けていれば、それぞれから33万円まで受け取れます。代理の場合は、媒介の特例の額の2倍、つまり66万円までで、相手方からも報酬を受けるときは合計が66万円を超えてはなりません。告示は「当該媒介に要する費用を勘案して」と定めていて、33万円は上限であり、どの取引でも当然に33万円になるわけではありません。

売主からも買主からも、それぞれ33万円まで。
売主からも買主からも、それぞれ33万円まで。

媒介契約を結ぶ時に、報酬額を説明して合意します

特例を使って原則の額を超える報酬を受けるには、媒介契約の締結に際しあらかじめ、特例の上限の範囲内で、報酬額について依頼者に説明し、合意する必要があります(国土交通省の解釈)。契約を結んだ後になって説明しても、特例の額は受け取れず、原則の計算に戻ります。依頼者が知らないうちに高い手数料を請求されることを防ぐための手順です。

特例の手数料は、媒介契約を結ぶ時に説明して合意しておく。
特例の手数料は、媒介契約を結ぶ時に説明して合意しておく。
昭和45年建設省告示第1552号 第七

低廉な空家等(売買に係る代金の額(…)又は交換に係る宅地若しくは建物の価額(…)が八百万円以下の金額の宅地又は建物をいう。以下同じ。)の売買又は交換の媒介に関して依頼者から受ける報酬の額(…)については、宅地建物取引業者は、第二の規定にかかわらず、当該媒介に要する費用を勘案して、第二の計算方法により算出した金額を超えて報酬を受けることができる。この場合において、当該依頼者から受ける報酬の額は三十万円の一・一倍に相当する金額を超えてはならない。

試験ではこう問われる

  1. 代金500万円(税抜き)の土地の売買の媒介で、あらかじめ売主に説明し合意していれば、売主から受け取れる上限は33万円
  2. 買主から媒介を依頼された場合も特例の対象。代金400万円の物件であらかじめ買主に説明し合意していれば、上限は19万8,000円ではなく33万円
  3. 代理の上限は33万円の2倍の66万円。代金200万円の宅地の売買の代理で、あらかじめ説明し合意していれば66万円まで
  4. 説明と合意は媒介契約の締結に際しあらかじめ行う。媒介契約を締結した後に説明して合意しても、特例の額は受け取れない
  5. 代金900万円の物件は800万円を超えるので特例の対象外
  6. 貸借の媒介には使えない。借賃15万円の中古住宅(長期の空家等に当たらないもの)の貸借の媒介の上限は、説明と合意があっても16万5,000円
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