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宅建の模試活用法|TAC全答練・LEC模試の使い方

宅建試験の模試活用法を解説。TAC全答練、LEC模試、日建学院の特徴比較、受験時期、復習方法、目標得点の設定方法を紹介。

模試は「実力測定」ではなく「弱点発見ツール」

宅建試験の学習において、模試(模擬試験)は合否を左右する重要な学習ツールです。しかし、模試の目的を「実力測定」だけだと思っている受験生は少なくありません。

模試の最大の価値は、「自分がどこで点を落としているか」を発見することです。得点そのものに一喜一憂するのではなく、「なぜその問題を間違えたのか」「どの分野に穴があるのか」を分析し、残りの学習期間で何を優先すべきかを判断するための材料として活用しましょう。

模試で得られる5つの情報

情報 内容 活用法
科目別の得点 各科目の正答率がわかる 弱点科目の特定と学習配分の見直し
テーマ別の正答率 細かい論点ごとの実力がわかる 弱点テーマの集中対策
全体での順位・偏差値 他の受験生との相対的な位置 合格圏内かどうかの客観的な判断
時間配分の課題 2時間で50問を解き切れたか 本番の時間戦略の修正
本番の緊張感の練習 制限時間内に初見の問題を解く経験 メンタル面の準備

ポイント: 模試で30点を取った受験生と40点を取った受験生が同じ時期に模試を受けた場合、最終的に合格するのは必ずしも40点の受験生ではありません。大切なのは模試の結果をどう活用するかです。30点でも弱点を正確に把握し、残りの期間で集中的に対策すれば、本番で逆転合格は十分に可能です。

主要な模試の種類と特徴

宅建試験の模試は、大手予備校が実施する「会場模試」と、書店で購入できる「市販模試」、そして「Web模試」の3種類に大別されます。

予備校の会場模試

会場模試は、本番と同じ環境で受験できることが最大のメリットです。他の受験生と同じ教室で、2時間の制限時間内に50問を解くという経験は、本番の緊張感に慣れるためにきわめて有効です。

TAC 全国公開模試(全答練)

項目 内容
正式名称 全国公開模試(全答練)
実施時期 例年9月上旬〜中旬
受験形式 会場受験/自宅受験
受験者数 毎年数千名規模
費用 TAC受講生は無料、外部生は3,000〜5,000円程度
特徴 本試験の出題傾向を精緻に分析した問題。科目別の成績表が返却される

TACの全答練は、宅建試験の予備校模試の中で最も受験者数が多い模試の一つです。受験者数が多いほど順位や偏差値の精度が高くなるため、自分の相対的な位置を正確に把握できます。

LEC 全日本宅建公開模試

項目 内容
正式名称 全日本宅建公開模試
実施時期 例年8月〜9月に複数回実施
受験形式 会場受験/自宅受験
受験者数 毎年数千名規模
費用 LEC受講生は無料、外部生は3,000〜5,000円程度
特徴 的中率の高さに定評がある。基礎レベルから本試験レベルまで複数回の模試がある

LECの模試は、複数回にわたって段階的に難易度が上がるのが特徴です。最初の模試で基礎力を確認し、後半の模試で本番レベルの実力を測るという使い方ができます。

日建学院 全国統一公開模試

項目 内容
正式名称 全国統一公開模擬試験
実施時期 例年9月中旬
受験形式 会場受験(全国の校舎)
受験者数 毎年数千名規模
費用 無料(事前申込制)
特徴 無料で会場受験ができる。全国に校舎があるためアクセスしやすい

日建学院の模試は、無料で受けられるのが最大のメリットです。とりあえず模試を1回は受けてみたいという方には、費用面のハードルが低いためおすすめです。

予備校模試の比較表

項目 TAC LEC 日建学院
費用 3,000〜5,000円 3,000〜5,000円 無料
実施回数 1〜2回 2〜4回 1回
自宅受験 可能 可能 基本は会場のみ
成績データ 科目別の詳細な成績表 科目別の詳細な成績表 科目別得点
難易度 本試験よりやや難しめ 本試験と同程度〜やや難 本試験と同程度
問題の質 高い 高い 高い
おすすめ度 全受験生におすすめ 複数回受けたい方に コストを抑えたい方に

