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宅建試験の受験者データ|受験者数・合格率・年齢・職業別

試験対策・勉強法 読了 約26分

令和7年度の宅建試験は申込306,099人・受験245,462人・合格45,821人・合格率18.7%。不動産適正取引推進機構の公表資料だけを使い、男女別・年代別・職業別の数値と読み方を整理します。

目次

    本記事の役割 — この記事は宅建試験の受験者データを、一般財団法人不動産適正取引推進機構の公表資料だけを使って整理し、その数字が学習計画にとって何を意味するかまで踏み込みます。
    合格率そのものの推移は宅建試験の合格率推移、合格点の決まり方は宅建試験の合格ライン推移、他資格との難易度比較は宅建試験の難易度と合格率を参照してください。

    宅建試験(宅地建物取引士資格試験)は、年間24万人以上が受験する日本最大級の国家資格試験です。どんな人が受けていて、どのくらいの人が受かっているのかは最初に気になるところでしょう。しかしこのテーマは、出典のはっきりしない数字が大量に流通している分野でもあります。「合格者の平均年齢は35歳前後」「20代が何割」といった記述が、根拠を示さないまま孫引きで広がっています。

    本記事では、試験を実施する一般財団法人不動産適正取引推進機構の公表資料に載っている数値だけを扱います。掲載した数値には、どの資料の、どの年度の、いつ公表されたものかを添えました。逆に、公表資料で確認できなかった数値は書いていません。

    先に結論を述べます。令和7年度(2025年度)試験は申込者306,099人、受験者245,462人、合格者45,821人、合格率18.7%でした。合格率が直近10年で15.4%から18.7%の範囲に収まっているのは、試験が相対評価で運用されているためです。男女別・年代別・職業別のデータには数ポイントの差がありますが、いずれも合否を左右する大きさではありません。属性を気にする時間があれば、学習時間を確保するほうが結果に直結します。

    令和7年度(2025年度)試験の実施結果

    まず、いま基準にすべき最新の確定値を確認します。以下の数値はすべて、不動産適正取引推進機構「令和7年度宅地建物取引士資格試験結果の概要」(令和7年11月26日公表)によります。

    実施概要と申込者数

    令和7年度試験は令和7年10月19日(日)に、47都道府県257会場で実施されました。試験日が10月の第3日曜日である点は例年どおりです。次年度の日程は2026年度宅建試験の日程にまとめています。

    申込者数は306,099人(男性196,693人、女性109,406人)でした。このうち登録講習を修了して5問免除を受ける人は56,922人(男性35,193人、女性21,729人)で、申込者全体の約18.6%、およそ5人に1人が免除制度を使っている計算になります。30万人という規模は国家資格試験としては最大級で、受験資格に年齢・学歴・国籍・職業の制限が一切ないことがこれを支えています。申込みの手順は宅建試験の申し込みと当日の流れで扱っています。

    受験者数と受験率

    受験者数は245,462人(男性156,334人、女性89,128人)でした。申込者306,099人に対する受験率は80.2%です。男女別では男性79.5%、女性81.5%となっています。

    登録講習修了者に限ると、受験者50,920人(男性31,386人、女性19,534人)、受験率は89.5%(男性89.2%、女性89.9%)でした。免除制度を使う人の受験率は全体より9ポイント以上高く、費用と時間をかけて講習を修了した人ほど当日欠席しにくい、という素直な読み方ができます。

    申込者と受験者の差は60,637人です。約6万人が、申し込んだにもかかわらず試験を受けていません。

    合格者数・合格率・合格判定基準

    合格者数は45,821人(男性28,331人、女性17,490人)、合格率は18.7%(男性18.1%、女性19.6%)でした。このうち登録講習修了者は12,316人(男性7,276人、女性5,040人)で、修了者に限った合格率は24.2%(男性23.2%、女性25.8%)です。合格者の平均年齢は36.2歳(男性36.4歳、女性35.9歳)でした。

    合格判定基準は50問中33問以上、登録講習修了者は45問中28問以上の正解です。33点という水準は、直近10年で見ると低い部類に入ります。合格点がどう決まるのかは宅建試験の合格ライン推移で詳しく扱っています。

