建築行為等の制限けんちくこういとうのせいげん
事業の認可の公告などがあった日の後、換地処分の公告がある日までの間、施行地区内で事業の施行の障害となるおそれのある建築物等の新築・改築・増築や土地の形質の変更などを行うには、都道府県知事等の許可を受けなければならない制限です。つまり、区画整理が動いている間は、施行地区の中で勝手に建てたり土地をいじったりできません。
区画整理では、これから道路や公園になる場所と、各地主の新しい宅地(換地)の位置が、事業の途中で少しずつ決まっていきます。その最中に道路予定地へ新しい家が建ってしまうと、道路は通せず、移転の補償も膨らんで、事業が止まります。そこで、事業が始まったことを知らせる公告の翌日から、事業の終わりを知らせる換地処分の公告まで、施行地区の中で家を建てたり土地を削ったり盛ったりするには、あらかじめ都道府県知事等の許可を受けることにしました。禁止ではなく許可制なので、事業の邪魔にならない建物なら許可を得て建てられます。

制限の期間は、事業の始まりの公告から換地処分の公告までです
始まりの公告は施行者ごとに違います。個人施行者なら施行の認可の公告、組合なら設立認可の公告、区画整理会社なら施行の認可の公告、都道府県・市町村・国土交通大臣なら事業計画の決定の公告、機構等なら施行規程及び事業計画の認可の公告です。施行地区の変更を含む事業計画の変更があったときは、どの施行者でもその変更の認可(公的施行者は変更)の公告が始まりになります。終わりは、どの施行者でも換地処分の公告です。換地処分の公告の翌日に換地が従前の宅地とみなされ、事業が地図の上で完成するので、そこで建築の制限も役目を終えます。

許可を出すのは都道府県知事等で、施行者ではありません
許可権者は都道府県知事です。市の区域内で個人施行者・組合・区画整理会社が施行する事業と、市が施行する事業では、その市の長が許可権者で、条文はこれらをまとめて「都道府県知事等」と呼びます。国土交通大臣が施行する事業では国土交通大臣です。組合が施行者でも、組合の総会が許可を出すのではありません。条文に理由は書いていませんが、事業を進める施行者と建築を認めるかを判断する役所を分けているのは、施行者の都合だけで地主の建築を止めないためと考えられ、その代わり知事等は許可の前に施行者の意見を聴きます。許可には期限その他の条件を付けられますが、不当な義務を課すものであってはなりません。
制限されるのは、土地をいじる、建てる、重い物を置くの三つです
対象は、土地の形質の変更(切土や盛土など)、建築物その他の工作物の新築・改築・増築、政令で定める移動の容易でない物件の設置又は堆積で、いずれも事業の施行の障害となるおそれがあるものです。移動の容易でない物件は、施行令で重量が5トンを超える物件(容易に分割され、分割した各部分が5トン以下になるものを除く)とされています。三つに共通するのは、後で道路や換地をつくるときに片付けるのが大変なことです。許可なく行った人やその権利を承継した人には、都道府県知事等が相当の期限を定めて、原状回復や移転・除却を命ずることができます。

土地区画整理法 76条1項次に掲げる公告があつた日後、第百三条第四項の公告がある日までは、施行地区内において、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更若しくは建築物その他の工作物の新築、改築若しくは増築を行い、又は政令で定める移動の容易でない物件の設置若しくは堆積を行おうとする者は、国土交通大臣が施行する土地区画整理事業にあつては国土交通大臣の、その他の者が施行する土地区画整理事業にあつては都道府県知事(…以下この条において「都道府県知事等」という。)の許可を受けなければならない。
試験ではこう問われる
- 許可権者は都道府県知事(市の区域内で個人施行者・組合・区画整理会社が施行する事業と市が施行する事業では市長)。国土交通大臣が施行する事業は大臣(76条1項)
- 「土地区画整理組合の許可を受けなければならない」は誤り。施行者は許可を出す側ではなく、知事等が許可の前に意見を聴く相手(76条2項)
- 「都道府県知事及び市町村長の許可」と二つの許可を求める肢も誤り
- 期間は、組合なら設立の認可の公告があった日後、換地処分の公告がある日まで
- 対象は、事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更、建築物その他の工作物の新築・改築・増築、移動の容易でない物件の設置・堆積
- 違反者やその承継人には、原状回復や建築物等の移転・除却を命ずることができる(76条4項)
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