市販模試

書店で購入できる模試で、自宅で好きなタイミングに受験できるのがメリットです。

項目 内容
価格 1,500〜2,500円(2〜3回分収録)
メリット 自分のスケジュールに合わせて受験可能、復習に何度も使える
デメリット 他の受験生との比較ができない、本番の緊張感を体験できない
おすすめの使い方 予備校模試の前に練習として使う、直前期の最終確認として使う

主な市販模試:

  • TAC出版「本試験をあてる TAC直前予想模試 宅建士」(3回分収録)
  • LEC「出る順宅建士 当たる!直前予想模試」(3回分収録)
  • 住宅新報出版「ズバ予想宅建塾 直前模試編」(3回分収録)

Web模試・アプリ模試

スマホやPCで受けられる模試で、手軽さが最大のメリットです。ただし、本番と同じ条件で解く練習にはなりにくいため、あくまで補助的に活用しましょう。

模試を受けるベストなタイミング

模試は「いつ受けるか」も重要です。早すぎても遅すぎても効果が薄れます。

推奨スケジュール

時期 受験する模試 目的
7月下旬〜8月上旬 市販模試(1回目) 中間チェック。現時点の弱点を把握する
8月中旬〜下旬 予備校模試(LEC1回目など) 他の受験生との比較。学習方針の見直し
9月上旬〜中旬 予備校模試(TAC全答練、日建学院など) 本番直前の実力チェック。最終的な弱点の確認
9月下旬〜10月初旬 市販模試(2〜3回目) 最終シミュレーション。時間配分の最終確認

ポイント: 模試は合計で3〜5回受けるのが理想です。少なすぎると弱点の特定が不十分になり、多すぎると模試の復習に追われて学習時間が圧迫されます。

時期別の模試活用目的

時期 主な目的 結果の受け止め方
8月 弱点の発見と学習方針の修正 得点は気にしない。弱点がわかればOK
9月上旬 合格圏内かどうかの判断 目標点との差を確認し、残り1ヶ月の計画を立てる
9月下旬〜10月 最終確認と本番シミュレーション 本番のつもりで解く。時間配分を最終調整

模試の目標点数の設定

時期別の目標得点

模試の目標点数は、受験時期によって異なります。以下は一般的な目安です。

受験時期 目標得点 補足
8月(3ヶ月前) 25〜30点 この時期は30点取れれば十分。弱点発見が目的
9月上旬(1.5ヶ月前) 30〜35点 合格圏が見えてくるライン。ここから本格的な追い込み
9月中旬〜下旬(1ヶ月前) 33〜38点 35点以上なら合格圏内。弱点の最終チェックを
10月(直前) 36〜40点 安心して本番に臨めるライン

科目別の目標正答率

科目 出題数 8月の目標 9月の目標 本番の目標
宅建業法 20問 14点(70%) 17点(85%) 18〜20点(90〜100%)
権利関係 14問 6点(43%) 8点(57%) 9〜10点(64〜71%)
法令上の制限 8問 4点(50%) 6点(75%) 6〜7点(75〜88%)
税・その他 8問 3点(38%) 4点(50%) 5〜6点(63〜75%)
合計 50問 27点 35点 38〜43点

ポイント: 模試で目標に届かなくても焦る必要はありません。模試の難易度は本試験よりもやや高めに設定されていることが多く、模試の得点に2〜5点を加えたものが本番の想定得点と考えてよいでしょう。

科目別の詳しい得点戦略は合格戦略を参照してください。

模試の「正しい」受け方

模試から最大限の効果を得るためには、受け方にもコツがあります。

受験時の5つのルール

ルール1:必ず本番と同じ条件で解く

  • 2時間の制限時間を厳守する
  • テキストや参考資料は一切見ない
  • 途中で中断しない
  • 可能であれば午後1時〜3時(本番と同じ時間帯)に解く
  • 静かな環境で、マークシート方式で解答する