    令和8年度(2026年度)の受付状況

    不動産適正取引推進機構「令和8年度宅地建物取引士資格試験 受付状況【速報値】」(令和8年8月25日)によると、令和8年度の申込者数は307,254人(一般受験者249,092人、登録講習修了者58,162人)で、前年度比1,155人増(0.4%増)でした。受付区分別ではインターネット受付が293,193人、郵送受付が14,061人です。

    ただしこれは速報値であり、確定した受験者数・合格者数・合格率は令和8年11月下旬に公表される結果概要を待つ必要があります。現時点で令和8年度の合格率や合格点を語ることはできません。

    過去10年の受験者数と合格率の推移

    単年度の数字だけでは傾向がわかりません。不動産適正取引推進機構「試験実施概況(令和7年度以前10年間)」に基づいて推移を確認します。

    年度別の申込者数・受験者数・合格者数

    申込者数、受験者数、合格者数、合格率、合格基準点(かっこ内は登録講習修了者の基準点)を年度順に並べます。

    • 平成28年度:245,742人/198,463人/30,589人/15.4%/35点(30点)
    • 平成29年度:258,511人/209,354人/32,644人/15.6%/35点(30点)
    • 平成30年度:265,444人/213,993人/33,360人/15.6%/37点(32点)
    • 令和元年度:276,019人/220,797人/37,481人/17.0%/35点(30点)
    • 令和2年度10月:204,163人/168,989人/29,728人/17.6%/38点(33点)
    • 令和2年度12月:55,121人/35,261人/4,610人/13.1%/36点(31点)
    • 令和3年度10月:256,704人/209,749人/37,579人/17.9%/34点(29点)
    • 令和3年度12月:39,814人/24,965人/3,892人/15.6%/34点(免除実施なし)
    • 令和4年度:283,856人/226,048人/38,525人/17.0%/36点(31点)
    • 令和5年度:289,096人/233,276人/40,025人/17.2%/36点(31点)
    • 令和6年度:301,336人/241,436人/44,992人/18.6%/37点(32点)
    • 令和7年度:306,099人/245,462人/45,821人/18.7%/33点(28点)

    令和2年度と令和3年度が10月試験と12月試験に分かれているのは、新型コロナウイルス感染症の影響で会場の収容人数が制限され、一部の受験者が12月試験に振り分けられたためです。12月試験の合格率が低く出ているのは受験者層が異なるためと考えられ、通常の年度と比較するときは10月試験の数値を使うのが実態に近い扱いです。

    受験者数は増加し、合格率の水準は切り上がった

    2つの傾向が読み取れます。第一に、受験者数は増加しているという点です。平成28年度の198,463人から令和7年度の245,462人まで、10年で約4万7千人、率にして約24%増えました。国家資格試験の受験者数が長期に減少する例が多いなかで、明確な増加基調にあります。

    第二に、合格率の水準が切り上がっているという点です。平成28年度から平成30年度までは15%台でしたが、令和元年度以降は17%台から18%台で推移しています。なぜ切り上がったのかについて公表資料は説明していないため、事実として水準が上がったことを押さえるにとどめます。

    合格基準点は合格率とは別の動きをする

    上の一覧ではっきりするのが、合格率と合格基準点は連動しないという事実です。令和6年度は合格率18.6%で基準点37点、令和7年度は合格率18.7%で基準点33点でした。合格率はほとんど動いていないのに基準点は4点下がっています。令和2年度10月試験(17.6%で38点)と令和3年度10月試験(17.9%で34点)も同様です。

    これは、基準点が問題の難易度を映す指標であって、合格の難しさを映す指標ではないことを意味します。問題が易しければ全体の得点が上がるので、同じ合格率を出すには基準点を高くするしかありません。ここを誤解すると学習計画を誤ります。「令和7年度は33点だったから今年も33点を目標に」という考え方は危険で、翌年の問題が易しければ37点や38点が必要になります。

    合格率が一定の幅に収まる仕組み

    なぜ合格率は毎年15%から19%の狭い範囲に収まるのか。ここを理解しないとデータを読み違えます。

    相対評価とは何を指すのか

    宅建試験の合否は、あらかじめ決められた点数を超えたかどうかではなく、その年の受験者のなかで上位に入ったかどうかで決まります。合格発表と同時に「本年度の合格判定基準は50問中33問以上」と公表されるのは、試験実施後に得点分布を見てから基準点が決められているからです。事前に何点で合格と告知されているわけではありません。宅地建物取引業法16条は試験の内容を定めていますが、合格点を何点にするかは法定されていません。

