津波災害警戒区域つなみさいがいけいかいくいき
津波が発生した場合に住民等の生命又は身体に危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、津波による人的災害を防止するために警戒避難体制を特に整備すべき区域として、都道府県知事が指定する区域です(津波防災地域づくりに関する法律53条)。つまり、津波から逃げる備えを重点的に整える区域で、区域内にあることは重要事項説明の対象です。
海の近くの町では、電柱や建物の壁に「ここまで津波が来るおそれがあります」という表示を見かけます。平成23年の東日本大震災の後、津波から人の命を守る町づくりを進めるために、津波防災地域づくりに関する法律が作られました。この法律は、津波が来たら危ない区域を都道府県知事が指定し、避難の備えを整えさせます。特に危ない区域では、病院や学校などの建築も制限します。

警戒区域は、避難の体制を整える区域です
津波災害警戒区域は、都道府県知事が、津波浸水想定を踏まえて指定します。指定のときは、区域と基準水位を明らかにします。基準水位とは、想定される浸水の深さに、津波が建物にぶつかってせり上がる分を加えた水位で、避難する高さの目安になります。指定があると、市町村の地域防災計画に、津波の情報の伝達、避難場所と避難経路、避難訓練などが定められます。警戒区域は避難の備えを整える区域で、この区域に入っただけで開発行為や建築が制限されるわけではありません。
特別警戒区域では、病院や学校などの開発と建築に許可が要ります
都道府県知事は、警戒区域のうち、津波が発生した場合に建築物が損壊し、又は浸水し、住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがある区域を、津波災害特別警戒区域として指定することができます。特別警戒区域内で、社会福祉施設、学校、医療施設などの用途の建築物のための一定の開発行為(特定開発行為)や、これらの用途の建築物の建築(特定建築行為)をしようとする者は、あらかじめ、都道府県知事等の許可を受けなければなりません。都道府県知事等とは都道府県知事のことで、指定都市又は中核市の区域内ではその市の長です。高齢者や入院している人、子どもは自分ではすぐに逃げられないので、こうした人が使う建物に限って、津波に耐えられるかどうかを事前に確かめます。

津波防護施設区域での掘削などは、管理者の許可が要ります
津波防護施設とは、内陸で津波を食い止めるための盛土構造物や閘門などで、都道府県知事又は市町村長が管理するものです。管理する都道府県知事又は市町村長を、津波防護施設管理者といいます。管理者は、施設の敷地とそれに隣接して施設を保全するために必要な土地を、津波防護施設区域として指定します。この区域内の土地で、津波防護施設以外の施設や工作物の新築又は改築、土地の掘削、盛土又は切土などをしようとする者は、津波防護施設管理者の許可を受けなければなりません(23条1項)。施設のすぐそばを掘ったり盛ったりすると、津波を食い止める力が弱まるからです。

津波防災地域づくりに関する法律 53条1項都道府県知事は、基本指針に基づき、かつ、津波浸水想定を踏まえ、津波が発生した場合には住民その他の者(以下「住民等」という。)の生命又は身体に危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、当該区域における津波による人的災害を防止するために警戒避難体制を特に整備すべき土地の区域を、津波災害警戒区域(以下「警戒区域」という。)として指定することができる。
試験ではこう問われる
- 津波防護施設区域内において土地の掘削をしようとする者は、一定の場合を除き、津波防護施設管理者の許可を受けなければならない(23条1項)
- 建物が津波災害警戒区域内にあるときは、売買の媒介でも貸借の媒介でも、その旨を重要事項として説明しなければならない(宅地建物取引業法施行規則16条の4の3第3号)。「貸借の場合は説明しなくてよい」は誤り
- 津波災害警戒区域と津波災害特別警戒区域を指定するのは都道府県知事(53条1項・72条1項)
- 津波災害特別警戒区域内で、社会福祉施設、学校、医療施設などのための特定開発行為や特定建築行為をしようとする者は、あらかじめ都道府県知事等の許可を受けなければならない(73条1項・82条)
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