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仮換地かりかんち

法令上の制限 土地区画整理法 過去問で12肢

換地処分を行う前に、工事のため、または換地計画に基づき換地処分を行うために必要があるとき、施行者が施行地区内の宅地について仮に指定する土地です。つまり、工事の間、元の土地の代わりに使ってもらう仮の土地で、指定の効力が生じた日から元の土地は使えなくなります。

区画整理の工事では、新しい道路の予定地に建っている家を先に動かさなければ、工事が始まりません。しかし、土地が正式に入れ替わる換地処分は、工事がすべて終わってからです。そこで施行者は、換地処分を待たずに、将来の換地になる予定の土地などを仮換地として指定し、そこへ移って使ってもらいます。指定の効力が生じた日から、地主は仮換地を元の土地(従前の宅地)と同じように使え、従前の宅地のほうは使えなくなります。仮換地は、正式な換地が決まるまでの、工事の間の仮の土地です。

道路の予定地の家は、換地処分を待たずに仮換地へ移る。
道路の予定地の家は、換地処分を待たずに仮換地へ移る。

指定できるのは、換地処分の前だけです

仮換地を指定できるのは、土地の区画形質の変更や公共施設の工事のために必要がある場合と、換地計画に基づき換地処分を行うために必要がある場合の二つです。どちらも換地処分を行う前に限られます。換地処分が終われば土地は正式に入れ替わっているので、仮の土地を指定する理由がなくなるからです。指定は、仮換地となるべき土地の所有者と従前の宅地の所有者に、仮換地の位置と地積、指定の効力発生の日を通知して行います。従前の宅地に借地権などがあるときは、仮換地についても、仮にその権利の目的となる宅地を指定します。

指定の前の手続は、施行者の種類で違います

個人施行者は、従前の宅地と仮換地となるべき宅地について、所有者と、借地権などで施行者に対抗できる人の同意を得ます。組合は、総会またはその部会か総代会の同意を得ます。都道府県・市町村、国土交通大臣、都市再生機構などの公的な施行者は、土地区画整理審議会の意見を聴きます。区画整理会社は、施行地区内の宅地の所有者と借地権者のそれぞれ3分の2以上の同意が要ります。地主自身が施行者なら当事者の同意、地主の団体なら団体の意思決定、役所なら地主の代表からなる審議会の意見と、決め方が施行者の性格に合わせてあります。

個人は当事者の同意、組合は総会の同意、役所は審議会の意見。
個人は当事者の同意、組合は総会の同意、役所は審議会の意見。

効力発生の日から公告の日まで、従前の宅地は使えません

従前の宅地を権原に基づいて使える人は、仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日まで、仮換地を従前の宅地と同じ内容で使え、従前の宅地は使えません。一つの土地を二人が使う状態を作らないためです。使う人がいなくなった従前の宅地は、換地処分の公告がある日まで施行者が管理します。工事のために更地にしたり、工事車両を入れたりするのは施行者だからです。

効力発生の日から公告の日まで、使えるのは仮換地だけ。
効力発生の日から公告の日まで、使えるのは仮換地だけ。

使用収益の開始日は別に定められ、その損失は施行者が補償します

仮換地に建物など使用収益の障害となる物件があるときや、その他特別の事情があるときは、仮換地を使い始めることができる日を、効力発生の日と別に定めることができます。その場合、従前の宅地は使えないのに仮換地もまだ使えない期間が生じるので、そのために損失を受けた人には、施行者が通常生ずべき損失を補償します。仮換地を指定したときは、必要に応じて、仮に算出した仮清算金を徴収し、または交付することもできます。

土地区画整理法 98条1項(前段)

施行者は、換地処分を行う前において、土地の区画形質の変更若しくは公共施設の新設若しくは変更に係る工事のため必要がある場合又は換地計画に基づき換地処分を行うため必要がある場合においては、施行地区内の宅地について仮換地を指定することができる。

試験ではこう問われる

  1. 指定できるのは「換地処分を行う前」。工事のため必要な場合と、換地計画に基づき換地処分を行うため必要な場合(98条1項)
  2. 従前の宅地を使用収益できる者は、指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日まで、仮換地を従前と同じ内容で使用収益でき、従前の宅地は使用収益できない(99条1項)
  3. 指定の前の手続は、個人施行者は所有者等の同意、組合は総会若しくはその部会又は総代会の同意、公的施行者は土地区画整理審議会の意見(98条3項)。「組合は審議会の同意」は誤り
  4. 仮換地に使用収益の障害となる物件があるなど特別の事情があるときは、使用収益の開始日を効力発生の日と「別に定めることができる」(99条2項)。「同一の日としなければならない」は誤り。開始日を別に定められたために損失を受けた者には、施行者が通常生ずべき損失を補償する(101条1項)
  5. 使う者のいなくなった従前の宅地は、換地処分の公告がある日まで施行者が管理する(100条の2)
  6. 仮換地を指定した場合に必要となったときは、施行者は従前の宅地の建築物等を移転・除却できる(77条1項)
  7. 他の登記ができなくなるのは「換地処分の公告」があった日後で、仮換地の指定があった日後ではない(107条3項)
法令上の制限を肢別で解く

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