宅建試験当日ガイド|持ち物・時間配分・注意事項
宅建試験当日の実施要領を公式案内にもとづいて整理。入室刻限、持ち込める物と禁止される物、時計の条件、50問120分の時間配分、緊張への対処を解説します。
目次
この記事は、宅建試験の当日をどう運ぶかを、公式の試験案内にもとづいて整理するものです。申込みから受験票が届くまでの流れは「申込みから当日までの流れ」、直前期の学習の詰め方は「直前期の勉強法」で扱っています。
以下の実施要領は、一般財団法人不動産適正取引推進機構が公表した令和8年度宅地建物取引士資格試験のインターネット申込試験案内に記載された内容にもとづいています。試験時間、持ち物、禁止物などの取扱いは年度によって変わりうるため、実際の受験にあたっては必ず自分の年度の試験案内と、手元に届いた受験票の記載を確認してください。この記事は、当日に何が起きるかをあらかじめ把握し、判断に迷う場面を減らすための下準備として読んでください。
当日の実施要領
試験日と試験時間
令和8年度の試験日は10月18日の日曜日です。試験時間は一般の申込者が13時から15時までの2時間、登録講習修了者は13時10分から15時までの1時間50分です。試験は例年10月の第3日曜日に行われており、年度ごとの日程は「宅建試験の日程」で確認できます。
登録講習修了者の試験時間が10分短いのは、問46から問50までの5問が免除され、出題数が45問になるためです。この制度は宅地建物取引業に従事している人が対象で、免除科目の扱いは「5問免除の仕組み」で扱っています。
入室刻限と、その後に起きること
試験案内は入室の刻限を定めています。一般の申込者は12時30分まで、登録講習修了者は12時40分までに入室することとされています。そして、刻限を過ぎるとすぐに受験上の注意事項などの説明が始まります。
つまり、試験開始の13時に間に合えばよいのではありません。12時30分が実質的な締切です。会場到着の目標は、この刻限からさらに逆算して決める必要があります。
遅刻の限界時刻
13時30分を過ぎた遅刻者は入室できないと明記されています。開始から30分までは入室の余地がありますが、それは遅刻した場合の限界であって、目指すべき時刻ではありません。入室刻限に遅れれば注意事項の説明を聞けず、開始後の入室は解答時間の減少に直結します。
途中退出は禁止されている
ここは特に注意が必要な点です。令和8年度の試験案内には、不正受験防止の観点から、説明開始後および試験時間中の途中退出を禁止すると記載されています。
さらに、試験時間中に救急車以外で試験会場を退出した場合は棄権者として扱い、採点しないとされています。早く解き終わったから先に帰る、という選択肢は制度上ありません。試験時間の2時間は、最後まで席にいる前提で組み立ててください。
これに関連して、トイレは受験者入室刻限までに済ませて入室するよう求められています。当日の水分の取り方は、この前提で考える必要があります。
出題の形式と根拠となる法令
試験は50問の四肢択一式で、解答用紙はマークシート方式です。全都道府県で同一の問題により同時に行われます。
出題の根拠となる法令は、令和8年度試験では令和8年4月1日現在施行されているものとされています。法改正が施行済みかどうかで扱いが変わるため、直前期に確認する法改正情報は、この基準日を意識して見てください。配点と科目ごとの出題数は「宅建の科目別攻略法」で整理しています。
持ち物
必ず持っていくもの
試験案内は、当日に持参するものとして四つを挙げています。受験票、BかHBの鉛筆またはシャープペンシル、プラスチック製消しゴム、そして腕時計です。
鉛筆の濃さについては、これ以外の筆記具で解答すると無効になると明記されています。ボールペンやシャープペンシルの薄い芯でマークして無効になれば、取り返しがつきません。持っていく筆記具の濃さは前日に確認してください。
消しゴムについても指定があります。プラスチック製と明記されており、さらに、鉛筆やシャープペンシルに付属している消しゴムは適さないとされています。予備を含めて用意しておくと安心です。