    受験者全体の実力が上がっても合格率は上がらない

    相対評価の帰結として重要なのは、受験者全体の学習水準が上がっても、合格率は上がらないという点です。

    仮に来年、全受験者が今年より平均3点多く得点したとします。それでも合格者数を同程度に保つなら基準点を3点上げるだけで、合格率は変わりません。逆に全受験者の得点が下がっても、基準点を下げれば合格率は保たれます。

    これは受験生にとって無視できない意味を持ちます。教材が良くなっても、動画講義が普及しても、あなたが上位18%前後に入らなければ合格しないという構造は変わりません。他の受験者も同じ教材を使えるからです。「最近は受かりやすくなった」と考えるのではなく、「相対的な位置を上げる方法は何か」と考えるほうが実りがあります。学習の全体像は宅建に独学で合格するにまとめています。

    「6割取れれば受かる」という誤解

    宅建試験について「6割取れれば合格」と言われることがあります。50問の6割は30点ですが、直近10年の合格基準点は最も低い令和7年度で33点、最も高い令和2年度10月試験で38点でした。30点で合格した年は10年間にひとつもありません。

    6割という表現は、他の資格試験の合格基準(絶対評価で60%以上)から連想されたものでしょう。宅建試験には当てはまりません。50問中33点は66%、38点は76%ですから、目標を置くなら7割ではなく8割前後を意識すべきということになります。科目ごとの目標点の置き方は宅建の科目別攻略法で扱っています。

    申込者数と受験者数の差が示すもの

    令和7年度は申込者306,099人に対し受験者245,462人で、60,637人が受験していません。受験率という指標は、受験生自身の行動を映す鏡として読む価値があります。

    受験率は80%前後で安定している

    令和7年度の受験率は80.2%、令和6年度は80.1%でした(不動産適正取引推進機構「令和6年度宅地建物取引士資格試験結果の概要」令和6年11月26日公表)。過去の申込者数と受験者数から計算しても、平成28年度から令和5年度までのいずれの年度も79%台後半から81%台に収まります。毎年、申し込んだ人の約5人に1人が試験会場に来ないという状態が、10年近く安定して続いているということです。

    属性によって受験率は違う

    受験率は全体で80%前後ですが、属性別には差があります。令和7年度の男女別は男性79.5%、女性81.5%で、令和6年度も男性79.4%、女性81.4%と同じ傾向でした。登録講習修了者の受験率は令和7年度89.5%、令和6年度89.1%で、全体より9ポイント前後高くなっています。

    年代別の受験率は、機構の機関誌『RETIO』NO.136(2025年冬号)掲載の「令和6年度宅地建物取引士資格試験の結果について」(試験部)に載っています。令和6年度は20歳未満85.6%、20代80.5%、30代78.4%、40代79.4%、50代81.2%、60歳以上82.7%で、最も低いのが30代、最も高いのが20歳未満でした。

    30代と40代が80%を下回っている点は示唆的です。仕事の責任が重くなり子育て期にも重なりやすい年代で当日欠席が増える、という読み方は自然でしょう。逆に学生層とシニア層は時間の融通が利きやすいぶん受験率が高いと考えられます。

    6万人の欠席が意味すること

    欠席の理由は公表されていません。ただ、申込みを済ませた時点では30万人のなかにいるが、試験当日には24万人に減るという事実は使えます。会場に足を運ぶだけで申込者の上位80%には入っているということであり、逆に学習が間に合わないと感じて受験を見送るのは、6万人が毎年している選択です。1年先送りすれば翌年また同じ判断を迫られかねません。学習が続かない原因の整理は宅建に落ちる原因、計画の立て方は宅建の勉強スケジュール表を参照してください。

    男女別のデータ

    属性別データのうち、最も長く継続的に公表されているのが男女別の数値です。

    令和7年度の男女別数値

    令和7年度は、申込者が男性196,693人・女性109,406人、受験者が男性156,334人・女性89,128人、合格者が男性28,331人・女性17,490人でした。合格率は男性18.1%、女性19.6%です。受験者に占める女性の割合は約36.3%、合格者では約38.2%(いずれも公表値から計算)で、受験者の構成比より合格者の構成比のほうが女性の比率が高いという関係になっています。

