照応の原則しょうおうのげんそく
換地計画で換地を定めるときは、換地と従前の宅地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等が照応するように定めなければならない、という決まりです。つまり、区画整理の前と後で、地主が持つ土地の条件を釣り合わせます。
土地区画整理は、地主全員が土地を少しずつ出し合って道路や公園をつくり、区画を引き直す事業です。駅前で商店を営んでいた土地が、工事の後に郊外の畑の隣に移されたら、地主にとっては土地を取り上げられたのと同じです。そこで、新しく受け取る土地(換地)は、元の土地(従前の宅地)と、位置、地積、土質、水利、利用状況、環境などの条件を照らし合わせて、同じような使い方ができるように定めます。これが照応の原則で、換地計画を立てるときの一番の基本です。どうしても釣り合いきれない分は、お金(清算金)で埋めます。

照応させる条件は、位置・地積・土質・水利・利用状況・環境等です
位置は場所、地積は面積、土質は地盤の良し悪し、水利は水の便、利用状況は今どう使われているか、環境は周りの様子のことです。条文に「等」とあるとおり例示で、この六つに限りません。従前の宅地に地上権や賃借権など、所有権と地役権以外の権利が付いているときは、換地についてもその権利の目的となる宅地を、同じ考え方で定めます。土地を借りている人も、地主と同じように釣り合った土地を受け取れるようにするためです。

仮換地の指定では、換地計画の決定の基準を考慮すれば足ります
仮換地は、工事の間だけ従前の宅地の代わりに使う仮の土地です。施行者が仮換地を指定するときは、換地計画で定められた事項またはこの法律に定める換地計画の決定の基準を考慮してしなければなりません。本番の換地は「照応するように」定めますが、仮換地は工事の都合で一時的に使う土地なので、照応の原則を頭に置いて決めればよく、必ず一致させることまでは求められません。換地計画がまだ決まっていなくても仮換地を指定できるのは、この違いがあるからです。
釣り合いきれない差は、清算金で埋めます
換地をどう定めても、位置や面積の差を完全に無くすことはできません。そこで、換地を定め、または定めない場合に不均衡が生ずると認められるときは、位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等を総合的に考慮して金銭で清算し、換地計画でその額を定めます。照応の原則で見る六つの条件が、そのまま清算金を決めるときの条件です。土地で釣り合わせるのが照応の原則、残りをお金で釣り合わせるのが清算金と、二段構えになっています。

土地区画整理法 89条1項換地計画において換地を定める場合においては、換地及び従前の宅地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等が照応するように定めなければならない。
試験ではこう問われる
- 照応させる条件は「位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等」(89条1項)。条文どおりの列挙なら正しい
- 換地を定め、又は定めない場合に不均衡が生ずるときは金銭で清算し、その額は換地計画で定める(94条)
- 仮換地を指定するときは、換地計画の決定の基準を「考慮」する(98条2項)
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