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共有|持分・変更・管理・分割を条文で整理

権利関係 読了 約30分

民法の共有を2023年4月1日施行の改正後の条文で整理。軽微変更、持分の価格の過半数、賃借権等の期間上限、所在等不明共有者、賠償分割まで解説します。

目次

    本記事の役割 — この記事は民法249条から264条までの共有を扱います。
    相続によって生じる遺産共有の全体像は相続と不動産の基礎に、マンションの共用部分の共有は区分所有法の基本にまとめています。

    共有は、2023年4月1日施行の改正(令和3年法律第24号)によって、条文の姿がまったく変わった分野です。改正前の民法251条は「各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない」という一文だけでした。252条も「共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる」という一文だけです。この二か条で共有物の管理をすべて処理していたのが改正前の姿でした。

    現在は違います。251条には軽微変更を除く括弧書きが入り、所在等不明共有者がいる場合の裁判の規定が2項として加わりました。252条は5項構成になり、共有物を使用する共有者がいる場合の規律、賛否を明らかにしない共有者がいる場合の裁判、特別の影響を受ける共有者の承諾、賃借権等の期間の上限が、すべて条文に書き込まれています。252条の2(共有物の管理者)、258条の2(遺産共有が含まれる場合の特則)、262条の2(所在等不明共有者の持分の取得)、262条の3(所在等不明共有者の持分の譲渡)は、いずれも改正で新設された条文です。

    古い教材で「変更は全員の同意、管理は過半数、保存は単独」という三分類だけを覚えている場合、現在の条文とはずれています。本記事では、改正後の条文に沿って共有を組み立て直します。結論を先に言えば、覚えるべき軸は「何を決めるのか」ではなく「誰の同意がどれだけ要るのか」です。全員の同意、持分の価格の過半数、各共有者が単独、という三段階に、裁判所の関与という第四の経路が加わったと理解してください。

    なお、民法は2026年6月24日施行の改正(令和8年法律第45号)を控えていますが、この改正は249条から264条までの共有の規定には及んでいません。令和8年度試験の基準日である2026年4月1日時点の条文と現在の条文は、この範囲では同一です。

    共有は持分という割合の束でできている

    各共有者は共有物の全部を使える

    民法249条1項は「各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる」と定めます。この条文の読み方でつまずく人が多いので、丁寧に確認してください。

    持分が3分の1だからといって、共有物を物理的に3分の1に切って使うわけではありません。使用の対象は「共有物の全部」です。3分の1という数字が効いてくるのは、使用の範囲ではなく、使用の程度や、後述する対価の償還の場面です。土地の3分の1の持分を持つ共有者は、その土地の全部を使えますが、他の共有者を排除して独占的に使ってよいわけでもありません。

    持分の割合は相等しいものと「推定」される

    250条は「各共有者の持分は、相等しいものと推定する」と定めます。ここは「みなす」ではなく「推定する」である点が重要です。推定である以上、反証によって覆せます。実際には、出資額や相続分によって持分が定まっている場合がほとんどで、250条が働くのは持分の割合が明らかでない場合に限られます。

    相続によって生じる共有では、898条2項が「相続財産について共有に関する規定を適用するときは、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分をもって各相続人の共有持分とする」と定めており、250条の推定ではなく相続分が持分になります。相続分の計算そのものは相続の基本ルールで扱っています。

    自分の持分は自由に処分できる

    各共有者が自分の持分を譲渡したり、自分の持分に抵当権を設定したりすることは、他の共有者の同意なしにできます。この結論を導く条文は民法にはありません。持分は各共有者に帰属する権利であり、その処分は所有権の処分と同じだからです。共有物全体の処分に全員の同意が要るのは、他人の持分まで動かすことになるからです。

    この区別は試験で最も繰り返し問われます。「自己の持分」と「共有物」を読み分ける習慣をつけてください。持分の譲渡を第三者に対抗するには、不動産であれば登記が必要です(177条)。物権変動と対抗要件の全体像は物権変動と対抗要件、持分に抵当権を設定した場合の処理は抵当権の基本で確認できます。

    所有権以外の財産権にも準用される

    264条は「この節(第二百六十二条の二及び第二百六十二条の三を除く。)の規定は、数人で所有権以外の財産権を有する場合について準用する。ただし、法令に特別の定めがあるときは、この限りでない」と定めます。これが準共有です。

    複数人で賃借権を持っている場合や、地上権を持っている場合が典型です。マンションの敷地利用権が賃借権や地上権であるときも準共有になります。括弧書きで262条の2と262条の3が除かれている点は改正で加わった部分で、この二つの制度は不動産の共有持分そのものを対象とするため準用に馴染まないからです。ただし両条とも末項で「不動産の使用又は収益をする権利(所有権を除く。)が数人の共有に属する場合について準用する」と定めており、結局は不動産賃借権等の準共有にも及びます。