受験票は机上に置かなければならない物とされ、書込みは不可とされています。受験票をメモ代わりに使うことはできません。なお受験票は、合格発表後も保管が必要とされています。
机上やひざの上に置けるもの
試験案内は、置いてよい物を具体的に列挙しています。解答につながる文字などが書かれている物は当然に持ち込めませんが、それを除けば次のものが認められています。
筆記具については、BかHBの鉛筆またはシャープペンシルとプラスチック製消しゴムのほか、蛍光ペン、色鉛筆、ボールペンを持つことができます。ただしこれらを解答用紙のマークに使うと無効になります。問題用紙に印をつける用途と、マークする用途を混同しないでください。音の小さい鉛筆削りと定規も認められています。
そのほか、条件を満たす時計、包装から出した中身のみのティッシュペーパーと携帯用ウェットティッシュ、ハンカチ、タオル、目薬、携帯用手指消毒アルコール、メガネ、サングラス、拡大鏡、身体障害等の補装具が挙げられています。ヘアバンドやスカーフ、ツバが全くない帽子、指サック、マスク、襟巻き、ひざ掛け、座布団も認められています。電子製品でない耳栓も持ち込めますが、着用については試験監督員の指示に従うこととされています。
持ち込めないもの
見落としやすいのは、禁止物の例として挙げられているものです。筆箱、鉛筆キャップ、シャープペンシルの芯ケース、ツバのある帽子。いずれも普段の学習では当たり前に使っているものです。筆箱ごと机上に出せない以上、筆記具は必要な本数だけ取り出して持っていく形になります。
より重い扱いを受けるのが、使用厳禁とされる物です。無線通信機器類、法令集や問題集や参考書などの書籍、電卓などの計算機類、そしてノートやメモ類の紙類。これらは使用すると不正行為とみなされ、受験禁止処分の対象になるとされています。紙類については、受験番号を自分で印刷した物も含むと明記されています。
電卓が使えないことは、税や報酬計算の問題を手計算で処理する前提を意味します。計算の手順を紙の上で速く回せるかどうかは、直前期に練習しておく部分です。報酬計算の型は「報酬額の制限」で扱っています。
事前の許可が必要なもの
薬の摂取や机上に置くこと、無線通信機能のない補聴器の着用は、受験申込み時に協力機関に相談して許可を受けた場合に認められるとされています。糖尿病や低血糖症などの疾患、あるいは妊娠の証明がある人に限り、食品や菓子類、水分の摂取と、許可を受けた物品を机上に置くことが認められます。
逆にいえば、一般の受験者は試験時間中に飲食できません。水分補給を試験中に行う前提で計画を立てないでください。障害などがあり配慮を希望する場合の相談も、申込みの段階で行うこととされています。当日になってからでは対応できないため、該当する人は申込み時に手続きを済ませておく必要があります。
時計の条件
時計については、試験案内が三つの区分で細かく定めています。ここは誤解が多い部分なので、区分ごとに確認します。
使用が厳禁される物
スマートフォン、携帯電話、スマートウォッチ、タブレット端末、イヤホン、スマートグラス、ヘルスウォッチ、活動量計といった無線通信機器類は使用厳禁です。無線通信機能を無効モードに切り替えた状態であっても厳禁とされています。画面の時計表示が消える物も、この区分に入ります。
これらは後述する処置をしないと不正行為とみなされます。機内モードにしたから大丈夫、という判断は通りません。
不可とされる物
置時計、タイマー、ストップウォッチは、動作音がする物があるという理由で一律に不可とされています。学習で使っている勉強用タイマーを持っていくことはできません。
使える時計
使えるのは、上記のいずれにも当たらない時計で、動作音のないものに限られます。アラームは解除しておく必要があり、電波時計は使えるとされています。
さらに、不正行為防止のため、試験監督員が腕時計を机の上に置いて使用するよう指示する場合があるとされています。腕に着けたまま使えない可能性がある点も想定しておいてください。
