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管理業務主任者と宅建のダブル取得|共通範囲を活かす効率学習法

管理業務主任者と宅建のダブル取得のメリットと効率的な学習法を解説。試験範囲の重複ポイントと同年受験の戦略を紹介します。

管理業務主任者と宅建士は、不動産業界で働くうえで最も効率よくダブル取得できる資格の組み合わせです。試験範囲の重複が非常に大きく、宅建試験(10月)から管理業務主任者試験(12月)までわずか約6週間という日程を利用すれば、同年ダブル合格も十分に狙えます。本記事では、管理業務主任者の概要と宅建との違い、試験範囲の具体的な重複ポイント、同年ダブル受験の戦略、そして学習時間の節約効果を、データと比較表を多用して詳しく解説します。

管理業務主任者とはどんな資格か

管理業務主任者は、マンション管理業界で必須とされる国家資格です。宅建士が「不動産取引の専門家」であるのに対し、管理業務主任者は「マンション管理会社の専門家」として位置づけられます。

管理業務主任者の概要

管理業務主任者は、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」(マンション管理適正化法)に基づく国家資格で、マンション管理会社が管理組合に対して管理委託契約を説明する際に必要とされる資格です。

項目 内容
根拠法 マンションの管理の適正化の推進に関する法律
資格の性格 業務独占資格+設置義務資格
試験実施機関 一般社団法人マンション管理業協会
試験日 毎年12月の第1日曜日
試験時間 2時間
出題形式 四肢択一式50問
合格基準 50問中概ね34〜38問以上(年度により変動)
合格率 約20〜25%
受験資格 なし
受験料 8,900円
設置義務 管理会社の事務所ごとに30組合に1人以上

管理業務主任者の独占業務

管理業務主任者には以下の4つの独占業務があります。宅建士の独占業務と構造が似ている点に注目してください。

管理業務主任者の独占業務 宅建士の類似業務
管理委託契約に関する重要事項の説明 不動産取引に関する重要事項の説明
重要事項説明書(72条書面)への記名 重要事項説明書(35条書面)への記名
管理委託契約書(73条書面)への記名 契約書(37条書面)への記名
管理事務に関する報告 ー(対応する業務なし)

管理委託契約の「重要事項説明」と「書面への記名」が管理業務主任者の独占業務であるという構造は、宅建士の独占業務と非常によく似ています。この類似性は、両試験の学習においても活かせるポイントです。

管理業務主任者の合格率推移

年度 受験者数 合格者数 合格率
2019年 15,591人 3,617人 23.2%
2020年 15,667人 3,739人 22.2%
2021年 16,538人 3,203人 19.4%
2022年 16,217人 3,065人 18.9%
2023年 14,652人 3,208人 21.9%
2024年 14,496人 3,110人 21.5%

合格率は概ね19〜25%で推移しており、宅建試験(15〜17%)よりも高い合格率です。宅建合格者にとっては、比較的取り組みやすい試験といえます。

宅建士との違いを徹底比較する

管理業務主任者と宅建士は「不動産関連の設置義務資格」という共通点がありますが、業務内容や活躍の場は異なります。

基本情報の比較表

比較項目 管理業務主任者 宅建士
主な業務 マンション管理委託契約の説明 不動産取引の重要事項説明
活躍の場 マンション管理会社 不動産仲介会社、不動産開発会社
設置義務 事務所ごとに30管理組合に1人以上 事務所ごとに従業員5人に1人以上
対象者 マンション管理組合 不動産の買主・借主
試験日 12月第1日曜日 10月第3日曜日
合格率 約20〜25% 約15〜17%
必要学習時間 約200〜400時間 約300〜500時間
有資格者数 約3.5万人(登録者) 約110万人(登録者)
年収の目安(勤務) 400〜550万円 400〜600万円
資格手当の相場 月額5,000〜15,000円 月額10,000〜30,000円

業務領域の棲み分け

マンションに関わる資格は複数ありますが、それぞれ立場が異なります。

資格 立場 主な業務
宅建士 不動産会社(売買の仲介) マンションの売買・賃貸の仲介
管理業務主任者 管理会社(管理の受託) 管理組合への管理委託契約の説明
マンション管理士 管理組合の顧問(独立) 管理組合の運営に関する助言・指導