    共有物を使う共有者に課された二つの義務

    自己の持分を超える使用の対価を償還する

    249条2項は「共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対し、自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負う」と定めます。改正で新設された規定です。改正前の249条には1項しかありませんでした。

    意味するところはこうです。共有者の一人が共有物を単独で使っていても、それ自体が違法になるわけではありません。249条1項が共有物の全部の使用を認めているからです。しかし、持分を超えて使っている分については、他の共有者に対価を払わなければなりません。使用を止めさせるのではなく、金銭で調整するという発想です。

    「別段の合意がある場合を除き」という留保が付いている点も押さえてください。共有者間で無償使用の合意があれば償還義務は生じません。相続した実家に相続人の一人が住み続けているような場面で、この留保が働くことがあります。

    善良な管理者の注意をもって使用する

    249条3項は「共有者は、善良な管理者の注意をもって、共有物の使用をしなければならない」と定めます。これも改正で新設されました。

    善管注意義務ですから、自己の財産に対するのと同一の注意より高い水準です。共有物は他の共有者の持分でもある以上、自分だけのものとして雑に扱ってはならない、という趣旨です。この義務に違反して共有物を損傷させれば、他の共有者に対して債務不履行または不法行為による損害賠償責任を負うことになります。

    使用の権利と義務がセットで条文化された

    改正前は、共有者の一人が共有物を占有している場面の処理が条文に書かれておらず、判例と解釈に委ねられていました。改正は、使用できるという1項に、対価を償還せよという2項と、丁寧に使えという3項を並べ、権利と義務をひとまとまりにしました。

    条文の並びがそのまま論理の順序になっているので、249条は1項・2項・3項をセットで覚えてください。「使える。ただし超過分は払え。そして丁寧に使え」です。

    変更・管理・保存の三分類は四段階になった

    改正前の枠組み

    改正前の251条は、共有物に変更を加えるには他の共有者の同意が必要だと定めるだけでした。252条は、管理に関する事項は持分の価格の過半数で決し、ただし保存行為は各共有者ができる、と定めるだけでした。

    この二か条から導かれるのが、変更は全員、管理は過半数、保存は単独という三分類です。問題は、変更の範囲が広すぎたことです。砂利道をアスファルト舗装する、外壁を塗り替えるといった行為も、文言上は「変更」に当たりうるため、全員の同意が要ることになってしまいます。共有者の一人が所在不明なら、何もできません。

    251条1項の括弧書きが軽微変更を切り出した

    現在の251条1項はこうです。「各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。次項において同じ。)を加えることができない」。

    括弧書きで除かれた「その形状又は効用の著しい変更を伴わないもの」が、いわゆる軽微変更です。軽微変更は251条の変更から外れるため、252条1項の管理に関する事項として、持分の価格の過半数で決することができます。

    判断基準は二つあります。形状の著しい変更を伴うか、効用の著しい変更を伴うかです。どちらも伴わなければ軽微変更です。逆に言えば、どちらか一方でも著しく変われば、通常の変更として全員の同意が必要になります。

    保存行為は但書から5項へ移った

    252条5項は「各共有者は、前各項の規定にかかわらず、保存行為をすることができる」と定めます。改正前は252条の但書に置かれていた内容が、独立した項になりました。

    内容は変わっていません。共有物の現状を維持する行為は、各共有者が単独でできます。修繕、不法占拠者に対する明渡請求や妨害排除請求、共有物についての保存登記などが典型です。位置が変わっただけですが、条文を引く問題では項番号が問われることがあります。

    決め方は四段階になった

    整理すると、共有物についての行為は次の四段階で処理されます。

    第一に、共有者全員の同意が必要なもの。形状または効用の著しい変更を伴う変更です。共有物の売却や取壊し、建物の増改築が典型です。

    第二に、持分の価格の過半数で決するもの。軽微変更を含む管理に関する事項です。共有物の利用方法の決定、252条4項の期間内の賃借権等の設定、共有物の管理者の選任と解任が含まれます。

    第三に、各共有者が単独でできるもの。保存行為です。

    第四に、裁判所の関与によって進めるもの。所在等不明共有者や賛否不明共有者がいる場合の251条2項・252条2項の裁判、262条の2・262条の3の裁判です。

    この節の要点

    • 251条1項の括弧書きが軽微変更を管理側に移した。
    • 軽微変更の基準は形状または効用の著しい変更を伴うかどうか。
    • 保存行為は252条の但書から5項へ移動したが内容は同じ。
    • 裁判所の関与という第四の経路が改正で加わった。

    持分の価格の過半数とは何か

    頭数ではなく持分の価格

    252条1項は「各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する」と定めます。共有者の頭数ではありません。

