建築物等の移転・除却けんちくぶつとうのいてん・じょきゃく
土地区画整理事業の施行者が、仮換地を指定した場合などに、従前の宅地にある建築物その他の工作物や竹木土石等を移転し、又は除却することが必要となったとき、これらを自ら移転し、又は除却することです(77条)。つまり、道路や新しい区画の工事の妨げになる建物を、施行者の手で動かしたり取り壊したりできる権限です。
土地区画整理事業では、今の家が建っている場所が、新しい道路や他の人の仮換地になることがあります。その家を仮換地の上に動かさなければ、道路の工事も、他の人の引越しも始められません。家を元の形のまま新しい場所へ動かすのが移転、取り壊して片づけるのが除却です。土地区画整理法は、施行者に、必要となった建築物などを移転し、又は除却する権限を与えています。

仮換地を指定した場合などに、必要となったときに行えます
77条1項は、移転や除却ができる場合を三つ挙げています。仮換地を指定した場合、従前の宅地について使用し又は収益することを停止させた場合、公共施設の変更又は廃止に関する工事を施行する場合です。これらの場合に、従前の宅地や公共施設の用に供する土地にある建築物その他の工作物、竹木土石等を移転し、又は除却することが必要となったときに、施行者が行えます。仮換地が指定されると、従前の宅地の所有者は従前の宅地を使えなくなり、仮換地を使うことになります。それでも建物が従前の宅地に残っていては事業が進まないので、施行者に動かす権限を持たせています。
先に期限を知らせ、所有者に自分で行うかを尋ねます
施行者は、移転し又は除却しようとするときは、相当の期限を定め、その期限後に移転し又は除却する旨を、建築物等の所有者と占有者に通知します。あわせて、その期限までに自ら移転し又は除却する意思があるかを、所有者に照会しなければなりません(77条2項)。自分の家なので、まず所有者に自分で動かす機会を与えるためです。期限を過ぎると、施行者は自ら移転や除却を行い、又は命じた者や委任した者に行わせることができます。

移転や除却で生じた損失は、施行者が補償します
移転や除却は事業のために行うものなので、建築物等の所有者や占有者に費用を負わせることはできません。施行者が移転や除却をしたことで他人に損失を与えた場合や、照会を受けた者が自ら移転や除却をして損失を受けた場合は、施行者が通常生ずべき損失を補償しなければなりません(78条1項)。引越しの費用や移転の工事費などがこれに当たります。
土地区画整理法 77条1項施行者は、第九十八条第一項の規定により仮換地若しくは仮換地について仮に権利の目的となるべき宅地若しくはその部分を指定した場合、第百条第一項の規定により従前の宅地若しくはその部分について使用し、若しくは収益することを停止させた場合又は公共施設の変更若しくは廃止に関する工事を施行する場合において、従前の宅地又は公共施設の用に供する土地に存する建築物その他の工作物又は竹木土石等(以下これらをこの条及び次条において「建築物等」と総称する。)を移転し、又は除却することが必要となつたときは、これらの建築物等を移転し、又は除却することができる。
試験ではこう問われる
- 施行者は、仮換地を指定した場合において、従前の宅地に存する建築物を移転し、又は除却することが必要となったときは、当該建築物を移転し、又は除却することができる(77条1項)
- 移転・除却をしようとするときは、相当の期限を定めて建築物等の所有者及び占有者に通知し、期限までに自ら移転・除却する意思の有無を所有者に照会する(77条2項)
- 移転・除却により他人に損失を与えた場合、施行者は通常生ずべき損失を補償しなければならない(78条1項)
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