    女性の合格率が男性を上回るのは例年どおり

    令和6年度は男性17.8%、女性20.1%で女性が2.3ポイント上回り、令和7年度は男性18.1%、女性19.6%で差は1.5ポイントでした。『RETIO』NO.136の記事は「女性の合格率が男性を上回るのは例年どおり」と明記しており、単年度の偶然ではなく継続している傾向だとわかります。

    また同記事によれば、令和6年度の合格者の男女構成比は男性60.9%・女性39.1%で、女性が30%を超えるのは11年連続、かつ過去最高の水準でした。女性の受験動機やキャリアとの結びつきは女性の宅建取得で扱っています。

    この差をどう解釈すべきか

    注意したいのは、この数ポイントの差から「女性のほうが宅建試験に向いている」と結論づけることはできないという点です。公表されているのは受験者数と合格率という結果だけで、学習時間や受験回数のデータはありません。差がどの要因によって生じているのかは判定できません。1.5ポイントから2.3ポイントの差は、個人の合否には影響しません。性別を理由に有利・不利を考えるのは、時間の使い方として合理的ではありません。

    年齢のデータ

    年齢は、平均年齢と年代別の内訳の両方が公表されています。

    合格者の平均年齢は36.2歳

    令和7年度の合格者の平均年齢は36.2歳(男性36.4歳、女性35.9歳)、令和6年度は35.9歳(男性36.2歳、女性35.4歳)でした。ただしこの数字を「合格者は30代半ばが中心」と読むのは正確ではありません。平均年齢は分布の代表値のひとつにすぎず、20代と50代の両方に厚みがあれば平均は30代半ばになります。

    機構の機関誌『RETIO』NO.136(2025年冬号)掲載の「令和6年度宅地建物取引士資格試験の結果について」(試験部)によると、令和6年度の申込者・受験者の平均年齢はいずれも37.3歳(男性37.8歳、女性36.5歳)で、合格者の35.9歳より1.4歳高い水準でした。同記事はこれを「例年と違いはない」と記述しています。若い層の合格率がやや高いことの裏返しです。

    年代別の合格率(令和6年度)

    『RETIO』NO.136は、令和6年度の年代別データを公表しています。申込者の年代別内訳は、20歳未満6,403人(構成比2.1%)、20代100,566人(同33.4%)、30代72,463人(同24.0%)、40代59,584人(同19.8%)、50代46,203人(同15.3%)、60歳以上16,117人(同5.3%)でした。同記事によれば、かつて70%強を占めていた20代・30代は令和に入って6年連続で60%を割っています。受験者層は長期的に高齢化しているということです。

    合格者の年代別内訳と合格率は、20歳未満739人(構成比1.6%)で13.5%、20代16,522人(同36.7%)で20.4%、30代11,815人(同26.3%)で20.8%、40代8,449人(同18.8%)で17.9%、50代5,842人(同13.0%)で15.6%、60歳以上1,625人(同3.6%)で12.2%でした。合格率が最も高いのは30代、次いで20代です。合格者数が最も多いのは20代で、同記事によれば20代が最多という状態は平成25年度から12年連続です。

    40代・50代の合格率が20代・30代より低いのは事実ですが、差は3から5ポイントです。40代の17.9%は全体の18.6%とほとんど変わらず、50代の15.6%も10年前の試験全体の合格率(平成28年度15.4%)と同水準です。年代が上がると受からない試験ではありません。40代以降の学習の進め方は40代・50代の宅建挑戦、定年後の取得は定年後の宅建取得、学生の受験は大学生の宅建取得を参照してください。

    最年少と最年長

    『RETIO』NO.136は年齢の両端も示しています。令和6年度の18歳未満は申込者637人、受験者560人、合格者32人、合格率5.7%で、同年度の最年少合格者は男性14歳(東京)、女性13歳(兵庫)、過去の記録は男性10歳、女性12歳です。65歳以上は申込者6,775人、受験者5,675人、合格者571人、合格率10.1%で、最年長合格者は男性82歳(東京)、女性79歳(兵庫)、過去の記録は男性90歳、女性80歳でした。

    10歳の合格者も90歳の合格者も実在するという事実は、受験資格に制限がないことの具体的な帰結です。ただし合格率は5.7%、10.1%と低く、年齢の両端では合格率が下がることもあわせて押さえておくべきです。