    3分の2の持分を持つAと、6分の1ずつを持つBとCがいる場合、Aひとりの意思で管理に関する事項を決められます。人数では1対2ですが、持分の価格では3分の2対3分の1だからです。逆に、10人の共有者がそれぞれ10分の1ずつ持っている場合は、6人の賛成が必要になります。

    この点は、後述する区分所有法の決議と対照的です。区分所有法は区分所有者の頭数と議決権の両方を要求しますが、民法の共有は持分の価格だけを見ます。

    共有物を使用する共有者があるときも同様

    252条1項後段は「共有物を使用する共有者があるときも、同様とする」と定めます。改正で加えられた一文です。

    これは、共有物を現に使っている共有者がいる場合でも、持分の価格の過半数によって管理に関する事項を決められる、という意味です。使っている共有者の同意がなければ決められない、ということにはなりません。たとえば、共有者の一人が住んでいる建物について、他の共有者が過半数で第三者への賃貸を決めることができます。

    改正前は、現に使用している共有者の地位をどう扱うかが条文に書かれておらず、争いのある論点でした。条文化されたことで、原則は過半数で決せられると明確になりました。

    管理者の選任・解任も管理に関する事項

    252条1項の括弧書きは、管理に関する事項に「次条第一項に規定する共有物の管理者の選任及び解任を含み」と明記しています。管理者を置くかどうか、誰にするか、辞めさせるかは、いずれも持分の価格の過半数で決します。

    同じ括弧書きで「共有物に前条第一項に規定する変更を加えるものを除く」とも定めており、変更は管理から除かれることが条文上はっきりしています。

    特別の影響を及ぼすときは承諾が要る

    過半数で何でも決められるわけではありません。252条3項は「前二項の規定による決定が、共有者間の決定に基づいて共有物を使用する共有者に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない」と定めます。

    対象は、共有者間の決定に基づいて共有物を使用している共有者です。何の取決めもなく勝手に使っている共有者は含まれません。いったん共有者の決定によって使用が認められた者について、その地位を覆すような決定をするには、本人の承諾が必要になります。多数決の限界を画す規定であり、少数持分者の保護規定として出題されます。

    賃借権等を設定できる期間の上限

    四つの期間

    252条4項は、共有者が前三項の規定により共有物に設定できる賃借権その他の使用および収益を目的とする権利について、期間の上限を号で列挙しています。改正で新設された規定です。

    樹木の栽植または伐採を目的とする山林の賃借権等は10年。それ以外の土地の賃借権等は5年。建物の賃借権等は3年。動産の賃借権等は6か月。この四つです。

    10年、5年、3年、6か月という並びは、そのまま覚えるしかありません。山林が最も長く、動産が最も短い、という順序で押さえてください。宅建試験で問われるのは土地の5年と建物の3年が中心です。

    上限を超えるものは変更行為になる

    この期間を超える賃借権等を設定することは、252条4項の枠を外れます。共有物の効用に著しい変更を及ぼす行為として、251条1項の変更に当たり、共有者全員の同意が必要になります。

    改正前は、短期賃貸借は管理行為、長期賃貸借は変更行為という区別が解釈で語られていましたが、具体的な年数は条文にありませんでした。改正で数字が明記されたことで、出題しやすい論点になっています。

    借地借家法が適用される場合の注意

    もっとも、252条4項が定めているのは、共有者の過半数で設定できる権利の期間の上限にすぎません。設定された賃貸借に借地借家法が適用される場合、存続期間や更新については借地借家法の規律が別に働きます。建物の賃貸借で3年の期間を定めても、それだけで3年後に確実に終了するとは限りません。借地借家法の存続保護の仕組みは借地借家法の全体像、賃貸借契約そのものの規律は賃貸借の基本で扱っています。

    所在等不明共有者・賛否不明共有者がいるとき

    共有の実務で最も困るのが、共有者の一部と連絡が取れない場合です。改正はこの場面に四つの制度を用意しました。

    変更をしたいとき(251条2項)

    251条2項は「共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、当該他の共有者以外の他の共有者の同意を得て共有物に変更を加えることができる旨の裁判をすることができる」と定めます。

    所在等不明共有者を計算から外し、残りの共有者全員の同意で変更ができるようにする裁判です。所在等不明共有者の同意を擬制するのではなく、その者を除外する構成である点に注意してください。残った共有者の間では、なお全員の同意が必要です。

    管理に関する事項を決めたいとき(252条2項)

    252条2項は二つの場合を並べています。1号が、共有者が他の共有者を知ることができず、またはその所在を知ることができないとき。2号が、共有者が他の共有者に対し相当の期間を定めて賛否を明らかにすべき旨を催告した場合において、その他の共有者が期間内に賛否を明らかにしないときです。

