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印紙税の課税文書一覧|記載金額と税額の速算表

印紙税の課税文書一覧と税額の速算表を掲載。不動産売買契約書・建設工事請負契約書の印紙税額を整理し、宅建試験の出題ポイントを解説します。

印紙税は、宅建試験の税分野で出題される国税の一つです。契約書や領収書などの文書を作成した際に課税される税金で、不動産取引では高額な印紙税が必要になる場面が多くあります。本記事では、宅建試験で問われる課税文書の種類、記載金額と税額の関係、非課税文書の判定ポイントを速算表付きで整理します。

印紙税の基本

印紙税とは

印紙税は、印紙税法で定められた「課税文書」を作成した場合に課税される国税です。

項目 内容
課税主体 国(国税)
納税義務者 課税文書の作成者
課税物件 印紙税法別表第一に掲げる課税文書
納付方法 収入印紙を文書に貼付し消印

別表第一の課税物件の欄に掲げる文書のうち、同表の非課税物件の欄に掲げる文書以外の文書は、この法律により印紙税を課する。
――印紙税法第2条

課税文書の判定

文書が課税文書に該当するかは、以下の要件で判定します。

  1. 印紙税法別表第一に掲げる文書に該当すること
  2. 当該文書が非課税文書に該当しないこと
  3. 文書の名称ではなく実質的な内容で判定すること

たとえば、「合意書」「覚書」という名称であっても、内容が不動産の売買契約に関するものであれば課税文書に該当します。

納税義務者

課税文書を作成した者が納税義務者です。2人以上が共同して作成した場合は、連帯して納付義務を負います。

不動産取引に関連する課税文書と税額

第1号文書:不動産売買契約書等

不動産の売買契約書は第1号文書に該当します。記載金額に応じた印紙税額は以下のとおりです。

不動産売買契約書の印紙税額(軽減税率適用・2027年3月31日まで)

記載金額 本則税額 軽減税額
1万円未満 非課税 非課税
1万円以上10万円以下 200円 200円
10万円超50万円以下 400円 200円
50万円超100万円以下 1,000円 500円
100万円超500万円以下 2,000円 1,000円
500万円超1,000万円以下 10,000円 5,000円
1,000万円超5,000万円以下 20,000円 10,000円
5,000万円超1億円以下 60,000円 30,000円
1億円超5億円以下 100,000円 60,000円
5億円超10億円以下 200,000円 160,000円
10億円超50億円以下 400,000円 320,000円
50億円超 600,000円 480,000円

第2号文書:建設工事の請負契約書

建設工事の請負に関する契約書も課税文書です。不動産の建築工事請負契約書がこれに該当します。

建設工事請負契約書の印紙税額(軽減税率適用・2027年3月31日まで)

記載金額 本則税額 軽減税額
100万円超200万円以下 400円 200円
200万円超300万円以下 1,000円 500円
300万円超500万円以下 2,000円 1,000円
500万円超1,000万円以下 10,000円 5,000円
1,000万円超5,000万円以下 20,000円 10,000円
5,000万円超1億円以下 60,000円 30,000円

第17号文書:売上代金の受取書(領収書)

不動産の売買代金の領収書は第17号文書に該当します。

記載金額 税額
5万円未満 非課税
5万円以上100万円以下 200円
100万円超200万円以下 400円
200万円超300万円以下 600円
300万円超500万円以下 1,000円
500万円超1,000万円以下 2,000円
1,000万円超2,000万円以下 4,000円
2,000万円超3,000万円以下 6,000円
3,000万円超5,000万円以下 10,000円
5,000万円超1億円以下 20,000円

注意:営業に関しない受取書(個人が自宅を売却した場合の領収書など)は非課税です。

非課税文書と課税されない場合

記載金額がないまたは少額の場合

  • 第1号文書(売買契約書等):記載金額が1万円未満は非課税
  • 第17号文書(領収書):記載金額が5万円未満は非課税

非課税となる主な文書

以下の文書には印紙税は課税されません。

  • 国・地方公共団体が作成した文書
  • 営業に関しない受取書(個人の私的な売買の領収書等)
  • 委任状
  • 建物の賃貸借契約書(土地の賃貸借契約書は課税文書)
  • 抵当権設定契約書(記載金額のない契約書として200円)

課税されない重要な文書

宅建試験で特に注意すべき非課税文書は以下のとおりです。

文書 課税の有無 理由
建物の賃貸借契約書 非課税 課税文書に該当しない
土地の賃貸借契約書 課税 第1号文書に該当
媒介契約書 非課税 委任契約は課税文書でない
不動産売買の予約契約書 課税 第1号文書に該当
電子契約(電磁的記録) 非課税 「文書」の作成がない