会場に壁時計があるとは限りません。時計を持たずに行くと、残り時間が分からないまま2時間を過ごすことになります。時間配分の設計が成立しなくなるので、条件を満たす時計は必ず持参してください。
無線通信機器の処置
無線通信機器類については、設定したアラーム機能を解除し、必ず電源を切り、配付された封筒に入れ、のり付けして、所定の場所に収納することとされています。のり付けした封筒に入れずに所持していることが判明した場合は不正行為とみなされます。
電源の切り方が分からない物や電源を切れない物は、試験会場へ持ってこないよう求められています。当日に操作を調べることになると入室後に慌てるので、電源の切り方は前日に確認しておいてください。
なお、不正行為を行った場合や不正の手段によって受験しようとした場合は、受験を禁止され、または合格の決定を取り消される行政処分を受けることになり、都道府県知事から最長3年間の受験禁止が科されることがあるとされています(宅地建物取引業法17条)。うっかりでは済まない扱いになるため、機器の処置は指示のとおりに行ってください。
当日のタイムラインを逆算する
起点は入室刻限
タイムラインは13時からではなく、入室刻限の12時30分から逆算します。一般の申込者であれば、12時30分に着席している状態を作らなければなりません。
会場への到着はその前です。座席を探し、トイレを済ませ、荷物を整える時間が要ります。到着から着席までに20分から30分は見ておくと、動きに余裕が出ます。
移動については、当日の交通機関の遅れを見込んでください。会場への問合せや下見は固くお断りするとされているため、事前に会場の中を確認することはできません。最寄り駅から会場までの経路と所要時間は、地図で確認しておくにとどまります。
到着してから入室するまで
到着後にまずやるのは、トイレの場所の確認と、自分の座席の確認です。トイレは入室刻限までに済ませるよう求められているため、この時間帯で終わらせておく必要があります。
受験票が届いていない場合は、試験当日に会場の相談係に立ち寄ることとされています。本人確認のうえで受験票を再発行して直接手渡すとされているため、顔写真付きの身分証明書を念のため持参してください。この手続きには時間がかかるので、該当する人は早めに到着する必要があります。
昼食と水分
試験時間中の飲食は、前述のとおり原則として認められていません。昼食は入室前に済ませることになります。
量については、食べ慣れたものを普段どおりに、という以上のことは一般化できません。ただし、試験中に水分を取れないこと、トイレに立てないことは制度上の事実なので、水分の量はその前提で調整してください。
服装
試験案内には、換気のために窓やドアを開けることがあり、室温の高低に対応して容易に着衣・脱衣できるよう服装に十分注意すること、座席の変更はできないことが記載されています。会場によっては屋外からの騒音が入ることがあるとも書かれています。
したがって、脱ぎ着できる上着を持っていくことには根拠があります。ツバのある帽子は持ち込めない一方、ツバが全くない帽子、襟巻き、ひざ掛け、座布団は認められているので、寒さが心配な場合はこの範囲で備えられます。
時間配分を設計する
50問を120分で解くという条件
一般の申込者は50問を120分で解きます。単純に割れば1問あたり2分24秒です。ただし、この数字をそのまま各問に当てはめる配分は現実的ではありません。マークする時間、問題番号を確認する時間、見直しの時間が別に必要だからです。
実際には、解答そのものに使えるのは全体の8割程度と考えて設計します。残りをマークの確認と見直しに充てる形です。1問2分を基準にして、簡単な問題で時間を貯め、複雑な問題に回すという運び方が現実的です。
均等に配分しない
科目によって、1問にかかる時間は大きく違います。宅建業法は条文の知識で判定できる問題が多く、短時間で処理できます。権利関係は当事者関係を整理する必要があり、1問あたりの時間が伸びます。個数問題は四つの肢すべてを判定しなければならないため、通常の問題より時間がかかります。
