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施行者しこうしゃ

法令上の制限 土地区画整理法

土地区画整理事業を施行する者です。つまり、個人施行者・土地区画整理組合・区画整理会社という民間の三つと、都道府県・市町村、国土交通大臣、都市再生機構・地方住宅供給公社という公的な四つの、合わせて七種類の主体です。

区画整理は地主が土地を出し合う仕組みなので、誰が仕切るかで事業の顔つきが変わります。数軒の地主が自分の土地だけを整えるなら本人たちが仕切り、一帯の地主が集まれば組合をつくり、市が道路網ごと作り替えるなら市が仕切ります。この、事業を施行する者を法律は施行者と呼びます。施行者は、民間や市町村の施行なら認可を受けるところから、換地計画を定め、仮換地を指定し、換地処分をするまでの全部を担うので、この法律の条文の多くが「施行者は」で始まります。

認可から換地処分まで、事業の主語はいつも施行者。
認可から換地処分まで、事業の主語はいつも施行者。

民間の三つは自分の宅地から、公的な四つは施行区域から始まります

個人施行者、土地区画整理組合、区画整理会社の三つは、宅地の所有権や借地権を持つ人が、自分の宅地を含む区域について行う民間の施行者です。区画整理会社は地主を株主とする公開会社でない株式会社で、区域内の地主が議決権の過半数を持ち、その地主と会社の持つ宅地が区域の総地積の3分の2以上を占めることが要件です。都道府県・市町村、国土交通大臣、都市再生機構、地方住宅供給公社の四つは、都市計画で定めた施行区域の土地について行う公的な施行者です。国土交通大臣は、災害の発生などで急いで行う必要があり国の利害に重大な関係がある事業のうち、国の公共施設の工事と併せて行う必要があるものや都道府県・市町村では著しく困難なものを自ら施行し、それ以外は都道府県や市町村に施行を指示します。

民間は自分の宅地から、公的は都市計画の施行区域から。
民間は自分の宅地から、公的は都市計画の施行区域から。

審議会・減価補償金・宅地地積の適正化は、公的施行者だけに付きます

公的施行者は、地主一人ひとりの同意を集めずに、都市計画で定めた施行区域で事業を始めます。だから地主の声を事業に届ける土地区画整理審議会を置き、事業の後に宅地の価額の総額が減ったときは減価補償金を交付し、換地計画で過小宅地とならないように換地を定めることができます。組合は組合員自身が総会で決めるので審議会は置かれず、個人施行者は関係権利者の同意を取って進めます。審議会・減価補償金・宅地地積の適正化の三つは、同意を集めない公的施行者に付いた仕組みです。

同意を集めない公的施行者だから、審議会で地主の声を聴く。
同意を集めない公的施行者だから、審議会で地主の声を聴く。

分合筆の代行と建築物の移転・除却は、すべての施行者に共通です

施行者は、事業のために必要があるときは、所有者に代わって土地の分割又は合併の手続をすることができます。仮換地を指定した場合などに、従前の宅地にある建築物などを移転し、又は除却することもできます。移転や除却をするときは、期限を定めて所有者と占有者に通知し、自分で移転する意思があるかを所有者に照会します。これらは土地を組み替える作業そのものなので、民間・公的を問わず全部の施行者に共通です。

土地区画整理法 2条3項

この法律において「施行者」とは、土地区画整理事業を施行する者をいう。

試験ではこう問われる

  1. 施行者は七種類(3条〜3条の3)。民間は個人施行者・組合・区画整理会社、公的は都道府県・市町村・国土交通大臣・機構等
  2. 土地区画整理審議会が置かれるのは公的施行者の事業だけ。「組合は審議会の同意を得て仮換地を指定する」は誤りで、組合は総会等の同意
  3. 仮換地を指定した場合などに、従前の宅地にある建築物等を移転・除却することが必要となったときは、施行者が自ら移転・除却できる(77条1項)
  4. 仮換地の指定で使う者のいなくなった従前の宅地は、換地処分の公告がある日まで施行者が管理する(100条の2)
  5. 換地処分の公告があったときは、施行者が遅滞なく変動の登記を申請・嘱託する(107条2項)。保留地も公告の翌日に施行者が取得する(104条11項)
  6. 減価補償金の交付(109条)は公的施行者だけ。組合や個人施行者にはない
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