宅建の試験日から逆算する年間スケジュール
宅建試験日は10月の第3日曜日、令和8年度は10月18日です。官報公告から申込、受験票発送、合格発表までの日程と、試験日から逆算した科目別の学習計画、5問免除の登録講習を置く時期を解説します。
目次
この記事は、宅建試験の「日付」を出発点にして、一年の動き方を組み立てるためのものです。当日の持ち物や会場での振る舞いは宅建試験当日ガイド|持ち物・時間配分・注意事項に、その年の日程一覧は【2026年】宅建試験の日程・概要・変更点まとめにまとめてあります。ここで扱うのは、試験日という一点が決まっていることが、申込・登録講習・科目ごとの学習配分にどんな制約を課すのか、という話です。
宅地建物取引士資格試験は、毎年1回、10月の第3日曜日に実施されます。一般財団法人不動産適正取引推進機構(以下、機構)の公表によれば、令和8年度(2026年度)の試験日は令和8年10月18日(日)、時間は13時00分から15時00分までです。この一点が動かないことが、宅建の年間計画をつくるうえで最大の手がかりになります。試験日が固定されているということは、そこから逆算したすべての締切も、ほぼ同じ位置に毎年現れるということだからです。
そして逆算してみると、意外な事実に突き当たります。宅建で最初に訪れる「落とすと取り返しがつかない期限」は、試験日の3か月近く前にあります。令和8年度でいえば、郵送申込は7月15日で、インターネット申込は7月31日で締め切られました。ここを逃せば、どれだけ準備が仕上がっていても、その年の試験は受けられません。学習計画を「10月に間に合わせる計画」だと思っていると、7月の壁を見落とします。以下では、機構が公表している令和8年度の日程を軸に、各期限が何を要求するのか、そして試験日から逆算したときに科目をどう並べるべきかを順に見ていきます。
試験日は「10月の第3日曜日」で固定されている
日付と時間の枠
機構が公表している試験の概要では、宅建試験は「毎年1回、10月の第3日曜日」に実施されると定められています。曜日と週で指定されているため、日付そのものは年によって10月15日から10月21日までの範囲で動きますが、位置は動きません。令和8年度は10月18日(日)です。
試験時間は13時00分から15時00分までの2時間です。登録講習修了者、いわゆる5問免除の対象者は13時10分から15時00分までの1時間50分となります。免除される5問ぶんだけ開始が10分遅れる構造で、終了時刻は共通です。この10分の差は、後で述べるように、当日の着席刻限にもそのまま反映されます。
出題は四肢択一のマークシートで50問、各1点です。登録講習修了者は45問を解答します。合格基準は固定点ではなく、その年の受験者全体の成績で決まる相対評価です。令和7年度(2025年度)の合格判定基準点は33点でした。この点数がどう決まるのかは宅建の合格ラインと合格点で詳しく扱っています。
着席刻限は試験開始時刻ではない
見落とされやすいのが、着席の締切です。機構の案内では、試験開始の30分前までに着席することが求められています。登録講習修了者は開始が10分遅い代わりに、40分前までの着席とされており、結果として一般受験者も修了者も同じ12時30分が実質的な刻限になります。
つまり「13時開始」という数字を基準に会場入りを計画すると、30分足りません。逆算すべき時刻は13時00分ではなく12時30分です。この30分は説明と配付のための時間で、遅れれば受験できない可能性があります。前日に確認するのは試験開始時刻ではなく着席刻限のほうだ、と覚えておいてください。
途中退出は認められていない
もうひとつ、以前の受験経験がある人ほど誤解しやすい点があります。令和8年度の試験案内では、不正受験防止の観点から、説明開始後および試験時間中の途中退出が禁止されています。早く解き終わっても席を立つことはできません。
これは時間配分の設計に直接効いてきます。「見直しが終わったら出て帰る」という選択肢が存在しない以上、2時間はまるまる使い切る前提で組むのが合理的です。残った時間をどう使うかまで含めて計画に入れておくと、終盤の集中力の落ち方が変わります。当日の時間配分の具体案は宅建試験当日ガイド|持ち物・時間配分・注意事項にあります。
受験資格に制限はないが、居住要件はある
