施行地区しこうちく
土地区画整理事業を施行する土地の区域です。つまり、施行者が「今回はこの範囲の土地を組み替える」と事業計画で定めた範囲で、都市計画が定める施行区域とは別の言葉です。
駅の周りの、細い道と形の悪い土地が入り組んだ一帯を、道路と整った宅地に組み替える事業が土地区画整理事業です。工事を始める前に、まず「どこからどこまでを組み替えるのか」を決めなければなりません。その範囲が施行地区で、事業計画の中で定めます。広い施行地区は、いくつかの工区に分けて順に進めることもできます。似た言葉に施行区域がありますが、こちらは都市計画法12条2項によって都市計画に「ここで土地区画整理事業を行う」と定められた区域のことで、施行地区とは決める人も決める場面も違います。

施行地区は事業の範囲で、施行区域は都市計画が決めた枠です
施行地区は、施行者が事業計画で定める「実際に土地を組み替える範囲」です。施行区域は、都道府県や市町村が都市計画として先に定めた「この一帯で区画整理を行う」という枠です。枠が先にあって、その枠を受けて施行者が線を引く、という順番になります。施行区域は都市計画で定められたときにだけ存在するので、都市計画とは関係なく行う個人施行や組合施行の事業には、施行地区はあっても施行区域が無いことがあります。施行区域の土地について行う事業は、都市計画事業として施行されます。
施行地区は、施行区域の内外にわたらないように定めます
事業計画で施行地区を定めるときは、施行区域の中にすっぽり収めるか、施行区域とはまったく別の場所で行うかのどちらかにします。施行区域の内側は都市計画事業として扱われ、外側はそうではないので、一つの事業が枠をまたぐと、同じ事業の中に都市計画事業の部分とそうでない部分が混ざってしまうからです。事業施行期間も、この事業計画の中で適切に定めます。

施行地区の線が、誰が事業に巻き込まれるかを決めます
施行地区の内側では、認可の公告などがあった日の後、換地処分の公告がある日まで、事業の障害になるおそれのある建築や土地の形質の変更に都道府県知事等の許可が要ります。組合施行なら、施行地区内の宅地の所有者と借地権者は全員が組合員になります。登記していない借地権などを持つ人は、その権利を施行者に申告しなければなりません。道一本を隔てて線の内側か外側かで、この負担がかかるかどうかが変わります。

土地区画整理法 2条4項・8項この法律において「施行地区」とは、土地区画整理事業を施行する土地の区域をいう。/この法律において「施行区域」とは、都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第十二条第二項の規定により土地区画整理事業について都市計画に定められた施行区域をいう。
試験ではこう問われる
- 施行地区は「事業を施行する土地の区域」、施行区域は「都市計画に定められた施行区域」(2条4項・8項)。二つを入れ替えた肢は誤り
- 施行区域の土地についての事業は都市計画事業として施行する(3条の4第1項)
- 施行地区内では、認可の公告等があった日後、換地処分の公告がある日まで、建築行為等に都道府県知事等の許可が要る(76条1項)
- 現に施行されている事業の施行地区では、その施行者の同意を得なければ、ほかの者は事業を施行できない(128条1項)
- 組合施行では、施行地区内の宅地の所有者と借地権者の全員が組合員(25条1項)
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