    いずれの場合も、裁判所は、当該他の共有者以外の共有者の持分の価格に従い、その過半数で管理に関する事項を決することができる旨の裁判をすることができます。分母から所在等不明共有者や賛否不明共有者を外して過半数を計算する、という仕組みです。

    251条2項が所在等不明の場合しか用意していないのに対し、252条2項は賛否を明らかにしない場合まで拾っています。変更より管理のほうが対象が広いという非対称は、出題ポイントです。

    持分そのものを取得したいとき(262条の2)

    262条の2は、不動産が数人の共有に属する場合において、共有者が他の共有者を知ることができず、またはその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、その共有者に所在等不明共有者の持分を取得させる旨の裁判をすることができる、と定めます。請求をした共有者が二人以上あるときは、各共有者の持分の割合で按分して取得させます。

    所在等不明共有者は、持分を失う代わりに、取得した共有者に対して時価相当額の支払を請求できます(4項)。無償で奪う制度ではありません。

    制約もあります。258条1項の分割請求または遺産分割の請求があり、かつ他の共有者が異議の届出をしたときは裁判ができません(2項)。所在等不明共有者の持分が相続財産に属する場合で、相続開始の時から10年を経過していないときも裁判ができません(3項)。

    第三者に売りたいとき(262条の3)

    262条の3は、所在等不明共有者以外の共有者の全員が特定の者に対してその有する持分の全部を譲渡することを停止条件として、所在等不明共有者の持分を当該特定の者に譲渡する権限を付与する旨の裁判ができる、と定めます。

    262条の2が持分を共有者に移す制度であるのに対し、262条の3は不動産全体を第三者に売れるようにする制度です。停止条件が付いている点が肝で、他の共有者全員が同じ相手に売らなければ効果が生じません。共有不動産を丸ごと売却したいのに一人だけ所在不明、という場面を想定した規定です。この場合も所在等不明共有者は時価相当額の按分額の支払を請求できます(3項)。

    四つの使い分け

    やりたいことが変更なら251条2項、管理なら252条2項、持分を自分のものにしたいなら262条の2、不動産全体を第三者に売りたいなら262条の3です。いずれも裁判所の裁判が必要である点は共通しています。共有者だけの判断では進められません。

    共有物の管理者

    252条の2は改正で新設された制度です。共有者以外の第三者を管理者にすることもできます。

    1項は「共有物の管理者は、共有物の管理に関する行為をすることができる。ただし、共有者の全員の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。次項において同じ。)を加えることができない」と定めます。管理者は管理行為を単独でできますが、変更には共有者全員の同意が要ります。管理者になったからといって共有者の権限を超えられるわけではありません。

    2項は、管理者が共有者を知ることができずまたはその所在を知ることができないときの裁判を定めます。251条2項の管理者版です。

    3項は「共有物の管理者は、共有者が共有物の管理に関する事項を決した場合には、これに従ってその職務を行わなければならない」と定め、4項は「前項の規定に違反して行った共有物の管理者の行為は、共有者に対してその効力を生じない。ただし、共有者は、これをもって善意の第三者に対抗することができない」と定めます。

    4項の構造は重要です。決定に反する管理者の行為は、共有者との関係では無効です。しかし、その無効を善意の第三者に対抗することはできません。善意で足り、無過失までは要求されていない点も確認しておいてください。

    なお、管理者の選任と解任は252条1項の管理に関する事項に含まれるため、持分の価格の過半数で決します。管理者を置くのに全員の同意が要る、という選択肢は誤りです。

    費用の負担と、持分を失う場合

    持分に応じた負担(253条1項)

    253条1項は「各共有者は、その持分に応じ、管理の費用を支払い、その他共有物に関する負担を負う」と定めます。固定資産税、修繕費、管理費などが対象です。

    1年以内に履行しないとき(253条2項)

    253条2項は「共有者が一年以内に前項の義務を履行しないときは、他の共有者は、相当の償金を支払ってその者の持分を取得することができる」と定めます。

    数字は1年です。そして無償で取り上げるのではなく、相当の償金を支払って取得します。「1年」と「償金」の二つがそろって正しい記述になります。片方だけを正しく書いて他方をずらす選択肢が典型的な引っかけです。

    特定承継人にも行使できる(254条)

    254条は「共有者の一人が共有物について他の共有者に対して有する債権は、その特定承継人に対しても行使することができる」と定めます。

    立て替えた管理費用の返還請求権などが、持分を譲り受けた者に対しても行使できるという規定です。持分を買った人は、前の持分権者が負っていた共有物についての債務も引き受けることになります。共有持分の売買で見落とされやすい規律であり、登記簿の読み方で持分の履歴を確認する実務上の意味もここにあります。

    持分の放棄と相続人なき死亡(255条)

