生産緑地地区せいさんりょくちちく
市街化区域内にある農地等で、良好な生活環境の確保に相当の効用があり、公共施設等の敷地に適している500㎡以上の一団のものの区域について、都市計画に定める地区です(生産緑地法3条)。つまり、街の中に残った農地を、農地のまま守り続けるための地区です。
住宅が立ち並ぶ街の中に、ぽつんと畑が残っていて、角に「生産緑地地区」と書いた標識が立っていることがあります。市街化区域は本来、市街化を進める区域なので、農地は宅地に変わっていくはずの場所です。けれども、街の中の畑は、風の通り道や災害のときの避難場所になり、将来は公園などの用地にもなります。生産緑地地区は、こうした農地を農地のまま守る代わりに、建築や造成を厳しく制限する地区です。

市街化区域内の500㎡以上の農地等を、都市計画に定めます
生産緑地地区を定めることができるのは、市街化区域内にある農地等です。農地等とは、現に農業の用に供されている農地や採草放牧地、現に林業の用に供されている森林、現に漁業の用に供されている池沼などのことです。公害又は災害の防止、農林漁業と調和した都市環境の保全等良好な生活環境の確保に相当の効用があり、公共施設等の敷地に適していること、500㎡以上の規模の区域であること、農林漁業の継続が可能な条件を備えていることが条件です。都市計画に定める地域地区の一つで、用途地域ではありません。
地区内の建築や造成には、市町村長の許可が要ります
生産緑地について使用又は収益をする権利を有する者は、その生産緑地を農地等として管理しなければなりません。生産緑地地区内では、建築物その他の工作物の新築・改築・増築、宅地の造成、土石の採取その他の土地の形質の変更、水面の埋立て又は干拓は、市町村長の許可を受けなければ、してはなりません(8条1項)。市町村長が許可できるのは、農産物の生産や集荷の施設など、農林漁業を営むために必要な施設などの設置に係る行為で、生活環境の確保に支障がないものに限られます。住宅や一般の店舗を建てるための許可は出ないので、農地のままで使い続けることになります。

30年たつか従事者が亡くなると、買取りを申し出ることができます
制限がいつまでも続くのでは、農業を続けられなくなった人が困ります。生産緑地の所有者は、都市計画の告示の日から30年を経過する日以後、又は農林漁業の主たる従事者が死亡し、若しくは従事できなくなる故障を有するに至ったときは、市町村長に対し、その生産緑地を時価で買い取るべき旨を申し出ることができます(10条)。申出の日から3月以内に所有権の移転が行われなかったときは、建築や造成の制限が外れます(14条)。

生産緑地法 3条1項市街化区域(都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第七条第一項の規定による市街化区域をいう。)内にある農地等で、次に掲げる条件に該当する一団のものの区域については、都市計画に生産緑地地区を定めることができる。
一 公害又は災害の防止、農林漁業と調和した都市環境の保全等良好な生活環境の確保に相当の効用があり、かつ、公共施設等の敷地の用に供する土地として適しているものであること。
二 五百平方メートル以上の規模の区域であること。
三 用排水その他の状況を勘案して農林漁業の継続が可能な条件を備えていると認められるものであること。
試験ではこう問われる
- 「農業の利便の増進を図りつつ、これと調和した低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める」のは田園住居地域(都市計画法9条8項)。生産緑地地区の定義ではない
- 生産緑地地区は、市街化区域内にある農地等で、500㎡以上の規模などの条件に該当する一団のものの区域について、都市計画に定める(生産緑地法3条1項)
- 生産緑地地区内で、建築物その他の工作物の新築・改築・増築、宅地の造成その他の土地の形質の変更などをするには、市町村長の許可を受けなければならない(8条1項)
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