    職業別のデータと地域別のデータ

    職業別の構成比は出典不明の数字が出回りやすい項目ですが、実際には公表されています。

    令和7年度の合格者の職業別構成比

    「令和7年度宅地建物取引士資格試験結果の概要」は、合格者の職業別構成比を不動産業33.2%、金融業8.1%、建設業8.7%、他業種27.9%、学生10.9%、その他11.3%と示しています。令和6年度は不動産業30.6%、金融業9.0%、建設業8.9%、他業種28.6%、学生11.4%、その他11.5%でした。なお同資料には「昨年度より『主婦』はその他に含んでいる」との注記があり、令和6年度から分類が変わっている点に注意が必要です。

    不動産業以外が全体の3分の2を占めるという点は、押さえておく価値があります。不動産業界で働いていないと不利、という話ではありません。未経験からの受験については未経験から宅建に合格するで扱っています。

    不動産業従事者の合格率は高くない

    より示唆的なのは職業別の合格率です。『RETIO』NO.136によると、令和6年度は、その他21.5%、他業種21.0%、金融業19.7%、学生19.6%、不動産業17.5%、建設業13.0%でした。不動産業従事者の合格率17.5%は、全体の18.6%を下回っています。同記事も、令和6年度は不動産業の合格率が前年から0.7ポイント下がり、他業種・金融業・学生より下位になったと記述しています。

    実務経験があれば有利になりそうに思えますが、データはそうなっていません。理由は公表されていません。宅建試験で問われるのは条文と要件の正確な知識であり実務の慣行とは必ずしも一致しないこと、業務に従事しながらの学習は時間の確保が難しいことなどが考えられますが、いずれも推測の域を出ません。なお建設業の13.0%は6職種で最も低く、他の職種と5ポイント以上の差があります。業界に近いことが合格に直結するわけではないという点を、データは明確に示しています。銀行員など金融業からの受験については銀行員の宅建取得、建設業からの受験については建設業と宅建で扱っています。

    地域別の差は読み込みすぎない

    同じ結果概要には都道府県別の総括表も付いています。申込者数が多いのは東京66,926人、大阪28,622人、神奈川28,118人の順で、一都三県(東京・埼玉・千葉・神奈川)を合計すると133,107人、申込者全体の約43%を占めます。合格率は石川20.9%から熊本・鹿児島・山梨の15.0%まで開きがありますが、問題も合格基準点も全国一律なので、この差は受験者層の違いによるものです。しかも石川県の受験者は1,582人、鳥取県は524人と母数が小さく、令和6年度は高知が最上位だったように顔ぶれは毎年入れ替わります。地理的な制約を受けにくい学習環境については宅建のオンライン学習で扱っています。

    • 令和7年度の合格者は不動産業33.2%、他業種27.9%、その他11.3%、学生10.9%、建設業8.7%、金融業8.1%。
    • 令和6年度の職業別合格率は不動産業17.5%で全体を下回る。建設業13.0%が最低。

    5問免除の登録講習修了者と一般受験者

    属性別データで合格率の差が最も大きいのは、免除制度の有無です。

    令和7年度の数値

    令和7年度の登録講習修了者は、申込者56,922人、受験者50,920人、受験率89.5%、合格者12,316人、合格率24.2%で、全体の18.7%より5.5ポイント高い水準でした。一般受験者の数値は結果概要に直接示されていませんが、全体から差し引くと受験者194,542人、合格者33,505人、合格率は約17.2%と計算できます。

    令和6年度は結果概要が一般受験者の数値を直接示しており、受験者192,099人、合格者34,170人、合格率17.8%、登録講習修了者は合格率21.9%で、差は4.1ポイントでした。令和6年度の差が4.1ポイント、令和7年度が約7ポイントと年によって変動するため、ひとつの年度の数字だけで判断しないことが大切です。

    5問免除は何点分の有利か

    登録講習を修了すると、宅地建物取引業法16条3項に基づき試験の一部(例年は問46から問50までの5問)が免除され、45問を解答して45問中の点数で合否が判定されます。ここで重要なのは、免除は5問を満点扱いにするのではなく、母数から5問を除いたうえで基準点も下げる仕組みだという点です。令和7年度は一般受験者が50問中33問以上、登録講習修了者が45問中28問以上で、33から5を引くと28になります。