    255条は「共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する」と定めます。

    放棄された持分は国庫ではなく他の共有者に帰属します。相続人なくして死亡した場合も同じです。単独所有の不動産であれば相続人不存在の場合に最終的に国庫に帰属しますが、共有持分については255条が優先します。ただし特別縁故者への財産分与が問題になる場面もあり、そこは相続の側の論点です。相続の放棄との違いは相続放棄の要件と効果で整理しています。

    分割請求はいつでもできる

    256条の原則と例外

    256条1項は「各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない」と定めます。2項は「前項ただし書の契約は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から五年を超えることができない」と定めます。

    原則は、いつでも分割請求ができることです。共有は暫定的な状態であって、いつまでも縛られない、という考え方が背景にあります。

    例外として不分割契約ができますが、上限は5年です。10年の不分割契約は5年に短縮されるのではなく、5年を超える部分について効力が認められないと解されます。更新もできますが、更新の時から5年を超えることはできません。5年ごとに更新を繰り返せば実質的に長期間の不分割は可能ですが、一回の合意で10年を定めることはできない、という建て付けです。

    257条の例外

    257条は「前条の規定は、第二百二十九条に規定する共有物については、適用しない」と定めます。229条は「境界線上に設けた境界標、囲障、障壁、溝及び堀は、相隣者の共有に属するものと推定する」という規定です。

    境界標や塀は分割してしまうと機能を失うので、分割請求ができません。細かい条文ですが、「共有物であれば常に分割請求ができる」という選択肢を切るための例外として覚えておく価値があります。

    裁判による分割は改正で方法が条文化された

    協議ができないときも請求できる

    258条1項は「共有物の分割について共有者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、その分割を裁判所に請求することができる」と定めます。

    改正前は「協議が調わないとき」だけでした。「又は協議をすることができないとき」が追加されたのが改正点です。共有者の一部が所在不明で協議そのものが成立しない場合にも、裁判による分割を請求できることが明確になりました。

    現物分割と賠償分割

    258条2項は、裁判所が命じることのできる分割の方法を二つ挙げています。1号が「共有物の現物を分割する方法」、2号が「共有者に債務を負担させて、他の共有者の持分の全部又は一部を取得させる方法」です。

    1号が現物分割、2号がいわゆる賠償分割です。改正前の258条2項には競売しか書かれておらず、賠償分割は明文にありませんでした。改正で条文に格上げされたのがこの2号です。

    2号の書きぶりを丁寧に読んでください。「持分の全部又は一部を取得させる」となっており、一部だけを取得させる分割も可能です。全部を一人に集めるのではなく、共有者を減らす方向の分割もできる、という含みがあります。

    競売は最後の手段

    258条3項は「前項に規定する方法により共有物を分割することができないとき、又は分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所は、その競売を命ずることができる」と定めます。

    順序が条文に書かれている点が重要です。まず現物分割か賠償分割を検討し、それができないか、それによって価格が著しく下がるおそれがあるときにはじめて競売になります。競売分割が第一の選択肢であるかのような記述は誤りです。

    給付を命じることもできる

    258条4項は「裁判所は、共有物の分割の裁判において、当事者に対して、金銭の支払、物の引渡し、登記義務の履行その他の給付を命ずることができる」と定めます。これも改正で新設された規定です。

    分割の裁判の中で、賠償金の支払や登記手続まで一括して命じられるようにしたものです。分割の判決を得たのに別途訴訟を起こさなければ登記が動かない、という不便を解消する趣旨です。分割による権利変動を登記に反映させる手続の全体像は不動産登記のしくみを参照してください。

    分割への参加と担保責任

    260条1項は「共有物について権利を有する者及び各共有者の債権者は、自己の費用で、分割に参加することができる」と定め、2項は、参加の請求があったにもかかわらず参加させないで分割をしたときは、その分割はその請求をした者に対抗することができない、と定めます。参加させなかった分割が無効になるのではなく、請求者に対抗できないだけである点に注意してください。

    261条は「各共有者は、他の共有者が分割によって取得した物について、売主と同じく、その持分に応じて担保の責任を負う」と定めます。分割は実質的に持分の交換に近いため、売主と同じ責任を負わせる規定です。

    遺産共有が混ざるときの特則

    258条の2は改正で新設された条文です。共有物の全部またはその持分が相続財産に属し、共同相続人間で遺産の分割をすべきときは、その共有物または持分について258条による分割ができない、と1項が定めます。

    遺産分割は家庭裁判所の管轄で、具体的相続分や特別受益といった相続固有の考慮が必要になります。これを通常の共有物分割訴訟で処理させないための切り分けです。遺産共有の解消は遺産分割で、通常共有の解消は共有物分割で、という役割分担になります。