宅建士がマンションの「入口(取引)」を担当し、管理業務主任者がマンションの「運営(管理)」を担当するという棲み分けです。

ダブルライセンスで広がるキャリア

両資格を持つことで、以下のようなキャリアの選択肢が広がります。

キャリアパス 活躍の場面 年収の目安
不動産会社の総合職 売買仲介と管理部門の両方を担当 450〜650万円
マンション管理会社のフロントマン 管理業務+入居者への売買相談 400〜550万円
マンションデベロッパー 新築販売と管理の引渡しを一貫担当 500〜750万円
不動産コンサルティング マンションの売買と管理の両面からアドバイス 500〜800万円
独立開業 不動産仲介+管理受託の両業務 600〜1,000万円

試験範囲の重複を徹底分析する

管理業務主任者試験と宅建試験の最大の魅力は、試験範囲の重複が非常に大きいことです。この重複を正確に理解することが、効率的なダブル取得の鍵です。

出題科目の比較表

分野 管理業務主任者試験 宅建試験 重複度
民法 約6〜10問 権利関係として約10問 非常に高い
区分所有法 約6〜8問 権利関係で1〜2問 高い
マンション管理適正化法 約5〜7問 出題なし なし
標準管理規約 約5〜8問 出題なし なし
管理委託契約・標準管理委託契約書 約3〜5問 出題なし なし
建築基準法・設備 約5〜10問 法令上の制限で約2問 中程度
都市計画法 約1〜2問 法令上の制限で約2問 高い
宅建業法 約1〜2問 最重要科目(20問) 中程度
不動産登記法 約1〜2問 権利関係で数問 中程度
会計・税務 約2〜3問 税その他として約3問 低い〜中程度
借地借家法 約1〜2問 権利関係で約2問 高い

重複度の高い分野の詳細分析

1. 民法(重複度: 非常に高い)

民法は両試験で最も重複度の高い科目です。出題される分野を詳しく比較します。

民法のテーマ 管業での出題頻度 宅建での出題頻度 共通度
意思表示(詐欺・強迫・錯誤) ほぼ毎年出題 ほぼ毎年出題 非常に高い
代理(無権代理・表見代理) ほぼ毎年出題 ほぼ毎年出題 非常に高い
時効(取得時効・消滅時効) 2〜3年に1回 ほぼ毎年出題 高い
物権変動(対抗要件) 2〜3年に1回 ほぼ毎年出題 高い
共有 ほぼ毎年出題 2〜3年に1回 高い
抵当権 2〜3年に1回 ほぼ毎年出題 高い
委任 ほぼ毎年出題 まれに出題 中程度
請負 2〜3年に1回 まれに出題 中程度
不法行為 2〜3年に1回 2〜3年に1回 中程度
賃貸借 ほぼ毎年出題 ほぼ毎年出題 非常に高い
相続 2〜3年に1回 ほぼ毎年出題 高い

管理業務主任者試験の民法は、宅建試験とほぼ同レベルの難易度です。宅建で民法をしっかり学習していれば、管業の民法対策は復習程度で済みます。

2. 区分所有法(重複度: 高い)

区分所有法は管理業務主任者試験の重要科目です。宅建試験でも出題されますが、管業の方がより深い内容が問われます。

区分所有法のテーマ 管業での出題頻度 宅建での出題頻度
専有部分と共用部分 毎年出題 ほぼ毎年出題
敷地利用権 毎年出題 2〜3年に1回
管理者の権限と義務 毎年出題 まれに出題
規約の設定・変更・廃止 毎年出題 2〜3年に1回
集会の招集手続き 毎年出題 まれに出題
各種決議要件 毎年出題 ほぼ毎年出題
義務違反者への措置 2〜3年に1回 まれに出題
復旧・建替え 2〜3年に1回 2〜3年に1回
団地 2〜3年に1回 まれに出題

宅建で区分所有法の基本を学んでいれば、管業では「集会の招集手続き」「管理者の権限」「団地」など、宅建ではあまり深く扱わなかった分野を追加で学べば対応できます。

3. 建築基準法・設備(重複度: 中程度)

テーマ 管業での出題傾向 宅建での出題傾向
用途制限 まれに出題 ほぼ毎年出題
建ぺい率・容積率 まれに出題 ほぼ毎年出題
防火・避難規定 毎年出題 まれに出題
耐震基準 毎年出題 まれに出題
給排水設備 毎年出題 出題なし
電気設備 2〜3年に1回 出題なし
消防設備 毎年出題 出題なし
エレベーター 2〜3年に1回 出題なし
建築確認 2〜3年に1回 2〜3年に1回

