土地区画整理審議会とちくかくせいりしんぎかい
都道府県・市町村(国土交通大臣、機構等も同じ)が施行する土地区画整理事業ごとに置かれ、換地計画、仮換地の指定及び減価補償金の交付に関する事項について権限を行う機関です。つまり、役所が施行者のとき、施行地区の宅地の所有者と借地権者が選挙した委員を通じて、換地の決め方に地権者の声を届ける会議です。
組合施行なら、地主は組合員として総会で自分たちの換地を決められます。ところが市や県が施行者のときは、地主は事業の外側にいて、役所が換地計画や仮換地を決めていくことになります。そこで、施行地区の宅地の所有者と借地権者が選挙で委員を出し、換地計画、仮換地の指定、減価補償金の交付について、役所が決める前に意見を述べたり同意したりする会議を、事業ごとに置きます。これが土地区画整理審議会で、工区に分けたときは工区ごとにも置け、事業の任務を終えれば廃止されます。

置かれるのは公的施行者の事業だけで、組合や会社にはありません
都道府県又は市町村が施行する事業ごとに、その都道府県又は市町村に審議会を置きます。国土交通大臣が施行する事業では国土交通省に、機構等が施行する事業でも同じ仕組みで置かれます。組合、個人施行者、区画整理会社の事業には置かれません。これらは地権者自身や地権者の同意を得た者が施行者なので、外から地権者の声を入れる仕組みが要らないからです。
意見を聴く事項と、同意を得る事項に分かれています
権限は換地計画、仮換地の指定、減価補償金の交付に関する事項の三つです。このうち、縦覧に供する換地計画の作成と意見書の審査、仮換地の指定、減価補償金の各権利者別の交付額については、施行者は審議会の意見を聴きます。一方、学校などの宅地に位置や地積で特別の考慮を払うこと、過小宅地の基準となる地積を定めることや地積が著しく小さい宅地に換地を定めないこと、保留地を定めること、評価員を選任することは、審議会の同意を得なければなりません。違いは、事業全体を進めるための判断か、特定の地権者に有利や不利が生じる判断かです。誰かを特別に扱う、誰かの宅地を減らす、価額を評価する人を決める、という判断は、地権者の代表の同意なしにはできません。

委員は10人から50人で、所有者と借地権者が別々に選挙します
委員の数は10人から50人までの範囲で施行規程で定めます。委員は、施行地区内の宅地の所有者と借地権者が、それぞれのうちから各別に選挙し、選ばれる委員の数はそれぞれの総数の割合におおむね比例させます。所有者から選ばれた委員と借地権者から選ばれた委員は兼ねられません。所有者と借地権者を分けて選ぶのは、換地では両者の利害が食い違うことがあり、片方の声だけの会議にならないようにするためです。知事又は市町村長は、定数の5分の1を超えない範囲で学識経験者を委員に選任でき、委員の任期は5年以内です。
土地区画整理法 56条1項・3項都道府県又は市町村が第三条第四項の規定により施行する土地区画整理事業ごとに、都道府県又は市町村に、土地区画整理審議会(以下この節において「審議会」という。)を置く。(1項)/審議会は、換地計画、仮換地の指定及び減価補償金の交付に関する事項についてこの法律に定める権限を行う。(3項)
試験ではこう問われる
- 置かれるのは都道府県・市町村(国土交通大臣、機構等も)が施行する事業ごと(56条1項ほか)。組合や区画整理会社には置かれない
- 「土地区画整理組合は、仮換地の指定について審議会の同意を得なければならない」は誤り。組合は総会若しくはその部会又は総代会の同意(98条3項)
- 公的施行者が仮換地を指定するときは、審議会の「意見を聴く」(98条3項)。同意ではない
- 公的施行者が換地計画を作成するときも審議会の意見を聴く(88条6項)。保留地を定めるには審議会の「同意」が要る(96条3項)
- 委員は、施行地区内の宅地の所有者と借地権者がそれぞれ選挙する(58条1項)
用語で読んだ論点を、解説つきの肢別演習で確かめられます。無料プランは月300肢まで。