    ただし2項が例外を置きます。共有物の持分が相続財産に属する場合において、相続開始の時から10年を経過したときは、相続財産に属する共有物の持分についても258条による分割ができます。10年経過後は具体的相続分による分割を求められなくなる(904条の3)ことと対応した規定です。もっとも、遺産分割の請求があった場合において相続人が異議の申出をしたときはこの限りでなく(2項ただし書)、異議の申出は請求があった旨の通知を受けた日から2か月以内にしなければなりません(3項)。

    10年、2か月という数字と、異議の申出という手続だけ押さえておけば足ります。遺産分割そのものの手続は遺産分割の進め方にまとめています。

    共有と区分所有はどこが違うか

    マンションの共用部分も共有ですが、区分所有法が特別法として民法の共有規定を修正しています。両者を並べると、どちらの理解も深まります。

    決め方の分母が違う

    民法の共有は、持分の価格の過半数だけを見ます。頭数は問いません。

    区分所有法は違います。区分所有法39条1項は、集会の議事は法律または規約に別段の定めがない限り「出席した区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及びその議決権の各過半数で決する」と定めます。区分所有者の頭数と議決権の両方について要件を満たす必要がある、二重の構造です。

    さらに、区分所有法は令和7年法律第47号により2026年4月1日に改正・施行され、決議要件の分母が区分所有者の総数から出席者に変わりました。共用部分の変更を定める17条1項も、区分所有者の過半数であって議決権の過半数を有するものが出席したうえで、出席した区分所有者およびその議決権の各4分の3以上の多数による決議、という定足数と多数決要件の二階建てになっています。決議要件の詳細は区分所有法の決議要件で扱っています。

    変更のハードルが違う

    民法251条1項では、形状または効用の著しい変更を伴う変更に共有者全員の同意が必要です。全員です。一人でも反対すれば実行できません。

    区分所有法17条1項では、共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く)は4分の3以上の多数による決議で足ります。全員の同意までは要りません。しかも規約で2分の1を超える割合まで引き下げることができます。

    括弧書きの文言が民法251条1項と同一である点は見逃さないでください。「その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く」という同じ表現が両方に置かれており、軽微変更を切り出す発想が共通しています。区分所有法18条1項は、17条の場合を除く共用部分の管理に関する事項は集会の決議で決するとし、ただし保存行為は各共有者ができるとしています。民法252条と同じ構造です。

    持分の決まり方が違う

    民法250条は持分を相等しいものと推定します。

    区分所有法14条1項は「各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による」と定めます。推定ではなく、床面積の割合そのものです。ただし4項で規約による別段の定めが認められています。負担についても、区分所有法19条は規約に別段の定めがない限り持分に応じて負担すると定めており、規約の余地がある点が民法253条と異なります。

    分割請求ができるかどうかが違う

    民法256条1項は、いつでも分割請求ができるという原則を立てます。

    区分所有では、共用部分の共有を解消する分割請求は制度上想定されていません。それどころか区分所有法22条1項は、敷地利用権が数人で有する権利である場合には、専有部分と敷地利用権を分離して処分することができないと定めています。共有関係を維持することが前提の制度設計です。

    この違いは、共有が暫定的な状態であるのに対し、区分所有が恒久的な共同利用を前提とする制度だという性格の差から来ています。区分所有建物の権利関係の全体像は区分所有法の基本、宅建業法上の説明事項としての扱いは区分所有建物の重要事項説明で確認できます。

    共有の竹木の枝は各共有者が切り取れる

    相隣関係の規定ですが、共有と直結する改正がひとつあります。233条2項です。

    233条1項は、土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に枝を切除させることができる、と定めます。そして2項が「前項の場合において、竹木が数人の共有に属するときは、各共有者は、その枝を切り取ることができる」と定めます。改正で新設された項です。改正前の233条には1項と2項(根の切取り)しかありませんでした。

    越境した枝を切ることは、通常であれば共有物の変更に当たりかねません。しかし共有者全員の同意を待っていては隣地の所有者が救われないため、各共有者が単独で切り取れることにしたものです。共有物についての行為を各共有者が単独でできる例外として、保存行為と並べて覚えておくとよいでしょう。

    なお、3項は、催告しても相当の期間内に切除しないとき、竹木の所有者を知ることができずまたはその所在を知ることができないとき、急迫の事情があるときには、土地の所有者自身が枝を切り取れると定めています。

    試験での出題ポイント

    パターン1 頭数と持分の価格をすり替える

    「共有物の管理に関する事項は、共有者の過半数で決する」は誤りです。252条1項は持分の価格の過半数と定めています。人数の話に読み替えた選択肢は必ず切ってください。

    パターン2 軽微変更を全員同意にする

    「共有物に変更を加えるには、その変更の程度を問わず共有者全員の同意が必要である」は誤りです。251条1項は形状または効用の著しい変更を伴わないものを括弧書きで除いており、軽微変更は持分の価格の過半数で決せられます。

