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共用部分の管理と変更きょうようぶぶんのかんりとへんこう

権利関係 区分所有法 過去問で5肢

共用部分について、保存行為は各共有者がすることができ、管理に関する事項は集会の決議で決し、形状又は効用の著しい変更を伴う変更は、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決するという決まりです(区分所有法17条・18条)。つまり、共用部分に手を入れる行為を重さで三つに分け、重いものほど多くの賛成を求めます。

廊下の切れた電球を取り替える、外壁を塗り直す、階段しかない建物にエレベーターを付ける。どれも共用部分に手を入れる行為ですが、建物に与える影響の大きさはまるで違います。区分所有法は、現状を保つだけの保存行為、ふつうの管理、形や働きを大きく変える変更の三つに分け、決め方を変えています。保存行為は一人でもでき、管理は集会の普通の決議、大きな変更は特別の多数による決議が要ります。

保存行為は一人で、管理は出席者の過半数で、大きな変更は4分の3以上で決める。
保存行為は一人で、管理は出席者の過半数で、大きな変更は4分の3以上で決める。

保存行為は、各共有者が一人ですることができます

共用部分の管理に関する事項は集会の決議で決するのが原則ですが、保存行為は各共有者がすることができます(18条1項)。保存行為とは、割れた窓ガラスを直す、切れた電球を替えるといった、共用部分の現状を保つための行為です。放っておくと傷みが広がり、誰にとっても損になるので、集会を待たずに一人でできるようにしてあります。この決まりは規約で別段の定めをすることができ、保存行為は管理者が行うと規約で定めることもできます(18条2項)。

管理に関する事項は、集会の普通の決議で決めます

保存行為を除く管理に関する事項は、集会の決議で決します(18条1項)。集会の議事は、区分所有法又は規約に別段の定めがない限り、出席した区分所有者及びその議決権の各過半数で決するので、これが管理の決め方になります(39条1項)。共用部分の変更のうち、形状又は効用の著しい変更を伴わないものも、17条の対象から除かれているので、同じく普通の決議で足ります。共用部分につき損害保険契約をすることは、管理に関する事項とみなされます(18条6項)。管理についても、規約で別段の定めをすることができます(18条2項)。

形や働きを大きく変える変更は、出席者の4分の3以上で決めます

形状又は効用の著しい変更を伴う共用部分の変更は、区分所有者の過半数であって議決権の過半数を有するものが出席した集会で、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数による決議で決します(17条1項)。令和8年4月1日施行の改正の前は、欠席者も含めた区分所有者及び議決権の各4分の3以上が必要で、欠席が多いと何も決められませんでした。改正後は、過半数の出席を条件にしたうえで、出席者の中の多数で決めます。4分の3という割合は、規約で2分の1を超える割合まで下げることができ、出席の条件である過半数は、規約で上回る割合にすることだけができます。他人の権利を侵害するおそれのある瑕疵の除去に必要な変更と、高齢者、障害者等の移動や施設の利用を楽にするために必要な変更は、4分の3が3分の2になります(17条5項)。

過半数が出席した集会で、出席者の4分の3以上が賛成すれば変更できる。
過半数が出席した集会で、出席者の4分の3以上が賛成すれば変更できる。

特別の影響を受ける専有部分の所有者には、承諾が要ります

共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部分の所有者の承諾を得なければなりません(17条2項)。エレベーターを付けた結果、ある住戸の窓がふさがれて日が入らなくなる、という場合です。多数決で決められる事項でも、一部の人にだけ重い不利益を押しつけることはできない、という歯止めです。この承諾は、集会の普通の決議で決める管理の場合にも必要です(18条3項)。

建物の区分所有等に関する法律 17条1項

共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。第五項において同じ。)は、集会において、区分所有者(議決権を有しないものを除く。以下この項及び第三項において同じ。)の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)の者であつて議決権の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有するものが出席し、出席した区分所有者及びその議決権の各四分の三(これを下回る割合(二分の一を超える割合に限る。)を規約で定めた場合にあつては、その割合)以上の多数による決議で決する。

試験ではこう問われる

  1. 共用部分の保存行為は、規約に別段の定めがない限り、各共有者がすることができ、集会の決議は要らない(18条1項ただし書・2項)
  2. 形状又は効用の著しい変更を伴う共用部分の変更は、区分所有者の過半数であって議決権の過半数を有するものが出席した集会で、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数で決する(17条1項)
  3. 4分の3の割合は、規約で2分の1を超える割合まで下げることができる。「2分の1以上まで」は誤り
  4. 形状又は効用の著しい変更を伴わない変更と管理に関する事項は、出席した区分所有者及びその議決権の各過半数で決する(18条1項・39条1項)
  5. 変更や管理が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部分の所有者の承諾が要る(17条2項・18条3項)
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