したがって、全問に同じ時間を割り当てる配分は、初めから破綻しています。速く解ける科目で時間を作り、時間のかかる科目に回すという設計にしてください。
解く順序を決めておく
問1から順に解くと、権利関係から始めることになります。権利関係は難易度の幅が大きく、最初に難しい問題に当たると、そこで時間と気持ちの両方を消耗します。しかも配点は1問1点で、どの問題も同じ価値です。難しい問題に先に時間を使う理由はありません。
そこで、宅建業法から始める順序が広く採られています。問26から問45が宅建業法で、ここは学習量がそのまま得点になる範囲です。確実に取れる問題を先に処理して得点を確保し、そのあとで法令上の制限、税その他、免除科目、最後に権利関係という順に回す形が一つの型です。
どの順序を採るにせよ、当日に決めるのではなく、事前に決めて模試で試しておいてください。順序を変えると問題番号とマーク位置の対応が飛ぶため、後述するずれの危険が増します。試して慣れていない順序を本番で初めて使うのは避けてください。模試の使い方は「模試の活用法」で扱っています。
科目ごとに目標時間を置く
配分は、問ごとではなく科目ごとの持ち時間として決めるほうが管理しやすくなります。試験中に確認するのは、その科目を終えた時点で時計が何時を指しているか、という一点だけになるからです。
たとえば、宅建業法20問に40分前後、法令上の制限8問に20分前後、税その他3問と免除科目5問で20分前後、権利関係14問に30分前後を置き、残りをマークの照合と見直しに充てるという組み方があります。これは配分の一例であって、正解の配分ではありません。自分がどの科目に何分かかるかは、時間を計った演習をすれば分かります。実測した数字で組み直してください。
重要なのは、科目の切れ目で時計を見る運用にしておくことです。問ごとに時計を見ると、それ自体が時間を食い、遅れているという感覚が判断を乱します。区切りでだけ確認し、遅れていれば次の科目で調整するという形にしてください。科目ごとの得点設計は「宅建の合格戦略」でも扱っています。
マークと見直しの時間を確保する
マークを最後にまとめて行う方法は、時間切れのときに致命傷になります。残り5分でマークを始めて間に合わなければ、解けていた問題まで失点します。科目や10問といった区切りごとにマークを進める形が安全です。
見直しには最低でも10分を残す設計にしてください。見直しの中身は、次に述べるマークのずれの点検が最優先です。
マークのずれを防ぐ
マークシートのずれは、一度起きると連鎖して大量失点につながる、最も避けたい失敗です。しかも、解いている最中は気づきません。
区切りごとに照合する
防ぎ方は単純で、一定の問数ごとに問題番号と解答欄の番号が一致しているかを確認することです。10問ごと、あるいは科目の切れ目ごとと決めておきます。
確認のときに見るのは、直前にマークした問題の番号と解答欄の番号が同じかどうかだけです。ここで一致していれば、その区間にずれはありません。ずれていた場合も、区間が短いほど修正が容易です。
飛ばした問題の扱いを決めておく
ずれが起きる典型的な場面は、分からない問題を飛ばしたときです。解答欄を一つ空けたつもりが空いていない、あるいは空けたことを忘れて次の問題を前の欄に塗る。この形で連鎖が始まります。
対策は、飛ばすときにマーク欄を空けないことです。二択まで絞れているなら、その時点でどちらかを塗ってから印をつけて進みます。まったく見当がつかない場合も、仮の番号を塗っておきます。空欄を作らなければ、ずれは構造的に起きません。塗った答えを後で変えるほうが、空欄を管理するよりはるかに安全です。
順序を変えて解く場合の注意
科目ごとに順序を入れ替えて解く場合、解答欄も飛びます。宅建業法から始めれば、最初に塗るのは26番の欄です。ここで最上段から塗り始めてしまう事故が起きます。
科目に入るたびに、最初の1問だけは番号を声に出さずに二度確認する、という手順を決めておいてください。区間の始まりさえ合っていれば、その中でずれる可能性は小さくなります。
見切りの基準を決めておく