    パターン3 保存行為に同意を要求する

    「不法占拠者に対する明渡請求をするには、持分の価格の過半数による決定が必要である」は誤りです。252条5項により保存行為は各共有者が単独でできます。逆に「保存行為には全員の同意が必要」も誤りです。

    パターン4 期間の数字をずらす

    252条4項の期間は、山林10年、それ以外の土地5年、建物3年、動産6か月です。建物を5年、土地を3年と入れ替える選択肢が作りやすい部分です。253条2項の1年、256条の5年と混ざらないよう、条文ごとに数字を紐づけて覚えてください。

    パターン5 分割請求と不分割契約

    「5年を超える不分割契約もすることができる」は誤りです。「不分割契約は更新できない」も誤りで、256条2項が更新を認めています。「更新後の期間も5年を超えることができない」は正しい記述です。

    パターン6 持分の放棄の帰属先

    「共有者の一人が持分を放棄した場合、その持分は国庫に帰属する」は誤りです。255条により他の共有者に帰属します。相続人なくして死亡した場合も同じです。

    パターン7 裁判による分割の順序

    「協議が調わないときは、裁判所は直ちに競売を命ずることができる」は誤りです。258条3項は、現物分割または賠償分割ができないとき、または分割によって価格を著しく減少させるおそれがあるときに競売を命ずることができるとしており、競売は後順位です。

    パターン8 所在等不明共有者の制度を混ぜる

    251条2項は変更、252条2項は管理、262条の2は持分の取得、262条の3は持分の譲渡です。賛否を明らかにしない共有者について規定しているのは252条2項2号だけで、251条2項にはありません。「所在等不明共有者がいれば、他の共有者だけで自由に変更できる」も誤りで、いずれの制度も裁判所の裁判が必要です。

    パターン9 管理者の権限を広げる

    「共有物の管理者は、共有物に変更を加えることができる」は誤りです。252条の2第1項ただし書により、軽微変更を除く変更には共有者全員の同意が必要です。「管理者の選任には共有者全員の同意が必要」も誤りで、252条1項の括弧書きにより管理に関する事項として過半数で決します。

    パターン10 区分所有と混ぜる

    「共用部分の変更には区分所有者全員の同意が必要」は誤りです。民法251条1項の全員同意を区分所有法に持ち込んだ選択肢で、区分所有法17条1項は4分の3以上の多数による決議で足ります。権利関係でどの論点にどれだけ時間を割くかは権利関係の頻出論点を参考にしてください。

    覚え方・整理の仕方

    「誰の同意がどれだけ要るか」を先に決める

    問題文を読んだら、まず求められている同意の量を判定してください。全員か、持分の価格の過半数か、単独か、それとも裁判所か。この四択に落とし込めば、条文の位置も自然に定まります。

    全員なら251条1項。過半数なら252条1項。単独なら252条5項。裁判所なら251条2項・252条2項・262条の2・262条の3です。行為の名前を覚えるのではなく、同意の量から条文へ逆算する順序を身につけると、初見の事例でも迷いません。

    軽微変更は「見た目も使い道も大きくは変わらない」

    251条1項の括弧書きは「その形状又は効用の著しい変更を伴わないもの」です。形状は見た目や物理的な状態、効用は使い道や機能だと置き換えると判断しやすくなります。見た目も使い道も大きくは変わらないなら軽微変更で過半数、どちらかが大きく変わるなら変更で全員同意です。

    数字は条文ごとに束ねる

    共有には数字が多く出てきます。混ざらないよう、条文単位で束ねてください。

    252条4項は10年・5年・3年・6か月。253条2項は1年。256条は5年と、更新の時から5年。258条の2は10年と2か月。この四つの束さえ作っておけば、どの数字がどの場面のものかを取り違えません。

    改正前後は「一文だった条文が枝分かれした」と捉える

    改正前の251条と252条はそれぞれ一文でした。それが251条は2項構成に、252条は5項構成になり、252条の2が枝分かれし、258条の2・262条の2・262条の3が生えました。

    古い知識を捨てる必要はありません。改正前の三分類(変更・管理・保存)は今も骨格として生きています。そこに、軽微変更の切り出しと、裁判所を使う経路が追加されたと理解するのが最短です。

    区分所有との対比は「分母」で覚える

    民法の共有は持分の価格だけ。区分所有法は区分所有者と議決権の二本立てで、しかも2026年4月1日以降は分母が出席者です。分母が何かを最初に確認する癖をつければ、二つの制度が混ざりません。学習の順序づけは科目別の攻略法、時間配分の目安は宅建の勉強時間を参考にしてください。