機構の案内では、年齢・学歴・実務経験による制限はなく、日本国内に居住する人であれば誰でも受験できるとされています。受験回数の制限もありません。「誰でも受けられる」と紹介されることが多い試験ですが、正確には国内居住が前提になっている点は押さえておいてください。
制限がないぶん、受験者層は広くなります。令和7年度の合格者の平均年齢は36.2歳でした(機構公表値)。年齢別・職業別の分布は宅建受験者データから見える傾向にまとめています。
試験日を頂点にした一年のカレンダー
6月の官報公告が起点
その年の日程が正式に確定するのは、6月上旬の官報公告です。令和8年度は6月5日(金)に公告されました。ここで試験日、申込期間、受験手数料、試験地が確定します。
逆に言えば、6月より前に出回っている日程はすべて「例年のパターンからの推定」です。10月第3日曜という枠は制度として定まっているので試験日の推定はほぼ外れませんが、申込期間の初日と締切日は年によって数日ずれます。4月や5月の段階で申込の予定を立てるときは、公告で上書きする前提にしておいてください。
7月に申込が集中する
令和8年度の実際の日程は次のとおりでした。試験案内の配布期間が7月1日(水)から7月15日(水)まで。郵送申込が同じく7月1日から7月15日まで。インターネット申込が7月1日(水)9時30分から7月31日(金)23時59分まで。
注目すべきは、郵送とインターネットで締切が半月違うことです。郵送は7月15日、インターネットは7月31日。この差は毎年生じており、郵送を選ぶつもりでいると2週間ぶんの猶予を失います。しかも郵送で申し込むには試験案内の冊子が必要で、その配布期間自体が7月15日で終わります。冊子を取りに行く時間を含めると、郵送組の実質的な締切はさらに前倒しになります。申込方法ごとの手順は宅建試験の申し込み方法|ネット・郵送の手順と受験資格・受験料で詳しく解説しています。
8月と9月は日程上の空白
申込が終わってから受験票が届くまで、公的なイベントは何もありません。令和8年度の受験票発送予定日は10月2日(金)です。7月末から10月初旬まで、およそ2か月間の空白があります。
この空白が、宅建の年間計画でいちばん扱いが難しい期間です。手続き上のマイルストーンが存在しないので、自分で締切を設定しないかぎり、時間だけが過ぎます。後述する学習計画では、この2か月に何を割り当てるかを最重要の論点として扱います。
10月2日の受験票で試験地が確定する
受験票が届いて初めて、具体的な試験会場が分かります。申込時に選べるのは試験地(原則として申込時に住民登録をしている都道府県)であって、会場そのものではありません。会場は機構が割り当てます。
つまり、会場までの経路を調べられるのは試験日の2週間ほど前からです。遠方の会場に割り当てられた場合の交通手段や宿泊は、この時点から手配することになります。10月上旬に「会場が判明したら経路を確認する」という予定を、学習計画とは別に置いておいてください。
受験票が届かないときに残された時間は短い
令和8年度の受験票発送予定日は10月2日、試験日は10月18日です。あいだは16日しかありません。この16日のうちに、受験票の到着、記載内容の確認、会場までの経路の確認、必要なら宿泊の手配を済ませることになります。
発送予定日から数日たっても届かない場合は、機構に照会する必要があります。転居して住所変更の届出をしていない、集合住宅で郵便物が届きにくい、といった事情があると到着が遅れます。ここで対応が数日遅れると、試験日までの残り時間がそのまま削られます。
10月上旬は直前期の入口でもあるため、学習に集中したい時期と手続きの確認が重なります。だからこそ、10月2日前後に「受験票を確認する日」をあらかじめカレンダーに入れておくのが安全です。届いていることを能動的に確認する予定がないと、気づくのが遅れます。
11月25日の合格発表まで
令和8年度の合格発表は令和8年11月25日(水)9時30分です。試験日から数えて38日後にあたります。この期間の過ごし方については、自己採点の手順を宅建試験の自己採点のやり方に、発表後の手続きを宅建合格後にやることにまとめています。
ここで押さえておきたいのは、合格発表が11月下旬であることが、翌年の計画にも影響するという点です。不合格だった場合、次の試験日まで残り約11か月。合格していた場合は、そこから登録の手続きが始まります。試験日は一年の終点ではなく、翌年のサイクルの起点でもあります。
申込は試験日の3か月前で締め切られる
手数料と払込のタイミング