管理業務主任者試験の建築基準法・設備は、宅建とは異なるアプローチで出題されます。宅建では「用途制限」「建ぺい率・容積率」が中心ですが、管業では「防火・避難規定」「各種設備」が重視されます。設備に関する知識は管業固有の学習が必要です。

重複率の定量分析

管理業務主任者試験50問のうち、宅建の学習で対応可能な問題数を推定します。

分野 管業の出題数 宅建の知識で対応可能な問題数 追加学習が必要な問題数
民法 約8問 約6〜7問 約1〜2問
区分所有法 約7問 約3〜4問 約3〜4問
宅建業法関連 約1問 約1問 0問
都市計画法・建築基準法 約3問 約1〜2問 約1〜2問
借地借家法・不動産登記法 約2問 約2問 0問
マンション管理適正化法 約6問 0問 約6問
標準管理規約 約7問 0問 約7問
管理委託契約 約4問 0問 約4問
設備・構造 約7問 約1〜2問 約5〜6問
会計 約3問 約1問 約2問
その他 約2問 約1問 約1問
合計 約50問 約16〜21問 約29〜34問

宅建の知識だけで管業の50問中約16〜21問(約32〜42%)に対応できると推定されます。逆に言えば、管業固有の学習が必要な範囲は約30問分であり、この部分を集中的に学習することが効率的なダブル取得の鍵です。

同年ダブル受験の戦略

管理業務主任者と宅建の最大の魅力は、同年ダブル受験が非常に現実的であることです。宅建試験(10月第3日曜日)から管理業務主任者試験(12月第1日曜日)まで約6週間の間隔があり、この期間を有効活用すれば、効率的にダブル合格を狙えます。

試験日程の比較

資格 試験日 合格発表 試験間の間隔
宅建試験 10月第3日曜日 11月下旬
管理業務主任者試験 12月第1日曜日 翌年1月中旬 宅建から約6週間

同年ダブル受験のスケジュール

以下は1月から学習を開始し、同年の宅建・管業のダブル合格を目指すスケジュールです。

時期 学習内容 1日の学習時間 ポイント
1月〜2月 宅建の基礎学習(民法の基礎、宅建業法の序盤) 1.5〜2時間 民法は管業にも直結するため丁寧に
3月〜4月 宅建の本格学習(宅建業法、法令上の制限) 2時間 宅建業法を完璧にする
5月〜6月 宅建の応用学習(税その他、権利関係の深掘り)+区分所有法の深掘り 2〜2.5時間 区分所有法は管業を見据えて深めに学習
7月〜8月 宅建の過去問演習を本格化 2.5〜3時間 過去問で弱点を洗い出す
9月 宅建の仕上げ+模試 3時間 模試で合格ラインを確認
10月前半 宅建の直前対策 3時間 暗記事項の最終確認
10月第3日曜日 宅建試験本番
10月後半 管業の基礎学習開始(管理適正化法、標準管理規約) 3時間 宅建と重複しない範囲に集中
11月 管業の応用学習(標準管理委託契約書、設備、会計) 3〜4時間 過去問演習を並行して進める
11月後半 管業の過去問演習・模試 3〜4時間 合格ラインの確認
12月第1日曜日 管理業務主任者試験本番

必要学習時間の比較

学習パターン 宅建の学習時間 管業の学習時間 合計
宅建と管業を別々にゼロから学習 300〜500時間 200〜400時間 500〜900時間
同年ダブル受験(宅建ベース) 300〜500時間 100〜200時間 400〜700時間
節約時間 100〜200時間

同年ダブル受験の場合、管業の追加学習時間は100〜200時間程度で済みます。宅建試験後の約6週間で1日3時間学習すれば、約126時間(3時間 x 42日)を確保でき、十分に合格圏内に入ることが可能です。

同年ダブル受験の合格率

宅建と管業の同年ダブル受験を行った場合の合格率を、各試験の合格率から推定します。

シナリオ 宅建合格の確率 管業合格の確率 ダブル合格の確率
十分な準備をした場合 約50〜60% 約60〜70% 約30〜42%
宅建に十分な準備+管業は直前集中 約50〜60% 約40〜50% 約20〜30%
準備不足の場合 約30% 約30% 約9%