    したがって、免除の実質的な有利さは「免除5問のうち、自分が落としたであろう問題数」に等しくなります。一般受験者が免除科目5問で平均3.5点取るとすれば、免除の価値は1.5点程度です。免除科目の得点戦略は免除科目5問の攻略法、制度の要件は5問免除制度の基本で扱っています。

    合格率の差は制度だけでは説明できない

    免除の価値が1点から2点程度だとすると、合格率が4ポイントから7ポイント違うことは説明がつきません。この差の相当部分は受験者層の違いによると考えるのが自然です。登録講習を受けられるのは宅地建物取引業に従事し従業者証明書を持っている人に限られるため、修了者は全員が業界従事者で、会社が講習費用や受験料を負担しているケースも多いと考えられます。受験率89.5%という高さもこの読み方と整合します。

    ただし、職業別に見ると不動産業従事者の合格率は全体を下回っています(令和6年度17.5%)。業界従事者だから受かりやすいわけではありません。登録講習修了者の合格率が高いのは、業界従事者のなかでも講習を修了するだけの準備をした層だからだと考えるほうが、データと整合します。

    免除を使えない人はどう考えるか

    登録講習は宅建業に従事していないと受けられないため、多くの受験者にとっては選択肢になりませんが、気にする必要はありません。免除の実質的な価値が1点から2点であること、一般受験者だけで年間3万人以上が合格していること(令和6年度は34,170人)を考えれば、免除の有無で合否が決まらないことは明らかです。免除科目の5問は統計・土地建物・住宅金融・景品表示法・住宅瑕疵担保履行法から出題され、範囲が狭く得点しやすい部類に入ります。統計問題の対策は2026年の宅建統計数値まとめにまとめました。

    • 令和7年度の登録講習修了者は合格率24.2%、一般受験者は約17.2%(差引計算)。
    • 免除は基準点も5点下がるため、実質的な有利さは1点から2点程度。
    • 合格率の差の大半は受験者層の違い。免除の有無で合否は決まらない。

    データを自分の学習計画に落とす

    ここまでのデータを実際の学習にどう使うかを整理します。

    属性別データから自分の合否は予測できない

    属性別データの差はすべて数ポイント以内です。男女差が1.5から2.3ポイント、年代差が最大でも8ポイント程度(30代20.8%と60歳以上12.2%)、職業別の差が最大8.5ポイント程度(その他21.5%と建設業13.0%)にとどまります。学習時間による得点差はこれよりはるかに大きくなります。「自分の属性は不利か」という問いは、答えが出ても行動が変わらない問いです。

    使える数字は3つ

    学習計画に直接影響する数字は3つに絞れます。第一に、合格率18.7%という水準。5人に1人以下しか受からない試験だと理解するために使います。第二に、合格基準点の幅(直近10年で33点から38点)。33点を目標にすると問題が易しい年に届かないため、目標点は幅の上限を基準にします。第三に、受験率80.2%という数字。申し込んでも2割は受けないからこそ、申込みを先に済ませて自分を締切に縛る使い方ができます。

    目標点と学習時間の置き方

    目標設定はこうなります。合格基準点の上限である38点前後を目標とし、配点の大きい科目から固める。宅建業法20問、権利関係14問、法令上の制限8問、税・その他8問(免除科目5問を含む)という配点のなかで、宅建業法をほぼ落とさない状態にするのが最も効率的です。科目別の目標点は宅建の科目別攻略法に整理しています。

    学習時間については公表資料に基づく数値が存在せず、試験機関が学習時間を調査・公表しているわけではないため、本記事では特定の時間数を断定しません。学習時間の考え方は宅建の勉強時間、社会人の時間確保は社会人の宅建合格で扱っています。

    再受験を考えるときのデータの使い方

    不合格だった場合も、受験者データは冷静な判断材料になります。ただし基準点との差を年をまたいで比較するときは問題の難易度差を考慮する必要がある点に注意してください。令和6年度に35点で不合格だった人が、令和7年度の33点を見て「今年なら受かっていた」と考えるのは誤りです。再受験の戦略は宅建の再受験戦略を参照してください。