受験手数料は8,200円です。インターネット申込ではクレジットカードやコンビニ決済などで支払い、郵送申込では所定の方法で払い込みます。重要なのは、申込を「送った」時点ではなく、手数料の支払いまで完了した時点で受付が成立するという点です。締切日の夜に申込フォームだけ埋めて決済を翌日に回す、といった進め方は成立しません。
インターネット申込の締切は7月31日の23時59分と分単位で切られています。締切当日はアクセスが集中しやすく、また顔写真のアップロードで規格不適合により差し戻される可能性もあります。開始日である7月1日に近いタイミングで済ませてしまうのが安全です。
顔写真の規格でつまずく人が多い
申込には申込前6か月以内に撮影した本人の顔写真が必要です。インターネット申込では画像データをアップロードし、郵送申込では紙焼きを貼付します。この写真が規格に合わないと受付が保留になり、修正のやり取りが発生します。
締切間際に規格違反で差し戻されると、修正する時間がありません。ここでも「7月1日に近いほうが安全」という結論になります。写真の具体的な規格は宅建試験の申し込み方法を参照してください。
締切を落とした場合の帰結
宅建試験には追加申込も救済措置もありません。7月31日を過ぎれば、次に受験できるのは翌年の10月です。学習が仕上がっていようが、この一点だけで一年を失います。
これは大げさな話ではなく、年間計画の構造上そうなっているというだけのことです。多くの人は「10月の試験に向けて学習する」と考えます。しかし実際の第一関門は7月にあります。この認識のずれが、そのまま事故につながります。
学習を始めるのが遅れた人ほど注意が必要です。「今年は無理そうだから来年にしよう」と考えて申込を見送ると、判断を撤回できません。逆に申し込んでおけば、8月以降に学習が加速したときに受験できます。8,200円で選択肢を残せると考えれば、迷ったときは申し込んでおくほうが合理的な場面が多いはずです。受験者数と申込者数の差はこの判断の結果でもあり、令和7年度は申込306,099人に対して受験245,462人、受験率80.2%でした(機構公表値)。約6万人が申し込んだうえで受験していません。
試験地は住民登録地で決まる
申込時に選べる試験地は、原則として申込時点で住民登録をしている都道府県です。単身赴任や進学で住民票と生活拠点が離れている場合、希望する場所で受けられるとは限りません。この扱いは年度の案内で確認が必要な項目なので、7月の申込前に自分のケースを整理しておいてください。
5問免除を使うなら、登録講習は試験日の半年前から動く
制度の中身と起算点
宅地建物取引業法16条3項は、国土交通大臣の登録を受けた者が行う講習(登録講習)を修了した者について、試験の一部を免除すると定めています。そして同法施行規則10条の14は、免除の対象を「登録講習修了試験に合格した日から3年以内に行われる試験」としています。
ここが最も間違えやすい箇所です。起算点は修了証の交付日でも、講習の受講日でもありません。登録講習の最後に行われる修了試験に合格した日です。3年という期間だけを覚えていて起算点を取り違えると、有効期限の計算が数週間から数か月ずれます。条文どおりに「合格した日から3年以内」と押さえてください。
免除されるのは5問で、例年の出題では問46から問50までの5問にあたります。具体的には住宅金融支援機構法、景品表示法(不動産の表示に関する公正競争規約)、統計、土地、建物の分野です。制度の全体像は5問免除(登録講習)制度|対象者・費用・メリットを解説にまとめています。
受講できるのは宅建業の従事者だけ
機構の案内では、登録講習を受講できるのは宅地建物取引業に従事している人、具体的には宅地建物取引業法48条1項の従業者証明書を持っている人に限られます。一般の人は受講できません。
したがって、5問免除が使えるかどうかは学習を始める前に確定します。不動産業に勤めていない人にとっては選択肢がなく、勤めている人にとっては使わない理由がほとんどありません。まずここを確認してから計画を立てるべきなのは、免除の有無で学習範囲そのものが変わるからです。
逆算すると、動き出しは春
登録講習は通信学習とスクーリング、そして修了試験という構成をとります。実施機関によって日程は異なりますが、申込から修了試験の合格までには相応の期間がかかります。そして7月の宅建試験申込の時点で修了していることが前提になります。
