開発許可を受けた土地以外の土地における建築等の制限かいはつきょかをうけたとちいがいのとちにおけるけんちくとうのせいげん
市街化調整区域のうち、開発許可を受けた開発区域以外の区域では、都道府県知事の許可を受けなければ、建築物の新築・改築・用途の変更や第一種特定工作物の新設ができないという制限です。つまり、造成をしない建築であっても、市街化調整区域では知事の許可が要るという決まりです。
市街化調整区域にある農家の隣の空き地を買い、造成せずに、平らな地面にそのまま家を建てようとしたとします。開発許可は土地の区画形質の変更、つまり造成を対象にする制度なので、造成をしなければ開発許可の網には掛かりません。それを認めると、造成なしの建築が積み重なって、市街化を抑えるはずの区域に街が広がってしまいます。そこで開発許可を受けた土地以外の土地における建築等の制限が、市街化調整区域では造成をしない建築にも知事の許可を要求します。開発許可の目が届く造成地の中は開発許可に任せ、その外側を建築の許可で押さえる、という役割分担です。

造成をしない建築にも、市街化調整区域では知事の許可が要ります
市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域では、何人も、知事の許可を受けなければ、建築物を新築したり第一種特定工作物(コンクリートプラントなど、周辺の環境を悪化させるおそれのある工作物)を新設したりできず、改築や用途の変更で別の建築物にすることもできません。対象は市街化調整区域だけで、市街化区域や区域区分のない都市計画区域にこの許可はありません。市街化を抑える区域だからこそ、造成のあるなしにかかわらず建築を見張る必要があるからです。農林漁業用の建築物や農林漁業を営む人の住宅、駅舎や図書館などの公益上必要な建築物は、開発許可と同じくこの制限の対象外です。

事業の施行、災害の応急措置、仮設建築物などには許可が要りません
都市計画事業の施行として行うもの、非常災害のため必要な応急措置として行うもの、仮設建築物の新築、公有水面の埋立地や土地区画整理事業などの施行として行われた開発行為の区域内の建築、通常の管理行為や軽易な行為は、許可なしで行えます。事業は都市計画そのものの実現であり、災害の応急措置は待てず、仮設建築物は残らないので、市街化を進める心配がないからです。軽易な行為として政令は、既存の建築物の敷地内の車庫や物置、床面積10平方メートル以内の改築や用途の変更、周辺の居住者が自ら営む延べ面積50平方メートル以内の店舗などの新築、事業に一時的に使う第一種特定工作物の新設を挙げています。

許可の基準は、開発許可の基準に準じて政令が定めます
この許可の基準は、33条と34条の開発許可の基準の例に準じて、政令で定めます。政令は、排水施設と災害防止の措置が講じられていること、地区整備計画のある区域ではその内容に適合すること、そして建築物が34条1号から10号までに当たるもの、条例で指定した区域や用途のもの、区域区分の際の権利者が5年以内に建てるもの、知事があらかじめ開発審査会の議を経たもの、のいずれかであることを求めています。市街化調整区域の立地の関門が、造成をしない建築にもそのまま掛かるということです。許可をするのは知事で、開発審査会は知事が議を経る相手です。許可には都市計画上必要な条件を付けることができます。
国や都道府県等の建築は、知事との協議の成立で許可とみなします
国または都道府県等が行う建築物の新築・改築・用途の変更や第一種特定工作物の新設は、その国の機関または都道府県等と知事との協議が成立することをもって、許可があったものとみなします。役所同士なので、一方が他方に許可を与える形ではなく、協議で調整する形をとります。国や都道府県等が行う開発行為について、国の機関や都道府県等と知事との協議の成立で開発許可があったものとみなす仕組みと同じつくりです。
都市計画法 43条1項(本文)何人も、市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内においては、都道府県知事の許可を受けなければ、第二十九条第一項第二号若しくは第三号に規定する建築物以外の建築物を新築し、又は第一種特定工作物を新設してはならず、また、建築物を改築し、又はその用途を変更して同項第二号若しくは第三号に規定する建築物以外の建築物としてはならない。
試験ではこう問われる
- 対象は市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域。開発行為を伴わない建築にも知事の許可が要る(43条1項)。「自己の居住用の住宅で、開発行為を伴わなければ許可不要」は誤り
- 都市計画事業の施行、非常災害の応急措置、仮設建築物の新築などは許可不要(43条1項ただし書)。「都市計画事業の施行として行う新築でも許可が要る」は誤り
- 農林漁業用の建築物や農林漁業を営む者の住宅、駅舎・図書館・公民館・変電所などの公益上必要な建築物(29条1項2号・3号)は、もともと許可の対象外。学校はこの公益上必要な建築物に入らないので、新築に許可が要る
- 市街化区域には、この制限は掛からない。「市街化区域のうち開発区域以外の区域で新築するには知事の許可」は誤り
- 許可の基準は33条・34条の開発許可の基準の例に準じて政令で定める(43条2項)
- 国や都道府県等が行う建築は、知事との協議の成立で許可があったものとみなす(43条3項)
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