    試験での出題ポイント

    受験者データそのものが試験に出るわけではありませんが、このテーマの周辺には出題される論点があります。

    受験者データと問48の統計は別物

    例年 問48 で出題される統計問題は、新設住宅着工戸数、地価公示、宅地建物取引業者数、不動産業の売上高、空き家の状況などを扱います。宅建試験自体の受験者数や合格率が問48で問われることはありません。混同しやすいのは宅地建物取引業者数と宅建士の登録者数で、これらは国土交通省「宅地建物取引業法の施行状況調査結果」で公表される問48の対象です。受験者データを公表しているのは不動産適正取引推進機構であり、発表元も資料も異なります。問48で押さえるべき数値は2026年の宅建統計数値まとめに整理しました。

    5問免除の根拠は宅建業法16条3項

    免除制度そのものは宅建業法の出題範囲です。宅地建物取引業法16条3項は、国土交通大臣の登録を受けた者が実施する講習(登録講習)を修了した者について、その修了の日から3年以内に行われる試験において試験の一部を免除すると定めています。問われやすいのは「修了の日から3年以内」という期間で、有効期間を過ぎれば免除は受けられません。免除の対象が宅地建物取引業に従事している者に限られる点も、選択肢に組み込まれやすい箇所です。

    合格後の登録要件も出題される

    試験に合格しただけでは宅地建物取引士にはなれません。宅建業法18条1項は、試験に合格した者で2年以上の実務経験を有するものなどが登録を受けることができると定めており、実務経験が2年に満たない場合は登録実務講習の修了で要件を満たします。出題では「合格すれば宅地建物取引士である」「合格後すぐに取引士証の交付を受けられる」といった記述が誤りとして出てきます。登録の手続きは宅建士の登録手続きで扱っています。

    合格、登録、取引士証の交付という3段階の区別を含め、全体の出題傾向は宅建試験の出題傾向にまとめています。

    覚え方・整理の仕方

    受験者データは暗記の対象ではありませんが、人に説明できる程度に整理しておくと学習計画の判断が早くなります。

    「30万・24万・4.5万」の三段構え

    令和7年度の数字は、申込30万人、受験24万人、合格4.5万人という3つの階層で覚えます。正確な人数を暗記するより実用的です。この3つの関係から、受験率が約8割、合格率が約2割弱という比率が自動的に出てきます。「申し込んだ人の8割が受けて、受けた人の2割弱が受かる」という一文にまとめられれば十分です。

    「33から38」の幅で持つ

    合格基準点は単年度の数値ではなく幅で覚えます。直近10年の下限が33点(令和7年度)、上限が38点(令和2年度10月試験)です。「今年は何点になるか」を予想するのではなく、「38点を取れる状態にしておけばどの年でも受かる」と考えるほうが実務的です。

    属性別は「差は数ポイント」で一括

    男女別、年代別、職業別、地域別のデータは、個々の数値を覚える必要はありません。「どの属性で切っても差は数ポイント以内」という結論だけで足ります。ひとつだけ覚える価値があるのは、不動産業従事者の合格率が全体を下回っているという事実です(令和6年度17.5%対全体18.6%)。業界経験の有無が合否を決めないという、直感に反する事実だからです。

    公表カレンダーで押さえる

    申込受付は例年7月、試験は10月の第3日曜日、合格発表は11月下旬で、結果概要は合格発表と同日に公表されます。年代別・職業別の詳細は機構の機関誌『RETIO』の冬号(例年2月頃)に掲載されます。このカレンダーを知っておくと、いま見ている数字が最新かを自分で判定できます。8月に「今年の合格率」を語る記事があれば、それは公表値ではありません。

    最後に、覚え方というより読み方の姿勢をひとつ。公表されているのは結果の数値だけで、その理由は公表されていません。女性の合格率がなぜ高いのか、不動産業従事者の合格率がなぜ低いのかを機構は説明していません。「何が起きているか」と「なぜ起きているか」を分けて扱い、前者だけを確かな情報として扱ってください。

    理解度チェッククイズ

    Q1. 令和7年度の宅建試験の合格率は18.7%で、合格判定基準は50問中30問以上であった。(○か×か)

    答えを見る ×:合格率18.7%は正しいですが、合格判定基準は50問中**33問以上**(登録講習修了者は45問中28問以上)でした。直近10年の合格基準点は33点から38点の範囲にあり、30点で合格した年度はありません(出典:不動産適正取引推進機構「令和7年度宅地建物取引士資格試験結果の概要」令和7年11月26日公表)。

    Q2. 宅建試験は相対評価で運用されているため、受験者全体の得点が上がっても合格率は大きくは上がらない。(○か×か)