ここから逆算すると、講習の申込は遅くとも春先には済ませておく必要があります。4月や5月に動き始めるのでは、実施機関の日程によっては7月に間に合わない可能性が出てきます。「試験日は10月だから夏に考えればいい」という感覚でいると、5問免除だけは間に合いません。試験日から逆算したときに、いちばん早く動かなければならないのが登録講習です。
なお、修了試験に合格した日から3年以内であれば複数年にわたって免除が使えます。今年の受験を見送る可能性がある人でも、講習を先に済ませておく判断には意味があります。
3年という有効期間の使い方
「3年以内に行われる試験」という書き方は、試験日を基準に判定するという意味です。宅建試験は年1回なので、修了試験に合格した時期にもよりますが、実務上は3回ぶんの試験機会をカバーすることになります。
これが計画上どう効くかというと、二つあります。ひとつは、初回の受験で不合格だった場合に、免除がそのまま次年度以降にも使えるという点です。再受験のたびに講習を受け直す必要はありません。もうひとつは、期間が切れたあとは再受講が必要になるという点です。3年目の試験で決着がつかなければ、4年目には免除のない状態で受けるか、もう一度講習を受けるかの選択になります。
したがって、免除を持っている人ほど、その3年のあいだに決着をつける前提で計画を組むほうが合理的です。逆に、まだ講習を受けていない業界の人が「今年は間に合わないから来年考えよう」と先送りすると、初年度の免除だけでなく3年ぶんの機会を後ろにずらすことになります。試験日から逆算したときに登録講習を最も早く置くべき理由は、当年の免除を確保するためだけではありません。
免除の有無で当日の時間感覚も変わる
免除者は45問を1時間50分で解きます。単純に割れば1問あたり約2分27秒で、50問を2時間で解く場合の2分24秒とほとんど変わりません。免除は「時間に余裕ができる制度」ではなく、「学習範囲が5問ぶん狭くなる制度」だと理解しておいてください。
当日の時間配分を模試で詰めるときも、免除者は45問想定で通す必要があります。50問の模試を1時間50分で解く練習をしても、本番の感覚とはずれます。9月の模試を選ぶ段階で、免除者向けの設定があるかどうかを確認しておくとよいでしょう。
免除が学習計画に与える影響
5問免除が使えると、学習範囲から問46から問50までの5分野が丸ごと外れます。統計のように毎年数字を更新しなければならない分野が含まれているため、直前期の負担が目に見えて軽くなります。
同時に、合格に必要な得点構造も変わります。45問での勝負になり、相対評価の基準点も免除者向けに別立てで示されます。令和7年度の合格者のうち登録講習修了者の割合は24.2%でした(機構公表値)。合格者の4人に1人が免除を使っている計算です。
免除を使わない場合は、問46から問50を得点源として設計することになります。この5問は範囲が限定されていて対策の費用対効果が高い領域なので、捨て科目にはしないでください。具体的な攻略法は免除科目5問の攻略法|登録講習を受けない人のための対策で扱っています。
試験日から逆算する学習計画の組み方
なぜ科目に「置くべき時期」があるのか
宅建の4分野は、性質がそれぞれ違います。この違いを無視して均等に時間を割ると、直前期に取り返しのつかない偏りが出ます。以下は科目の配置の話ですが、1年で通すと決めたときに何を優先して何を捨てるかという判断そのものは宅建に一発合格するにまとめてあります。
権利関係は理解に時間がかかりますが、いったん理解すれば忘れにくい分野です。民法の考え方は積み上げ式で、途中を飛ばすと後半が理解できません。したがって時間に余裕のある早い時期に置くのが合理的です。
宅建業法は暗記の比重が高く、数字と手続の細部を正確に保持することが問われます。暗記は放置すると減衰するため、早く仕上げても直前に再度固め直す必要があります。ただし50問中20問という最大の配点を持つので、遅く始めるわけにもいきません。早期に一巡し、直前に締め直す二段構えになります。
法令上の制限も数字が中心ですが、宅建業法と違って制度そのものの骨格を理解していないと数字が定着しません。都市計画法と建築基準法の枠組みを先につかんでから数字を載せる順序が必要です。
税・その他は範囲が狭く、直前に詰めても効く分野です。とくに統計は、その年の最新の公表値が問われるため、早く覚えても意味がありません。むしろ古い数字を覚えてしまうと有害です。
試験日の一年前から3月まで、基礎をつくる