ルール2:解答順序を試す

模試は解答順序を実験する絶好の機会です。以下のパターンを実際に試して、自分に合った順序を見つけましょう。

パターン 順序 メリット
A 宅建業法→法令上の制限→税その他→権利関係 得点源を先に確保し、精神的に安定する
B 問1から順番に シンプルで迷わない。飛ばし忘れがない
C 得意科目→苦手科目 自信をつけてから難しい問題に臨める

ルール3:わからない問題は印をつけて飛ばす

1問に3分以上かけないことを意識してください。わからない問題に時間をかけすぎると、解ける問題を解く時間がなくなります。

ルール4:マークシートの練習をする

市販模試を使う場合でも、マークシートを使って解答する練習を必ず行いましょう。マークミスは本番でも起こり得る致命的なミスです。

ルール5:体調管理も本番のつもりで

模試当日の食事や睡眠にも気を配りましょう。体調が万全な状態で受験することで、本番を想定した練習になります。

模試の復習方法|ここが最も重要

模試で最も重要なのは、受験すること自体ではなく、復習することです。模試50問を解いた後の復習に、解いた時間と同等以上の時間をかけましょう。

復習ステップ1:科目別の得点を分析する

模試直後に、以下の分析表を作成します。

科目 得点 正答率 目標との差 判定
宅建業法 14/20 70% -20% 要改善
権利関係 7/14 50% -14% 要注意
法令上の制限 5/8 63% -12% 要改善
税・その他 4/8 50% -13% 要注意
合計 30/50 60%

復習ステップ2:間違えた問題を3つに分類する

分類 内容 優先度
A:知識不足 そもそも知らなかった、または忘れていた 最優先で対策
B:ケアレスミス 知っていたのに問題文の読み間違いなどで失点 注意力の改善
C:難問・奇問 大半の受験生が間違える問題 対策不要(気にしない)

分類Aの問題が最も重要です。テキストの該当箇所に戻り、知識の穴を埋めましょう。

復習ステップ3:テーマ別の弱点を特定する

間違えた問題をテーマ別に整理し、どのテーマに弱点が集中しているかを把握します。

弱点の特定方法と克服法については弱点克服法で詳しく解説しています。

復習ステップ4:学習計画を修正する

模試の分析結果を踏まえて、残りの学習期間の計画を修正します。

模試の結果 対策
宅建業法が目標に届いていない 宅建業法の弱点テーマの集中演習を追加する
権利関係が想定以上に低い 頻出テーマに絞って対策し、難問は割り切る
法令上の制限の数字を間違えている 暗記カードや比較表で数字の定着を強化する
時間が足りなかった 解答スピードの改善と解答順序の見直し

模試の結果が悪かった場合の対処法

8月の模試で25点以下だった場合

焦る必要はありません。 8月の模試で25点以下であっても、残り2ヶ月で10点以上伸ばした受験生は珍しくありません。

具体的な対策:

  1. 宅建業法に全力集中する:最も改善しやすく配点も最大の科目。ここで5点以上伸ばせる
  2. 法令上の制限の暗記を強化する:数字を覚えれば確実に得点できる
  3. 権利関係の難問は思い切って捨てる:頻出7〜8テーマに絞り、それ以外は手を付けない
  4. 過去問の弱点テーマを集中演習する:1日1テーマずつ、10日で10テーマを潰す

9月の模試で30点前後の場合

合格圏に入るギリギリのラインです。 ここからの1ヶ月が勝負です。

具体的な対策:

  1. 模試で間違えた問題の完全復習:間違えた問題を全てリストアップし、1問ずつ解き直す
  2. 暗記事項の総チェック:法令上の制限の数字、税の特例の条件を総ざらいする
  3. 過去問3周目を回す:特に間違えた問題を中心に
  4. 直前期は新しいことを覚えるより、既知の知識を固める

9月の模試で35点以上の場合

合格圏内に入っています。 油断せずに最後の仕上げを行いましょう。

具体的な対策:

  1. 弱点テーマの最終確認:残っている弱点を潰す
  2. ケアレスミスの防止策を練る:問題文の読み方、マークシートの確認方法
  3. 体調管理に注意する:本番までの体調維持が最重要
  4. 自信を持って臨む:模試で35点以上取れているなら、本番でも十分に合格可能

複数回の模試を戦略的に活用する

模試を複数回受ける場合は、各回に異なる目的を設定しましょう。

時期 目的 重視するポイント
1回目 8月 弱点の発見 得点よりも「どこが弱いか」の分析
2回目 9月上旬 弱点克服の確認 1回目で見つけた弱点が改善されたか
3回目 9月中旬 合格可能性の判断 目標点に到達しているか
4回目 9月下旬〜10月 最終シミュレーション 時間配分、解答順序の最終確認

模試の点数の推移を記録する

宅建業法 権利関係 法令上の制限 税・その他 合計
1回目(8月) 14/20 6/14 4/8 3/8 27/50
2回目(9月上旬) 16/20 8/14 5/8 4/8 33/50
3回目(9月中旬) 18/20 9/14 6/8 5/8 38/50

このように推移を記録することで、学習の成果が数値で可視化され、モチベーションの維持にもつながります。

模試に関するよくある質問

Q1:模試は何回受けるべきですか?

A:3〜5回が理想的です。 最低でも2回(8月と9月に各1回)は受けましょう。予備校模試1〜2回+市販模試2〜3回の組み合わせがおすすめです。

Q2:模試の難易度は本番と同じですか?

A:予備校の模試は本試験よりもやや難しめに設定されていることが多いです。そのため、模試の得点に2〜5点程度を上乗せした点数が、本番の想定得点と考えてよいでしょう。

Q3:会場模試と自宅模試、どちらがいいですか?

A:可能であれば、少なくとも1回は会場模試を受けましょう。 他の受験生がいる環境で制限時間内に問題を解く経験は、自宅では再現できません。残りは自宅模試でも十分です。

Q4:模試の復習はどれくらい時間をかけるべきですか?

A:解いた時間と同等以上(2時間以上)をかけましょう。 模試の価値の8割は復習にあります。解きっぱなしにするくらいなら、模試を受けない方がましです。

Q5:模試で出た問題は本番でも出ますか?

A:大手予備校の模試は出題予想としての精度が高く、類似問題が本番で出題されることがあります。 ただし、「模試と同じ問題が出る」ことを期待するのではなく、模試を通じて知識を整理することが重要です。

直前期の学習戦略全体については直前期の過ごし方を、学習計画の立て方については独学合格の方法を参照してください。

まとめ

宅建試験の模試活用法のポイントを整理します。

模試の目的:
- 弱点の発見が最大の目的
- 得点そのものよりも「どこで間違えたか」の分析が重要
- 本番と同じ環境で解く練習としても貴重

主要な模試の選び方:
- TAC全答練:受験者数が多く、成績データの信頼性が高い
- LEC模試:複数回受験可能で、段階的に実力を確認できる
- 日建学院:無料で会場受験ができ、コストを抑えたい方におすすめ
- 市販模試:自分のペースで受験可能。予備校模試の補助として活用

受験スケジュール:
- 8月に1回目(弱点発見)、9月上旬〜中旬に2〜3回目(実力確認)
- 合計3〜5回が理想

復習の鉄則:
- 解いた時間と同等以上の時間を復習に充てる
- 間違いを「知識不足」「ケアレスミス」「難問」に分類する
- 分析結果を基に残りの学習計画を修正する

結果が悪くても焦らない:
- 8月で25点以下でも、残り2ヶ月で10点以上伸ばすことは可能
- 模試は本試験よりやや難しめに設定されていることが多い
- 結果を受けて学習計画を修正すること自体が、模試を受けた最大の成果

模試は「試験本番の予行演習」であると同時に、「残りの学習期間をどう過ごすかを決めるための最重要データ」です。受験するだけで終わらせず、徹底的に復習し、学習計画に反映させてこそ、模試を受けた意味があります。

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