    理解度チェッククイズ

    Q1. 共有物について、その形状又は効用の著しい変更を伴わない変更を加えるには、共有者全員の同意が必要である。(○か×か)

    答えを見る×:民法251条1項は、変更から「その形状又は効用の著しい変更を伴わないもの」を括弧書きで除いています。この軽微変更は252条1項の管理に関する事項として、各共有者の持分の価格に従いその過半数で決することができます。

    Q2. 共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対し、自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負う。(○か×か)

    答えを見る○:民法249条2項のとおりです。2023年4月1日施行の改正で新設された規定で、改正前の249条には1項しかありませんでした。同条3項は、共有者は善良な管理者の注意をもって共有物を使用しなければならないと定めています。

    Q3. 共有者は、持分の価格の過半数により、共有物に存続期間5年の建物の賃借権を設定することができる。(○か×か)

    答えを見る×:民法252条4項は、建物の賃借権等について3年を上限としています。5年は「樹木の栽植又は伐採を目的とする山林の賃借権等以外の土地の賃借権等」の上限です。3年を超える建物の賃借権の設定は251条1項の変更に当たり、共有者全員の同意が必要になります。

    Q4. 共有者が1年以内に管理費用の支払義務を履行しないときは、他の共有者は、償金を支払うことなくその者の持分を取得することができる。(○か×か)

    答えを見る×:民法253条2項は「相当の償金を支払ってその者の持分を取得することができる」と定めています。1年という期間は正しいものの、償金なしで取得できるわけではありません。

    Q5. 共有物の分割について共有者間に協議が調わないときは、裁判所は、まず競売を命じなければならない。(○か×か)

    答えを見る×:民法258条2項は、現物を分割する方法と、共有者に債務を負担させて他の共有者の持分の全部又は一部を取得させる方法(賠償分割)を挙げ、3項は、これらの方法により分割することができないとき、又は分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときに競売を命ずることができるとしています。競売は後順位の方法です。

    Q6. 共有物の管理者は、共有者の全員の同意を得なくても、共有物にその形状又は効用の著しい変更を伴う変更を加えることができる。(○か×か)

    答えを見る×:民法252条の2第1項ただし書は、共有物の管理者は共有者の全員の同意を得なければ共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く)を加えることができないと定めています。なお、管理者の選任及び解任は252条1項により持分の価格の過半数で決します。

    Q7. 共有者が他の共有者に対し相当の期間を定めて賛否を明らかにすべき旨を催告したにもかかわらず、その共有者が期間内に賛否を明らかにしないときは、裁判所の裁判を得ることなく、他の共有者の持分の価格の過半数で管理に関する事項を決することができる。(○か×か)

    答えを見る×:民法252条2項2号はこの場合を対象としていますが、裁判所が「当該他の共有者以外の共有者の持分の価格に従い、その過半数で共有物の管理に関する事項を決することができる旨の裁判をすることができる」という仕組みです。裁判所の裁判を経る必要があります。

    まとめ

    共有は、次の四点に整理できます。

    1. 持分は自由に処分できるが、共有物は共有者だけのものではない。 各共有者は共有物の全部について持分に応じた使用ができますが(249条1項)、持分を超える使用の対価は償還しなければならず(同条2項)、善管注意義務も負います(同条3項)。持分の割合は相等しいものと推定されるにすぎません(250条)。
    2. 決め方は四段階。 形状または効用の著しい変更を伴う変更は全員の同意(251条1項)、軽微変更を含む管理に関する事項は持分の価格の過半数(252条1項)、保存行為は各共有者が単独(252条5項)、そして所在等不明共有者や賛否不明共有者がいる場合は裁判所の裁判(251条2項・252条2項・262条の2・262条の3)です。
    3. 数字は条文ごとに束ねる。 賃借権等の期間上限は山林10年・その他の土地5年・建物3年・動産6か月(252条4項)、費用不履行による持分取得は1年と相当の償金(253条2項)、不分割契約は5年で更新も5年(256条)、遺産共有が混ざる場合の特則は10年と2か月(258条の2)です。
    4. 区分所有法とは分母が違う。 民法の共有は持分の価格だけを見ますが、区分所有法は区分所有者と議決権の二本立てであり、2026年4月1日施行の改正で分母が出席者になりました。共用部分の変更が4分の3以上の決議で足りるのに対し、民法の変更は全員の同意です。

    権利関係全体のどこにこの論点が位置するかは権利関係の全体像で確認できます。

    宅建試験AIブートラボでは、共有の肢別トレーニングを収録しています。251条・252条は項番号まで問われる論点なので、条文を引きながら繰り返し解いてください。

    読んだ内容を、権利関係の肢で確かめる

    民法・借地借家法・区分所有法など、条文だけでは判断しづらい論点は、過去問の肢で覚えるのが最短です。

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