前年の11月から当年の3月までは、日程上のイベントが何もない期間です。ここに置くべきなのは、時間がかかるが早くやるほど有利なもの、すなわち権利関係の理解です。
民法の全体像を一巡させ、意思表示、代理、物権変動、抵当権、債務不履行、契約不適合責任といった中核論点の考え方を身につけます。この時期に急いで暗記する必要はありません。図を描いて当事者関係を整理する習慣をつけることのほうが重要です。権利関係の構造は権利関係の全体像にまとめています。
必要な学習時間の見積もりについては宅建に必要な勉強時間を参照してください。ここで確認しておきたいのは総量より配置です。5か月あるこの期間は、一年のなかで唯一「理解に時間をかけられる」区間です。
この5か月のちょうど真ん中に年末年始が入ります。締切から最も遠いぶん焦りが働かず、逆に流しやすい連休でもあるので、この期間の使い方だけは宅建の年末年始に分けて扱っています。
4月から6月、宅建業法を一巡させる
春は宅建業法にあてます。配点20問という最大の得点源であり、内容も条文と手続の確認が中心なので、この時期に一巡させておくと後の計画が組みやすくなります。
宅建業法は、免許、取引士、営業保証金と保証協会、業務上の規制、35条書面と37条書面、8種制限、報酬額の制限、監督処分と罰則という順に構造化されています。この骨格を先に押さえてから細部の数字に降りていくと、暗記の負荷が下がります。全体像は宅建業法の全体像にあります。
そして6月上旬には官報公告が出ます。学習の区切りとしても、日程を確定させる区切りとしても、ここが折り返し点になります。
5問免除を使う人は、この期間の前半、つまり春先までに登録講習の申込を済ませておく必要があります。前述のとおり、逆算するといちばん早く動く項目です。
7月、申込を済ませて法令上の制限に入る
7月は申込月です。学習より先に手続きを片づけてください。7月1日の受付開始から数日以内にインターネット申込を完了させ、8,200円を払い込み、写真の受理まで確認する。ここまでを7月上旬に終わらせれば、以降は学習に集中できます。
学習面では、法令上の制限に入ります。都市計画法の区域区分と開発許可、建築基準法の単体規定と集団規定、国土利用計画法、農地法、宅地造成及び特定盛土等規制法、土地区画整理法という構成です。8問という配点に対して覚える数字が多く、学習効率が悪く感じられる分野ですが、出題される数字は限定されています。得点戦略は法令上の制限で得点するで扱っています。
8月から9月、空白の2か月を過去問に使う
申込が終わってから受験票が届くまでの2か月は、外部からの締切が存在しません。ここをどう使うかで結果が変わります。
この期間に置くべきなのは、インプットではなく演習です。4分野を一巡させた状態から、過去問を分野横断で回し、知識の穴を実際に露出させる作業に切り替えます。テキストを読み返しているだけでは、自分が何を覚えていないかは分かりません。過去問の使い方は過去問の活用法にまとめています。
税・その他もこの時期に入れます。不動産取得税、固定資産税、印紙税、登録免許税、所得税の特例、地価公示と不動産鑑定評価という構成です。範囲が狭いので、8月に一巡させて9月に固めれば足ります。組み立て方は税・その他の得点戦略にあります。
9月に入ったら模試を受けてください。本試験と同じ13時から15時という時間帯で2時間を通す経験は、この時期にしかできません。途中退出が禁止されている以上、2時間座り続ける負荷を事前に体験しておく価値があります。模試の使い方は模試の活用法を参照してください。
10月、直前期の3週間
10月2日ごろに受験票が届き、会場が確定します。ここから試験日までの2週間強が直前期です。
この時期に新しい分野に手を出すのは非効率です。やるべきことは三つに絞られます。第一に、宅建業法の数字を締め直すこと。春に一巡させてから半年近く経っているので、細部が確実に緩んでいます。第二に、統計の数字を確定させること。統計は最新の公表値が問われる分野で、直前に覚えるのが正しい順序です。統計問題の対策を参照してください。第三に、間違えた問題の見直しです。
直前期の過ごし方の詳細は宅建試験の直前期対策にまとめています。日々の時間の使い方については学習スケジュールの管理も参考になります。
記憶の減衰を前提に、二巡目の位置を先に決める
逆算で計画を組むときに抜けやすいのが、一度覚えたものが薄れる速度です。春に宅建業法を仕上げても、10月の本番までには半年近い間隔が空きます。数字と手続の細部は、その間に確実に緩みます。