時間で切る
解けない問題に粘るかどうかを、その場の感覚で判断すると、必ず粘りすぎます。判断は事前に基準として決めておきます。
基準は時間で置くのが確実です。2分考えて解答の方向が見えない問題は、その場で切る。二択まで絞れているならどちらかを選んで印をつけ、まったく見えないなら仮の番号を塗って印をつける。この基準を決めておけば、迷う時間そのものがなくなります。
何を捨ててよいか
宅建は50問すべてを正解する必要のない試験です。合格に必要な得点は年度によって動きますが、満点が要求されることはありません。合格ラインの考え方は「宅建の合格ライン」で扱っています。
したがって、極端に難しい問題は捨ててよいという判断が成立します。判断の目安は、読んでも設問が何を問うているのか掴めない問題、条文の知識ではなく細かい判例の射程を問う問題、そして選択肢が長大で四つとも精査が必要な問題です。これらは時間対効果が低くなります。
一方、捨ててはいけないのは、宅建業法の標準的な問題です。ここは学習量が反映される範囲なので、時間が足りずに手をつけられなかった、という事態を避ける設計にしてください。
戻る時間を確保する
印をつけた問題に戻る時間を、あらかじめ配分に組み込んでおきます。一周してから戻ると、頭が温まった状態で読めるため、最初に見えなかった引っかけに気づくことがあります。
ただし、戻ったときに根拠なく答えを変えることは勧めません。変えるのは、明確な誤りに気づいた場合に限ります。迷いだけを理由にした書き換えは、判断材料が増えていない以上、結果を良くする根拠がありません。
緊張とどう付き合うか
緊張は起きる前提で考える
本番で緊張しない方法はありません。深呼吸をすれば落ち着く、といった話も、そうなる人とならない人がいて、一般化できません。したがって、緊張を消すことを目標にしないでください。
現実的なのは、緊張したときに何が起きるかを知っておき、それぞれに対処を用意することです。緊張が得点を下げるのは、気持ちの問題としてではなく、具体的な操作のミスとして現れるからです。
読み飛ばしが起きる
緊張状態でまず起きるのが、問題文の読み飛ばしです。「誤っているものはどれか」を「正しいものはどれか」と読む、主語を飛ばす、「〜を除く」といった限定を見落とす。いずれも、普段なら間違えない読み方です。
対処は、読む手順を機械的に固定することです。設問の末尾に印をつける、主語に線を引く。この二つを毎問行うと決めておけば、緊張していても手が動きます。判断力に頼らない対処を用意しておくことが要点です。
マークのずれが起きる
二つ目が、前節で扱ったマークのずれです。緊張しているときほど、飛ばした問題の管理が雑になります。
対処も前節のとおりで、空欄を作らないことと、区切りごとに照合することです。これも判断ではなく手順なので、緊張の影響を受けにくくなります。
時間管理が崩れる
三つ目が、時間配分の崩壊です。難しい問題に当たったときに、切るという判断ができなくなり、気づけば10分が経っている。この形で後半が足りなくなります。
対処は、見切りの基準を時間で置いておくことです。感覚で判断しようとすると、緊張しているときには判断できません。時計を見て2分経っていたら切る、という機械的な基準にしておけば実行できます。
周囲を情報として扱わない
途中退出が禁止されているため、先に帰る人はいません。ただし、ページをめくる音や書く音は聞こえます。これらは自分の出来と無関係です。他人の進み具合が分かったとしても、正答率は分かりません。
自分の進度は、自分が決めた配分と時計だけで判断してください。学習期間を通じたモチベーションの保ち方は「モチベーションの維持」で扱っています。
前日と当日朝の過ごし方
新しいことをやらない
前日に新しい教材を開かない理由は、精神論ではありません。前日に初めて見た論点が本番で出る確率は低く、その一方で、知らないことが多いと気づくことで直前の判断が鈍るからです。
前日にやる価値があるのは、これまでに間違えた箇所の確認です。何度も外した論点を絞って見直すほうが、当日に効く可能性が高くなります。要点をどう絞るかは「宅建でノートは必要か」で扱った、1枚に圧縮する考え方が使えます。
