区域区分くいきくぶん
都市計画区域について、無秩序な市街化を防止し計画的な市街化を図るため必要があるときに、都市計画に定める市街化区域と市街化調整区域との区分です。つまり、区域の中に線を引いて、街を育てる側と抑える側に分けることで、線引きとも呼ばれます。
同じ市の中でも、駅の周りのようにどんどん家や店が建ってよい場所と、田んぼや山林のまま残しておきたい場所があります。何も決めずにいると、田んぼの真ん中にぽつぽつと住宅が建ち、そのたびに道路や下水道を延ばすことになって、街づくりの費用がかさみます。そこで都市計画区域の中に線を引き、育てる側を市街化区域、抑える側を市街化調整区域と分けるのが区域区分です。地図の上に線を引くので線引きと呼ばれ、線を引いていない都市計画区域は「区域区分が定められていない都市計画区域」、いわゆる非線引き区域と呼ばれます。

原則は任意で、大都市の区域だけは必ず定めます
区域区分は、無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため「必要があるとき」に「定めることができる」都市計画です。人口が増えず市街化の圧力が弱い地方では線を引く必要が薄いので、区域区分のない都市計画区域も多くあります。一方で、首都圏の既成市街地や近郊整備地帯、近畿圏・中部圏の同様の区域を含む都市計画区域と、政令で定める大都市(指定都市を含む都市計画区域など)は、市街化の圧力が強いので区域区分を定めるものとされています。任意が原則で、必ず定めるのは例外です。

定めるのは都道府県で、有無は方針の中で必ず書きます
区域区分に関する都市計画は、整備、開発及び保全の方針と同じく都道府県が定めます。線をどこに引くかで区域全体の姿が決まるので、市町村ごとではなく、区域を一つの都市として見渡す都道府県の仕事になっています。線引きをするかしないかは、方針の中で必ず定める事項です。定め方の基準は、都市の発展の動向や人口・産業の将来の見通しを勘案し、産業活動の利便と居住環境の保全との調和を図りつつ、国土の合理的利用を確保し、効率的な公共投資を行うことができるようにすること、とされています。田んぼの中にぽつぽつ家が建つと公共投資が無駄になる、という冒頭の場面がこの基準にそのまま表れています。
線引きの有無で、開発許可の規模と事業の可否が変わります
開発許可が要らない小さな開発の上限は、市街化区域が1,000平方メートル未満、区域区分が定められていない都市計画区域と準都市計画区域が3,000平方メートル未満です。市街化調整区域には規模の下限がなく、原則としてすべての開発行為に許可が要ります。育てる側は小さな開発なら自由、抑える側は小さくても許可、線のない区域はその中間、という組み立てです。土地区画整理事業などの市街地開発事業は、市街化区域または区域区分が定められていない都市計画区域の中で定めます。抑える側の市街化調整区域には、街を作り替える事業は定めません。

都市計画法 7条1項都市計画区域について無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため必要があるときは、都市計画に、市街化区域と市街化調整区域との区分(以下「区域区分」という。)を定めることができる。ただし、次に掲げる都市計画区域については、区域区分を定めるものとする。
試験ではこう問われる
- 原則は任意で「必要があるときは…定めることができる」(7条1項)。「定めなければならない」は誤り。三大都市圏の既成市街地・近郊整備地帯などを含む都市計画区域と、政令で定める大都市の都市計画区域だけは定めるものとする
- 区域区分を定めるのは都市計画区域。準都市計画区域には定められない
- 定めるのは都道府県(15条1項2号)
- 開発許可が不要な規模は、市街化区域が1,000平方メートル未満(三大都市圏の既成市街地などは500平方メートル未満)、区域区分が定められていない都市計画区域と準都市計画区域が3,000平方メートル未満。市街化調整区域には規模による例外がない
- 区域区分が定められていない都市計画区域でも、図書館・博物館などの公益上必要な建築物のための開発や、土地区画整理事業の施行として行う開発は、規模を問わず許可不要
- 市街地開発事業は、市街化区域または区域区分が定められていない都市計画区域に定める(13条1項13号)
用語で読んだ論点を、解説つきの肢別演習で確かめられます。無料プランは月300肢まで。