そこで、計画には「一巡目をいつやるか」だけでなく「二巡目をいつ置くか」を最初から書き込んでおきます。宅建業法なら、4月から6月の一巡目に対して、8月から9月の演習期で一度触れ直し、10月の直前期でもう一度締め直す。都合3回、間隔を空けて接触する形になります。
一方、権利関係は性質が違います。理解して身についた考え方は減衰が遅いので、直前期に丸ごと復習する必要はありません。直前に見直すべきは、理解ではなく暗記に依存している部分、たとえば時効の期間、相続分の計算、借地借家法の存続期間といった数字です。同じ「復習」でも、分野によって何を見直すかが変わります。
この区別をしておくと、直前期の3週間に何を入れるかで迷わなくなります。減衰の速い暗記事項を集め、減衰の遅い理解系は触らない。時間が足りない直前期ほど、この選別が効きます。
学習開始が遅れた場合の逆算
7月や8月から始める場合、上記の順序をそのまま圧縮することはできません。権利関係の理解に時間をかける余裕がないからです。
この場合は配点の重い順に割り切るのが現実的です。宅建業法20問を最優先で仕上げ、法令上の制限8問と税・その他3問の数字を詰め、免除科目5問を押さえる。ここまでで36問です。権利関係14問は、頻出かつ理解が浅くても解ける論点に限定して拾いにいきます。目標点の設計は宅建の科目別攻略法を参考にしてください。短期で仕上げる場合の組み立ては3か月で合格を狙うにあります。
いつから始めるべきかという問いそのものについては宅建の勉強はいつから始めるかで扱っています。
試験での出題ポイント|講習制度は本試験で問われる
講習の名前を取り違えさせる問題
試験日そのものが出題されることはありませんが、この記事で扱っている講習制度は宅建業法の出題範囲です。しかも、名前が似た講習が複数あるため、取り違えを誘う出題がしやすい領域になっています。
区別すべきは三つです。登録講習は、宅建業の従事者が受けるもので、効果は試験の一部免除です。登録実務講習は、実務経験が2年に満たない合格者が受けるもので、効果は登録要件としての実務経験に代わる資格付与です。法定講習は、取引士証の交付や更新の際に受けるもので、効果は取引士証の交付を受けられることです。
出題では、この三つの目的と対象者を入れ替えてきます。「宅建試験に合格した者は、登録講習を受講することにより実務経験2年以上とみなされる」といった肢が典型で、正しくは登録実務講習です。登録後の手続の流れは宅建士の登録手続き、実務講習の中身は登録実務講習とはで扱っています。
「3年以内」の起算点を動かす問題
前述のとおり、免除の期間制限は「登録講習修了試験に合格した日から3年以内」です(宅地建物取引業法施行規則10条の14)。出題では、この起算点を「修了証の交付を受けた日」「講習を受講した日」などに置き換えてきます。
また、期間そのものを「5年以内」に変えたり、期間制限がないかのように書いたりする肢もあります。3年という数字と、起算点が修了試験の合格日であることの両方を、セットで覚えてください。
受講資格を広げる問題
登録講習の受講資格が宅地建物取引業の従事者に限られる点も、狙われます。「誰でも登録講習を受講して5問免除を受けることができる」という肢は誤りです。従業者証明書(宅地建物取引業法48条1項)を持っていることが前提になります。
合格の効力に関する問題
宅建試験の合格そのものには有効期限がありません。合格した年に登録しなくても、何年か後に登録することができます。「合格から1年以内に登録しなければ合格は失効する」といった肢は誤りです。
ただし例外があります。宅地建物取引業法17条1項は、都道府県知事が不正の手段によって試験を受け、または受けようとした者について合格の決定を取り消すことができると定めており、同条3項は情状により3年以内の期間を定めて受験を禁止できるとしています(2項は指定試験機関の職権に関する規定です)。「合格に有効期限はない」という理解は、適法に取得した合格についての話です。
覚え方・整理の仕方
日付は「3・7・10・11」で持つ
宅建の年間日程は、月の数字4つで保持できます。3月までが基礎、7月が申込、10月が試験、11月が発表です。この4点を骨格にして、細部を後から掛けていきます。
7月については、郵送15日・ネット31日という二つの締切を分けて覚えます。「郵送は半月、ネットは一か月」と対比で持つと、どちらを選ぶべきかも同時に思い出せます。