統計と数字は直前に効く
例外的に、直前の確認が得点に直結する範囲があります。統計問題です。統計は最新の公表値がそのまま問われるため、前日や当日朝に数字を確認する意味があります。免除科目の対策は「統計問題の対策」で扱っています。
同じく、期間や数字の暗記事項も直前確認が効きます。理解を要する分野を前日に詰めても定着しませんが、数字の確認は短時間で済み、忘れていれば思い出せます。
睡眠と食事について言えること
睡眠時間をどれだけ取れば当日の成績が上がるか、という点について、確かなことは言えません。ただ、当日のスケジュールが13時開始である以上、朝に極端な早起きをする必要はありません。普段の起床時刻に近い形にしておくほうが、体調の予測がつきます。
食事についても同じで、食べ慣れないものを当日に試す理由はない、という以上のことは言えません。試験中に飲食できないという制度上の条件だけを踏まえて、量を決めてください。
試験終了後
解答の控えと自己採点
自己採点をするには、自分がどの番号を選んだかの記録が必要です。試験案内では、受験票への書込みは不可とされている一方、問題用紙への記入を禁じる記載はありません。自分の解答を問題用紙に控えておくことが、終了後の自己採点の前提になります。
正解番号は、合格発表日に機構のホームページに掲載されます。令和8年度の場合、11月25日の9時30分から、合格者受験番号、合否判定基準、試験問題の正解番号が掲載されるとされています。
なお、令和8年度からは、インターネット申込者を対象に、マイページで本人の得点と解答内容を閲覧できるサービスが始まる予定とされています。期間は11月26日から翌年3月31日までの予定で、郵送申込みの人や令和7年度以前の受験者は対象外とされています。自己採点の進め方は「自己採点と復習」で扱っています。
合格発表とその後
令和8年度の合格発表日は11月25日の水曜日です。合格者には合格証書等が簡易書留郵便で発表日に発送されるとされていますが、当日必着ではないとされています。不合格者への結果通知は行われません。
合格した場合、次に進むのは資格登録と宅地建物取引士証の交付です。合格した日から1年以内に交付を受ける場合は法定講習が免除されるという期間の定めがあるため、発表後に確認しておく価値があります。発表後の動き方は「宅建合格後にやること」と「宅建合格後にやること」で扱っています。
結果を待つ間の扱い方
合格基準点は年度によって動くため、自己採点がボーダー付近だった場合、発表まで結論は出ません。この期間に何を考えても点数は変わらないので、次の行動を先に決めておくほうが実際的です。合格していた場合の手続き、不合格だった場合に何を変えるか。どちらも発表前に調べられます。
試験での出題ポイント
当日の運用が得点に直接効くのは、次のような問われ方をされたときです。
設問の指示を取り違えさせる出題
宅建では、正しいものを選ばせる問題と誤っているものを選ばせる問題が混在します。知識が正確でも、指示を読み違えれば失点します。これは知識の問題ではなく、当日の読み方の問題です。
対処は前述のとおり、設問の末尾に印をつける手順を固定することです。緊張していても手順は実行できます。
個数問題
「正しいものはいくつあるか」という形式では、四つの肢すべてを正確に判定しなければ正解できません。三つまで分かっていても得点になりません。そのため、1問あたりの時間が伸び、正答率も下がりやすい形式です。
当日の運用としては、個数問題に当たったら時間がかかることを前提に判断してください。他の問題が残っている段階で個数問題に長く留まるのは、配分として不利です。
組合せ問題
肢の組合せを選ばせる形式では、確実に判定できる肢が一つあれば選択肢を絞れることがあります。すべての肢を判定しようとせず、確実な肢から選択肢を消す解き方が有効です。この処理は落ち着いていればできますが、焦ると全肢を順に読んでしまいます。
計算を要する出題
