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成年被後見人・被保佐人・被補助人せいねんひこうけんにん・ひほさにん・ひほじょにん

権利関係 民法(意思表示・代理・時効) 過去問で6肢

精神上の障害により物事を判断する能力(事理を弁識する能力)が十分でない人のうち、家庭裁判所の審判を受けた人のことで、能力を欠く常況なら成年被後見人、著しく不十分なら被保佐人、不十分なら被補助人です(7条、11条、15条)。つまり、判断力の程度に応じて、守り方を三段階に分けています。

認知症が進んだ母の預金や自宅を、どうやって守るか。家族が家庭裁判所に申し立てると、裁判所は判断力の程度を見て、後見・保佐・補助のどれかを開始する審判をします。後見なら成年後見人、保佐なら保佐人、補助なら補助人が付き、本人の契約を代わりに行ったり、同意したり、取り消したりします。判断力が残っている人ほど自分でできる範囲を広く残すので、後見、保佐、補助の順に、保護者が関わる範囲が狭くなります。

判断力の程度に応じて、後見・保佐・補助の三段階で守る。
判断力の程度に応じて、後見・保佐・補助の三段階で守る。

成年被後見人の行為は、日用品の購入を除いて取り消せます

成年被後見人の法律行為は、取り消すことができます(9条本文)。判断力を欠くのが普通の状態なので、不動産の売買のような行為を一人でしても、あとから取り消せるようにしてあります。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為は取り消せません(9条ただし書)。成年後見人は成年被後見人の法定代理人で、財産に関する法律行為を本人に代わって行います(859条1項)。成年後見人が本人の行為を取り消すのに、後見監督人の同意は要りません。

居住用の建物の処分には、家庭裁判所の許可が要ります

成年後見人が、成年被後見人に代わって、その居住の用に供する建物又はその敷地を売却、賃貸、賃貸借の解除、抵当権の設定などで処分するには、家庭裁判所の許可を得なければなりません(859条の3)。住まいを失うことは、本人の暮らしと心身に大きく響くからです。許可をするのは家庭裁判所で、後見監督人がいる場合でも、後見監督人の許可や同意で代えることはできません。

本人の住まいを売るには、家庭裁判所の許可が要る。
本人の住まいを売るには、家庭裁判所の許可が要る。

被保佐人は、重要な財産の行為に保佐人の同意が要ります

被保佐人は、日常の買い物などは一人でできますが、13条1項が並べる重要な行為には保佐人の同意が要ります。不動産その他重要な財産の売買、借金や保証、相続の承認や放棄、新築・改築・増築・大修繕、土地なら5年、建物なら3年を超える賃貸借などです。贈与の申込みを拒絶することも入っています。もらえるはずの財産を逃すことになるからです。同意を得ないでした行為は取り消すことができます(13条4項)。保佐人は同意をする立場ですが、家庭裁判所は、特定の法律行為について保佐人に代理権を付与する審判をすることもできます(876条の4第1項)。

被保佐人が不動産を売るには、保佐人の同意が要る。
被保佐人が不動産を売るには、保佐人の同意が要る。

被補助人は、審判で決めた特定の行為だけ同意が要ります

被補助人は判断力が不十分という程度なので、ほとんどの行為を一人で有効にできます。家庭裁判所が「この行為には補助人の同意が要る」と審判で決めた特定の法律行為だけ、同意が要り、同意なしにすると取り消せます(17条1項・4項)。審判で同意が要ると決められるのは、13条1項が並べる行為の一部に限られます(17条1項ただし書)。本人以外の人の請求で補助を始めるには、本人の同意が必要です(15条2項)。

民法 9条

成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。

試験ではこう問われる

  1. 成年後見人は、後見監督人がいる場合でも、その同意なしに成年被後見人の法律行為を取り消せる
  2. 成年後見人が成年被後見人の居住用の建物・敷地を売却・賃貸などするには、家庭裁判所の許可が要る(859条の3)。後見監督人の許可では足りない
  3. 被保佐人が不動産を売却するには保佐人の同意が要る。贈与の申込みを拒絶するにも同意が要る(13条1項3号・7号)
  4. 保佐人は同意権と取消権を持つほか、家庭裁判所の審判で特定の法律行為について代理権を付与されることがある(876条の4第1項)
  5. 被補助人が、補助人の同意を得たと詐術を用いて相手方に信じさせたときは、その行為を取り消せない(21条)
  6. 成年後見人が成年被後見人に代わってする相続の放棄も、利益相反行為となることがある(判例)
  7. 後見人は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て辞任できる(844条)。後見監督人の許可ではない
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