10月については、試験日そのものより着席刻限のほうを先に置きます。「12時30分着席、13時開始」という順で覚えると、当日に30分を取り違えません。
講習は「対象者で分ける」
三つの講習を効果で覚えようとすると混乱します。対象者で分けるほうが確実です。
登録講習の対象は、まだ合格していない業界の人です。登録実務講習の対象は、合格したが実務経験が足りない人です。法定講習の対象は、取引士証を交付・更新する人です。時間軸に並べると、登録講習は試験の前、登録実務講習は試験の後で登録の前、法定講習は登録の後、という順序になります。
この時間軸を一本引いてしまえば、目的の入れ替えには引っかかりません。試験の前にある講習が試験を軽くする、試験の後にある講習が登録を可能にする、登録の後にある講習が取引士証を出す、という対応です。
「3年」が出てきたら起算点を確認する
宅建には3年という期間が複数出てきます。5問免除の有効期間、不正受験による受験禁止の上限、相続登記の申請義務の期間などです。
数字が同じぶん、起算点で区別することになります。5問免除なら修了試験の合格日、受験禁止なら知事が定める期間、相続登記なら相続の開始と所有権取得を知った日。「3年」という数字を見たら反射的に起算点を思い出す、という順序で整理しておくと取り違えを防げます。
逆算は「締切から埋める」
学習計画を立てるとき、多くの人は今日から前に向かって埋めます。しかし宅建の計画は、動かない締切のほうから埋めるべきです。
10月18日の試験日を置き、そこから2週間戻して直前期を確保し、さらに1か月戻して模試を置き、7月の申込を固定し、そこから前を学習期間として配分する。この順で埋めると、直前期と模試の時間が最初に確保されます。前から埋めると、遅れがすべて直前期にしわ寄せされて、いちばん重要な2週間が消えます。
試験日のあと|自己採点から登録まで
自己採点は当日中に
問題用紙は持ち帰れます。試験中に自分の解答を問題用紙に記録しておけば、その日のうちに自己採点ができます。機構による正解の公表は合格発表の時点になるため、当日から数日のあいだは各社が公開する解答速報に頼ることになります。
自己採点の意味は、合否の予想そのものよりも、次の行動を決められることにあります。手順は宅建試験の自己採点のやり方にまとめています。
38日間の待機期間
令和8年度でいえば、10月18日の試験日から11月25日の合格発表まで38日間あります。この期間の使い方は、自己採点の結果によって変わります。
明らかに基準点を上回っている場合は、登録の準備に入れます。登録に必要な書類、実務経験の有無、登録実務講習の要否を確認しておくと、発表後の手続きが速くなります。
基準点付近で判断がつかない場合、待つ以外にできることはありません。近年の合格判定基準点の推移は合格率の推移で確認できます。令和7年度は33点でした。
明らかに届いていない場合は、翌年に向けた仕切り直しが早く始められます。試験日から11か月あり、これは初学者が使える期間よりも長い時間です。再受験の組み立て方は再受験の戦略にあります。
合格後は登録が待っている
合格発表は令和8年11月25日(水)9時30分です。合格しても、それだけでは宅地建物取引士にはなりません。都道府県知事の登録を受け、取引士証の交付を受けて初めて名乗れます。
登録には原則として2年以上の実務経験が必要で、これを満たさない場合は登録実務講習を修了することで代替します。合格に有効期限はないので急ぐ必要はありませんが、実務で使う予定があるなら発表直後から動くのが早道です。手順は宅建士の登録手続きを参照してください。
理解度チェッククイズ
Q1. 宅建試験は毎年10月の第3日曜日に実施され、令和8年度は10月18日である。
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○。機構の公表では、宅建試験は毎年1回、10月の第3日曜日に実施されます。令和8年度(2026年度)の試験日は令和8年10月18日(日)、時間は13時00分から15時00分までです。登録講習修了者は13時10分から15時00分までとなります。Q2. 登録講習を修了した者は、修了証の交付を受けた日から3年以内に行われる試験について、5問の免除を受けることができる。
