農地のうち
耕作の目的に供される土地です。つまり、登記簿の地目が何であっても、現に田や畑として作物を育てている土地が農地です。
郊外で土地を見に行くと、登記簿には「宅地」と書いてあるのに、着いてみると一面の畑だった、ということがあります。農地法はこの土地を農地として扱います。定義は「耕作の目的に供される土地」で、耕作とは土を耕して作物を育てることです。田や畑のほか、果樹園や牧草を育てる土地も入ります。農地法は、この農地を農地でなくすこと(転用)と、農地を耕さない人に渡すこと(権利移動)を許可制にする法律なので、その土地が農地かどうかが、すべての入口になります。

農地かどうかは現況で決め、登記簿の地目では決めません
2条1項の定義には地目という言葉がなく、耕作の目的に供されているかどうかだけを見ます。地目が宅地でも現に耕作されていれば農地で、転用には許可が要ります。反対に、地目が田でも砂利を敷いて駐車場にしている土地は農地ではなく、権利を取得するのに農地法の許可は要りません。登記簿は昔の姿を写しているだけのことがあり、守るべきは今そこで行われている耕作だからです。

休耕地も農地ですが、農地を新しく造ることは規制しません
2条1項に休耕地という言葉はありませんが、いま作物が植わっていなくても、耕そうと思えばいつでも耕せる休耕地は、耕作の目的に供される土地として農地に含めて扱われています。反対に、原野を開墾して農地を造る行為は、農地を減らす転用でも、農地の権利を動かす権利移動でもないので、農地法の許可は要りません。農地法の許可が見張っているのは、農地が減ることと、耕さない人に渡ることの二つです。
面積は登記簿の地積により、実測は例外です
56条は、この法律の適用については土地の面積は登記簿の地積による、と定めています。実測に基づいて農業委員会が認定した地積を使うのは、登記簿の地積が著しく事実と相違する場合と、登記簿に地積がない場合だけです。農地かどうかは現況で、面積は登記簿で、と見る先が違います。
農地には三つの許可があり、誰が何のために動かすかで分かれます
農地を農地のまま人に渡すときは3条許可で、許可権者は農業委員会です。自分の農地を自分で農地以外にするときは4条許可、農地以外にする目的で人に渡すときは5条許可で、どちらも許可権者は都道府県知事等です。条文に理由は書いてありませんが、人が変わるだけなら耕す人を見ればよいので市町村の農業委員会が、農地が減る転用は地域全体の農地を見渡す都道府県知事等が判断する、と読めます。4条許可を受けた農地でも、工事の前に他人に売るなら、人が変わるので改めて5条許可が要ります。

農地法 2条1項この法律で「農地」とは、耕作の目的に供される土地をいい、「採草放牧地」とは、農地以外の土地で、主として耕作又は養畜の事業のための採草又は家畜の放牧の目的に供されるものをいう。
試験ではこう問われる
- 農地かどうかは現況で判断する。登記簿の地目が雑種地や宅地でも、現に耕作していれば農地
- 休耕地や遊休化した農地も農地。転用には許可が要る
- 原野を農地にする行為は転用ではなく、4条の許可は要らない
- 面積は登記簿の地積による。登記簿の地積が著しく事実と相違する場合と地積がない場合は、実測に基づき農業委員会が認定する(56条)
- 農地のまま権利を動かすなら3条(農業委員会)、自分で転用するなら4条、転用のために権利を動かすなら5条(都道府県知事等)
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