    答えを見る ○:合格判定基準は試験実施後に得点分布を踏まえて決められ、合格発表と同時に公表されます。受験者全体の得点が上がれば基準点も上がるため、直近10年の合格率は15.4%(平成28年度)から18.7%(令和7年度)の範囲に収まっています(出典:不動産適正取引推進機構「試験実施概況(令和7年度以前10年間)」)。

    Q3. 令和6年度の職業別の合格率を見ると、不動産業に従事している合格者の合格率は全体の合格率を上回っていた。(○か×か)

    答えを見る ×:令和6年度の職業別合格率は、その他21.5%、他業種21.0%、金融業19.7%、学生19.6%、不動産業17.5%、建設業13.0%でした。**不動産業の17.5%は全体の18.6%を下回っています**(出典:不動産適正取引推進機構『RETIO』NO.136 2025年冬号「令和6年度宅地建物取引士資格試験の結果について」試験部)。

    Q4. 登録講習を修了して5問免除を受けると、免除された5問は満点として扱われるため、一般受験者より5点分有利になる。(○か×か)

    答えを見る ×:免除を受けた人は45問を解答し、合格判定基準も45問中の点数で示されます。令和7年度は一般受験者が50問中33問以上、登録講習修了者が45問中28問以上で、基準点も5点下がっています。実質的な有利さは「免除される5問のうち自分が落としたであろう問題数」にとどまり、1点から2点程度です(出典:同上、および宅地建物取引業法16条3項)。

    よくある質問

    Q. 年齢が高いと不利になりますか。

    令和6年度の年代別合格率は、30代20.8%、20代20.4%、40代17.9%、50代15.6%、60歳以上12.2%でした。年代が上がるほど合格率が下がる傾向はありますが、40代は全体の18.6%とほぼ同水準です。差は数ポイントにとどまり、学習時間の確保状況のほうが結果への影響ははるかに大きいと考えられます。

    Q. 年齢層別や職業別のデータは公表されているのですか。

    されています。合格発表と同日に公表される「結果の概要」には合格者の平均年齢と職業別構成比が、機構の機関誌『RETIO』の冬号には年代別・職業別の詳細な内訳が掲載されます。ただし出典を示さない構成比も多く流通しているため、数字を見たときは発表元と年度を確認してください。

    Q. 令和8年度(2026年度)の合格率はどのくらいになりますか。

    現時点では誰にもわかりません。令和8年8月25日時点で公表されているのは申込者数の速報値307,254人だけで、受験者数・合格者数・合格率・合格基準点は令和8年11月下旬の合格発表まで公表されません。相対評価で運用されている以上、合格率が直近10年の範囲(15%台から18%台)から大きく外れる可能性は低いと考えられますが、これは推測です。

    Q. 申し込んだけれど間に合いそうにありません。受けないほうがよいですか。

    毎年約6万人が申込後に欠席していますが、受験しないと自分の位置がわかりません。会場に行けば、実際の問題の質と時間配分を体験できます。次年度に向けた最大の情報源になるという意味で、受験する価値は十分にあります。

    まとめ

    1. 令和7年度の確定値を押さえる。 申込者306,099人、受験者245,462人、受験率80.2%、合格者45,821人、合格率18.7%、合格判定基準は50問中33問以上(登録講習修了者は45問中28問以上)、合格者の平均年齢36.2歳(出典:不動産適正取引推進機構「令和7年度宅地建物取引士資格試験結果の概要」令和7年11月26日公表)。

    2. 合格率は相対評価の結果であり、合格基準点とは連動しない。 直近10年の合格率は15.4%から18.7%、合格基準点は33点から38点の範囲で動いています。基準点が低い年は問題が難しかった年であって、合格が楽だった年ではありません。目標点は基準点の上限である38点前後に置くのが安全です。

    3. 属性別の差はすべて数ポイント以内で、合否を決めない。 男女差は1.5から2.3ポイント、年代差は最大でも8ポイント程度、職業別では不動産業従事者の合格率が全体を下回っています(令和6年度17.5%対18.6%)。登録講習修了者の合格率は高いものの、免除の実質的な価値は1点から2点です。

    4. 公表されていない数字は書かない、信じない。 学習時間の統計や、合格率が上がった理由についての説明は公表されていません。出典と年度が示されていない数値は、根拠のない孫引きである可能性を疑ってください。

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