十分な準備をすれば、約3人に1人がダブル合格を達成できる計算です。仮に宅建のみ合格した場合でも、翌年に管業だけを受験すればよく、1年のロスで済みます。

ダブル受験のリスクと対策

リスク 内容 対策
宅建の出来が悪く管業の学習に集中できない 宅建試験の手応えが悪いとモチベーションが下がる 宅建の結果に関係なく管業の学習を続ける覚悟を持つ
管業固有の範囲の学習が間に合わない 6週間では学習量が不足する可能性 宅建学習中から管業の参考書にも目を通しておく
疲労の蓄積 約11か月間の長期学習で疲労が蓄積 適度な休息を取りつつ、最後の6週間は集中モード
申込みの失念 管業の申込み期間(9月上旬〜下旬)を忘れる 宅建の学習に入る前に管業の受験申込みを済ませておく

管業固有の学習範囲を効率的に攻略する

同年ダブル受験の成否を分けるのは、宅建にはない管業固有の科目をいかに効率的に攻略するかです。

管業固有の主要科目と学習のポイント

1. マンション管理適正化法(約5〜7問)

マンション管理適正化法は管業試験の根幹をなす法律です。宅建における宅建業法に相当する科目であり、得点源にすべき分野です。

学習テーマ 出題頻度 学習のポイント
マンション管理業の登録制度 毎年出題 登録要件・欠格事由を正確に暗記
管理業務主任者の設置義務 毎年出題 30組合に1人以上の設置義務
重要事項の説明義務 毎年出題 宅建の35条書面との類似点・相違点を整理
管理委託契約書の記載事項 毎年出題 宅建の37条書面との類似点・相違点を整理
管理事務の報告 2〜3年に1回 報告の時期・方法を把握
財産の分別管理 毎年出題 管理組合の修繕積立金等の管理方法

宅建業法の知識がベースにあれば、管理適正化法の構造は比較的理解しやすいです。「登録」「設置義務」「重要事項説明」「書面交付」という枠組みが宅建業法と類似しているためです。

2. 標準管理規約(約5〜8問)

標準管理規約は国土交通省が定めたマンション管理規約のモデルであり、管業試験で頻出の分野です。

学習テーマ 出題頻度 学習のポイント
専有部分と共用部分の範囲 毎年出題 区分所有法との違いを意識
管理組合の業務範囲 毎年出題 標準管理規約32条を中心に
理事会の権限と運営 毎年出題 理事長・理事・監事の役割
総会の決議要件 毎年出題 普通決議と特別決議の区分
専有部分の用途制限 2〜3年に1回 住居専用規定、民泊への対応
修繕積立金の取扱い 毎年出題 管理費との区分、使途の制限
駐車場・バルコニーの使用 2〜3年に1回 専用使用権の概念

3. 管理委託契約・標準管理委託契約書(約3〜5問)

管理会社と管理組合の間で締結される管理委託契約に関する知識です。

学習テーマ 出題頻度 学習のポイント
管理委託契約の内容 毎年出題 事務管理業務、管理員業務、清掃業務、建物設備管理業務
契約の更新・解除 2〜3年に1回 更新手続きと解除の要件
管理会社の善管注意義務 2〜3年に1回 委任契約としての性質
免責条項 まれに出題 天災等の不可抗力による免責

4. 設備・構造(約5〜10問)

設備・構造は管業試験の中で最も暗記量が多い分野です。宅建にはほとんど出題されないため、ゼロから学ぶ必要があります。

学習テーマ 出題頻度 学習のポイント
給水設備 毎年出題 受水槽、高置水槽、増圧直結給水
排水設備 毎年出題 排水管、通気管、排水トラップ
電気設備 2〜3年に1回 受変電設備、幹線設備
消防設備 毎年出題 消火器、屋内消火栓、スプリンクラー
エレベーター 2〜3年に1回 定期点検、安全装置
コンクリート・鉄筋 毎年出題 中性化、ひび割れ、鉄筋のかぶり厚
防水工事 2〜3年に1回 屋上防水の種類(アスファルト、シート、塗膜)
長期修繕計画 毎年出題 修繕周期、修繕積立金の算定