電卓が使えないため、報酬額や税額の計算は手で行います。計算そのものは複雑ではありませんが、手順を覚えていないと時間を食います。計算の型を事前に固めておくかどうかで、当日の所要時間が変わります。過去問での練習の仕方は「過去問の活用法」で扱っています。
覚え方・整理の仕方
当日の動きを手順として書き出す
当日の運用は、覚えるものではなく手順として書き出しておくものです。何時に家を出るか、会場で最初に何をするか、どの科目から解くか、何問ごとにマークを照合するか、何分で見切るか。これらを箇条書きで一枚にまとめ、前日に読み返してください。
手順が決まっていれば、当日に判断する回数が減ります。判断の回数が減ると、その分を問題そのものに使えます。
前日の点検は一枚の紙で行う
前日にやるべき確認は、学習の内容よりも運用の側にあります。受験票の記載事項、会場までの経路と出発時刻、持ち物、スマートフォンの電源の切り方、解く順序、見切りの基準。これらを一枚に書き出して順に潰していくと、抜けが出ません。
受験票は当日に机上へ置くことが求められ、書込みは不可とされているので、記載内容の確認は前日のうちに済ませます。会場の場所、集合に関する記載、注意事項の欄は、公式の案内と重ねて読んでおいてください。持ち物や当日の細かな運用については「試験当日の完全ガイド」も合わせて確認できます。
持ち物は前日に机の上に並べる
受験票、条件を満たす時計、BかHBの鉛筆またはシャープペンシル、プラスチック製消しゴム。筆箱に入れて持っていけないため、当日の朝に用意しようとすると抜けが出ます。前日のうちに、持っていくものを実際に並べて確認してください。
禁止物は「持たない」で覚える
持ち込める物のリストは長く、覚えるのが難しいものです。一方、持ち込めない物は数が限られています。無線通信機器、書籍、計算機、紙類、筆箱、鉛筆キャップ、ツバのある帽子。この七つを覚えて、それ以外は必要なら試験案内で確認する、という形にすると管理しやすくなります。
数字は入室刻限から並べる
12時30分に入室、13時に開始、13時30分で入室不可、15時に終了。この四つを時系列で並べて覚えます。個別に覚えるより、一本の流れとして持つほうが当日に迷いません。
理解度チェッククイズ
Q1. 宅建試験では、解き終われば試験時間の途中で退出できる(○か×か)
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×:令和8年度の試験案内では、不正受験防止の観点から、説明開始後および試験時間中の途中退出を禁止すると明記されています。さらに、試験時間中に救急車以外で試験会場を退出した場合は棄権者として扱い、採点しないとされています。最後まで席にいる前提で時間配分を設計してください。
Q2. 試験時間中は、スマートフォンを機内モードにしておけば時計代わりに使ってよい(○か×か)
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×:スマートフォンやスマートウォッチなどの無線通信機器類は、無線通信機能を無効モードに切り替えた状態であっても使用厳禁とされています。アラームを解除して電源を切り、配付された封筒に入れてのり付けし、所定の場所に収納する必要があります。時計代わりの使用もできないと明記されているため、条件を満たす腕時計を別に持参してください。
Q3. 試験時間中に机上に置ける物として、筆箱と電卓が認められている(○か×か)
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×:筆箱と鉛筆キャップ、シャープペンシルの芯ケース、ツバのある帽子は禁止物の例として挙げられています。電卓等の計算機類は使用厳禁とされ、使用すれば不正行為とみなされます。書籍やノート・メモ類の紙類も同様です。
Q4. 一般の申込者の入室刻限は12時30分で、13時30分を過ぎると入室できない(○か×か)