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×。起算点が誤りです。宅地建物取引業法施行規則10条の14は、免除の対象を「登録講習修了試験に合格した日から3年以内に行われる試験」としています。修了証の交付日でも、受講日でもありません。3年という期間だけを覚えていると、この入れ替えに引っかかります。Q3. 宅建試験の申込は、郵送とインターネットで締切日が異なる。
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○。令和8年度は、郵送申込が7月1日から7月15日まで、インターネット申込が7月1日9時30分から7月31日23時59分までで、半月の差がありました。試験案内の配布も7月15日で終了するため、郵送を選ぶ場合は実質的な締切がさらに前倒しになります。Q4. 宅建試験では、解答を終えた受験者は試験時間中に途中退出することができる。
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×。令和8年度の試験案内では、不正受験防止の観点から、説明開始後および試験時間中の途中退出が禁止されています。2時間を席で過ごす前提で時間配分を設計してください。Q5. 宅建試験に合格した者が実務経験2年に満たない場合、登録講習を修了すれば実務経験があるものとみなされる。
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×。講習の名前が入れ替えられています。実務経験の代替となるのは登録実務講習です。登録講習は、宅建業に従事している人が試験前に受けるもので、効果は試験の一部免除です。時間軸で「登録講習は試験の前、登録実務講習は試験の後で登録の前、法定講習は登録の後」と整理してください。よくある質問
Q. 試験日は毎年変わりますか。
10月の第3日曜日という位置は固定されています。日付としては10月15日から10月21日のあいだで動きます。令和8年度は10月18日(日)です。確定日は毎年6月上旬の官報公告で示され、令和8年度は6月5日に公告されました。
Q. 申込を忘れた場合、後から追加で申し込めますか。
できません。令和8年度でいえば、インターネット申込は7月31日23時59分で締め切られています。追加申込や救済措置はなく、次に受験できるのは翌年です。受験するかどうか迷っている段階でも、申し込んでおけば選択肢が残ります。
Q. 受験手数料はいくらですか。
8,200円です。申込フォームの送信だけでは受付は完了せず、手数料の払込まで済ませて成立します。締切間際に手続きを始めると、決済でつまずいたときに間に合いません。
Q. 何時に会場に着けばよいですか。
試験開始の30分前までに着席することが求められています。登録講習修了者は開始が10分遅い代わりに40分前までとされており、実質的にはどちらも12時30分が刻限です。13時を基準に逆算すると30分足りないので注意してください。
Q. 5問免除は誰でも使えますか。
使えません。登録講習を受講できるのは宅地建物取引業に従事している人、具体的には宅地建物取引業法48条1項の従業者証明書を持っている人に限られます。使える立場であれば、7月の申込までに修了しておく必要があるため、春先には講習の申込を済ませておいてください。
Q. 合格発表はいつですか。
令和8年度は令和8年11月25日(水)9時30分です。試験日から38日後にあたります。合格には有効期限がないため、発表後すぐに登録しなければならないわけではありません。
まとめ
宅建の年間計画は、10月第3日曜という動かない一点から逆算して組みます。令和8年度でいえば試験日は10月18日、着席刻限は12時30分、途中退出は不可です。
しかし実際に先に来る関門は7月にあります。郵送は7月15日、インターネットは7月31日で申込が締め切られ、これを落とせばその年は受験できません。さらに5問免除を使うなら、登録講習は7月の申込までに修了している必要があるため、春先から動くことになります。試験日から最も遠くで動き出すべき項目が登録講習です。
学習の配分は、締切のほうから埋めます。直前期の2週間と9月の模試を先に確保し、そこから前を配分する。この順序で組めば、遅れが直前期を潰すという最悪の事態を避けられます。
各分野の演習は、宅建試験AIブートラボの肢別トレーニングと年度別過去問で進められます。
肢別演習と年度別演習で、立てた学習計画をそのまま実行に移せます。間違えた肢だけを繰り返す復習にも対応しています。