設備・構造は暗記が中心ですが、過去問のパターンが限られているため、過去問を繰り返し解くことで効率的に得点できます。

5. 会計(約2〜3問)

管理組合の会計に関する出題です。簿記の知識があると有利ですが、なくても過去問対策で対応可能です。

学習テーマ 出題頻度 学習のポイント
仕訳の基本 毎年出題 管理費の収入・支出の仕訳
貸借対照表 2〜3年に1回 資産・負債・正味財産の構成
収支報告書 2〜3年に1回 収入の部・支出の部の構成
未収金・前受金 ほぼ毎年出題 管理費の滞納と前受けの処理

管業固有科目の学習時間配分

宅建試験後の約6週間(約126時間)の学習時間配分の目安です。

科目 学習時間 配分比率 優先度
マンション管理適正化法 約25時間 20% 最優先
標準管理規約 約30時間 24% 最優先
区分所有法の深掘り 約15時間 12%
管理委託契約 約15時間 12%
設備・構造 約25時間 20%
会計 約6時間 5%
過去問演習(総合) 約10時間 8% 最優先
合計 約126時間 100%

ダブル取得後のキャリアと年収

管理業務主任者と宅建のダブルライセンスを取得した後のキャリアパスと年収を具体的に見ていきます。

就職・転職での評価

ダブルライセンスは以下の業界・企業で高く評価されます。

業界・企業 評価のポイント 年収の目安
マンション管理会社(大手) 管業は必須、宅建は優遇資格 450〜650万円
マンション管理会社(中堅) ダブルライセンスは即戦力として評価 400〜550万円
マンションデベロッパー 販売と管理の両方を理解する人材として 500〜750万円
不動産仲介会社(マンション特化) マンション管理の知識が営業の差別化に 450〜700万円
不動産総合会社 幅広い不動産業務に対応できる人材として 450〜700万円

資格手当の比較

ダブルライセンスの場合、両方の資格手当を受け取れる企業もあります。

資格 資格手当の相場(月額) 年間の手当額
宅建士 10,000〜30,000円 12〜36万円
管理業務主任者 5,000〜15,000円 6〜18万円
ダブルライセンスの合計 15,000〜45,000円 18〜54万円

両方の資格手当が支給される企業に勤務すれば、年間18〜54万円の収入増になります。これは管業の学習にかけた時間と費用を十分に回収できる金額です。

将来的なトリプルライセンスの可能性

管理業務主任者と宅建のダブルライセンスを取得した後、さらにマンション管理士を追加してトリプルライセンスを目指す道もあります。

資格 試験日 合格率 追加学習時間の目安
宅建士 10月第3日曜日 15〜17% ー(ベース資格)
管理業務主任者 12月第1日曜日 20〜25% 100〜200時間
マンション管理士 11月最終日曜日 7〜9% 200〜300時間

管理業務主任者試験の合格者はマンション管理士試験の5問が免除されるため、管業合格後にマンション管理士を目指す場合のアドバンテージは大きいです。3資格を持つトリプルライセンスは、マンション関連業務で圧倒的な専門性を示すことができます。

理解度チェッククイズ

ここまでの内容を確認しましょう。

Q1. 管理業務主任者の設置義務として正しいものはどれか。

A. 事務所ごとに従業員5人に1人以上
B. 事務所ごとに管理組合30組合に1人以上
C. 事務所に最低2人以上
D. 設置義務はない

答えを見る **正解: B. 事務所ごとに管理組合30組合に1人以上** マンション管理適正化法により、マンション管理業者は事務所ごとに「管理事務の委託を受けた管理組合の数30組合に1人以上」の割合で、成年者である専任の管理業務主任者を設置しなければなりません。なお、宅建士の設置義務は「事務所ごとに従業員5人に1人以上」であり、基準が異なります。

Q2. 宅建試験から管理業務主任者試験までの間隔として最も近いものはどれか。

A. 約2週間
B. 約6週間
C. 約3か月
D. 約6か月

答えを見る **正解: B. 約6週間** 宅建試験は10月第3日曜日、管理業務主任者試験は12月第1日曜日に実施されるため、約6週間(42日前後)の間隔があります。この期間を活用して管業固有の範囲を集中学習すれば、同年ダブル合格を十分に狙えます。