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○:令和8年度の試験案内では、一般申込者は12時30分まで、登録講習修了者は12時40分までに入室することとされ、刻限後すぐに受験上の注意事項等の説明が行われます。また、13時30分を過ぎた遅刻者は入室できないと明記されています。到着時刻は13時ではなく12時30分から逆算してください。
Q5. 分からない問題は、マーク欄を空けたまま後回しにするのが安全である(○か×か)
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×:空欄を作ると、後続の問題でマークがずれる原因になります。二択まで絞れていればどちらかを、見当がつかなければ仮の番号を塗り、問題用紙に印をつけて先に進むほうが安全です。塗った答えを後で変えるほうが、空欄を管理し続けるより危険が小さくなります。
よくある質問
Q. 会場の下見はしておいたほうがよいですか。
A. 試験案内では、試験会場への問合せおよび下見は固くお断りするとされています。事前にできるのは、最寄り駅から会場までの経路と所要時間を地図で確認しておくことまでです。
Q. 試験中にトイレに行けますか。
A. 試験案内には、トイレは受験者入室刻限までに済ませて入室するよう記載されています。加えて、試験時間中に救急車以外で試験会場を退出した場合は棄権者として扱われるとされています。試験中に離席できる前提で計画を立てないでください。水分の量も、この条件を踏まえて調整することになります。
Q. 体調が悪くなったらどうすればよいですか。
A. 試験案内は、試験時間中に体調が悪くなった場合は試験監督員に申し出ることとしています。また、体調が著しく悪い場合や外出自粛を要請されている場合は受験を自粛するよう求めており、その場合でも受験手数料は返還しないとされています。
Q. 受験票が届かない場合はどうなりますか。
A. 令和8年度の案内では、受験票は10月2日に発送予定で、10月9日になっても届かない場合は申込み先の協力機関か機構に問い合わせることとされています。当日は会場の相談係で本人確認のうえ再発行して手渡すとされているため、顔写真付きの身分証明書を持参してください。手続きに時間がかかるので、早めの到着が必要です。
Q. 天災で試験が実施できない場合はどうなりますか。
A. 令和8年度の案内では、指定の会場が使用できない場合は会場を変更するか、試験を中止して12月20日か令和9年1月24日のいずれかで再試験を実施するとされています。この場合は機構のホームページで発表されるため、試験日前に確認するよう求められています。
Q. 解く順序は本番で変えてもよいですか。
A. 勧められません。順序を変えると解答欄の対応が飛び、マークのずれが起きやすくなります。順序は事前に決め、模試で試して慣れたものを本番でもそのまま使ってください。
まとめ
当日の運用について、押さえるべき点を三つに整理します。
第一に、時刻の基準は13時ではなく入室刻限です。令和8年度は一般申込者が12時30分、登録講習修了者が12時40分で、刻限後すぐに注意事項の説明が始まります。13時30分を過ぎると入室できません。到着時刻はここから逆算してください。
第二に、途中退出は禁止されています。救急車以外で会場を退出すれば棄権扱いで採点されません。トイレは入室刻限までに済ませ、試験中の飲食も原則としてできないという前提で、水分と食事を調整してください。
第三に、緊張への対処は手順に落とします。緊張は読み飛ばし、マークのずれ、時間管理の崩れという形で現れるので、設問末尾に印をつける、空欄を作らず区切りごとに照合する、2分で見切る、という三つを手順として決めておいてください。判断ではなく手順にしておけば、緊張していても実行できます。
宅建試験AIブートラボでは肢別トレーニングと年度別過去問演習を用意しています。解く順序や見切りの基準は本番前に試しておく必要があるので、時間を計った演習の場として使ってください。
肢別演習と年度別演習で、立てた学習計画をそのまま実行に移せます。間違えた肢だけを繰り返す復習にも対応しています。