Q3. 管理業務主任者試験の合格率として最も近いものはどれか。

A. 約7〜9%
B. 約15〜17%
C. 約20〜25%
D. 約30〜35%

答えを見る **正解: C. 約20〜25%** 管理業務主任者試験の合格率は概ね20〜25%で推移しており、宅建試験(15〜17%)よりも高い合格率です。宅建合格者にとっては試験範囲の重複もあるため、比較的取り組みやすい試験です。

Q4. 管理業務主任者の独占業務に含まれないものはどれか。

A. 管理委託契約に関する重要事項の説明
B. 管理委託契約書への記名
C. 管理事務に関する報告
D. 管理規約の作成

答えを見る **正解: D. 管理規約の作成** 管理規約の作成は管理業務主任者の独占業務ではありません。管理業務主任者の独占業務は、(1)管理委託契約に関する重要事項の説明、(2)重要事項説明書(72条書面)への記名、(3)管理委託契約書(73条書面)への記名、(4)管理事務に関する報告の4つです。管理規約の作成・改正はマンション管理士等の助言のもと管理組合が行う業務です。

Q5. 宅建合格者が管理業務主任者試験のために追加で必要な学習時間の目安はどれか。

A. 約30〜50時間
B. 約100〜200時間
C. 約300〜500時間
D. 約600〜1,000時間

答えを見る **正解: B. 約100〜200時間** 宅建試験と管理業務主任者試験は約32〜42%の出題範囲が重複しているため、宅建合格者は管業の追加学習を100〜200時間程度に抑えることができます。宅建試験後の約6週間で1日3時間学習すれば約126時間を確保でき、合格圏内に入ることが可能です。

まとめ

  • 管理業務主任者と宅建は試験範囲の約32〜42%が重複しており、宅建合格者なら追加学習100〜200時間で管業合格を十分に狙えるため、ダブル取得のコストパフォーマンスが最も高い組み合わせである
  • 宅建試験(10月)から管業試験(12月)まで約6週間の間隔があり、この期間に管理適正化法・標準管理規約・設備など管業固有の範囲を集中学習する同年ダブル受験戦略が現実的で効果的である
  • ダブルライセンスにより資格手当が年間18〜54万円増加するほか、マンション管理会社やデベロッパーでの市場価値が高まり、将来的にマンション管理士を加えたトリプルライセンスへの発展も見据えられる

よくある質問(FAQ)

Q. 管理業務主任者の宅建試験に対する5問免除はありますか?

A. いいえ、管理業務主任者試験の合格者が宅建試験で5問免除を受けることはできません。ただし逆に、管理業務主任者試験においてマンション管理士試験の合格者は5問免除を受けることができます。宅建試験の5問免除は、登録講習を修了した宅建業従事者のみが対象です。

Q. 管理業務主任者と宅建、どちらを先に取るべきですか?

A. 宅建を先に取ることを強くおすすめします。宅建の方が汎用性が高く、不動産業界全般で活用できます。また、宅建の民法・区分所有法・建築基準法の知識が管業の学習の土台になるため、学習効率の面でも宅建が先の方が有利です。さらに同年ダブル受験を目指す場合、宅建(10月)が先で管業(12月)が後という日程も、この順序を支持しています。

Q. マンション管理会社に勤務する場合、管理業務主任者と宅建のどちらが重要ですか?

A. マンション管理会社では管理業務主任者の方が直接的に必要とされます。管理業務主任者は設置義務があるため、有資格者は重宝されます。ただし、宅建も持っていれば入居者からの売買・賃貸の相談に対応できるなど、付加価値の高い人材として評価されます。昇進や待遇面でもダブルライセンスは有利です。

Q. 管理業務主任者試験の申込み時期はいつですか?

A. 管理業務主任者試験の申込み受付期間は例年9月上旬〜下旬です。同年ダブル受験を計画する場合は、宅建の学習に集中している時期と重なるため、申込みを忘れないように注意してください。試験日の約3か月前に申込みが締め切られるため、早めの手続きをおすすめします。

Q. 管理業務主任者の登録に実務経験は必要ですか?

A. 管理業務主任者の登録には、原則として2年以上の実務経験が必要です。ただし、実務経験がない場合は、国土交通大臣の登録を受けた登録実務講習を修了することで、2年以上の実務経験と同等の能力があると認められます。登録実務講習の費用は約2万円前後で、2日間の講習と修了試験で構成されています。この点は宅建士の登録実務講習と似た制度です。

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