印紙税の記載金額の判定

消費税の取り扱い

契約書に消費税額が明記されている場合、消費税額は記載金額に含めません。

例:「売買代金3,300万円(うち消費税300万円)」と記載された場合

  • 記載金額は3,000万円として判定(消費税300万円を除外)
  • 印紙税額:10,000円(軽減税率適用)

ただし、消費税額が区分記載されていない場合は、消費税を含めた金額が記載金額となります。

変更契約書の記載金額

契約金額を変更する契約書の場合、記載金額の判定は以下のとおりです。

  • 増額変更の場合:増額分が記載金額
  • 減額変更の場合:記載金額なしとして200円
  • 変更前の金額が不明の場合:変更後の金額が記載金額

交換契約書の記載金額

交換契約書で交換差金の記載がある場合は交換差金が記載金額です。交換差金の記載がない場合は、双方の価格のいずれか高い方が記載金額となります。

印紙税を納付しなかった場合の制裁

過怠税

印紙税を納付しなかった場合(印紙を貼付しなかった場合や消印しなかった場合)には、過怠税が課されます。

場合 過怠税の額
印紙を貼付しなかった場合 本来の印紙税額の3倍
自主的に申し出た場合 本来の印紙税額の1.1倍
消印をしなかった場合 消印されなかった印紙の額面金額

重要:印紙税を貼付しなくても、契約の効力には影響しません。印紙税法違反として過怠税が課されるだけで、契約自体は有効です。

試験での出題ポイント

印紙税に関する出題で特に注意すべきポイントは以下のとおりです。

  • 建物の賃貸借契約書は非課税:土地の賃貸借契約書は課税文書
  • 印紙を貼らなくても契約は有効:過怠税が課されるだけ
  • 課税文書の作成者が納税義務者:共同作成は連帯納付
  • 電子契約は非課税:「文書」を作成しないため
  • 消費税が区分記載されていれば除外:記載金額の判定に注意
  • 営業に関しない受取書は非課税:個人が自宅を売却した場合の領収書など
  • 記載金額のない課税文書は200円
  • 軽減税率の適用期間に注意

理解度チェッククイズ

以下のクイズで理解度を確認しましょう。

Q1. 建物の賃貸借契約書は印紙税の課税文書に該当する。

答えを見る **× 誤り。** 建物の賃貸借契約書は印紙税の課税文書に該当しません。課税文書に該当するのは土地の賃貸借契約書です。

Q2. 印紙税を納付しなかった(印紙を貼付しなかった)場合、その契約書に基づく契約は無効となる。

答えを見る **× 誤り。** 印紙税を納付しなくても、契約の効力には影響ありません。印紙税法違反として過怠税(本来の印紙税額の3倍)が課されるだけで、契約自体は有効です。

Q3. 不動産の売買契約書に「売買代金5,500万円(うち消費税500万円)」と記載されている場合、記載金額は5,000万円として印紙税額を判定する。

答えを見る **○ 正しい。** 契約書に消費税額が区分記載されている場合、消費税額は記載金額に含めません。この場合、記載金額は5,500万円 - 500万円 = 5,000万円として判定します。

Q4. 印紙税は地方税であり、都道府県が課税する。

答えを見る **× 誤り。** 印紙税は**国税**です。地方税ではありません。課税文書に収入印紙を貼付して消印する方法で国に納付します。

まとめ

  1. 印紙税は課税文書の作成者に課される国税であり、不動産取引では売買契約書(第1号文書)・建設工事請負契約書(第2号文書)・領収書(第17号文書)が主な課税対象
  2. 建物の賃貸借契約書は非課税、土地の賃貸借契約書は課税という区別と、印紙を貼らなくても契約は有効という点が最頻出のポイント
  3. 消費税の区分記載がある場合は消費税を除外して記載金額を判定し、電子契約は文書の作成がないため非課税となる

よくある質問(FAQ)

Q. 印紙税は宅建試験で何問出題されますか?

印紙税単独で1問出題されることもありますが、他の税金と組み合わせた問題の一部として出題されることが多いです。基本事項を押さえておけば十分に対応できます。

Q. 電子契約に印紙税がかからないのはなぜですか?

印紙税は「文書」の作成に対して課税される税金です。電子契約は電磁的記録であり、印紙税法上の「文書」に該当しないため、印紙税は課税されません。

Q. 契約書を2通作成した場合、印紙は何通分必要ですか?

各文書がそれぞれ課税文書に該当するため、2通分の印紙が必要です。ただし、1通をコピーで保管する場合、コピーは原則として課税文書に該当しません(署名等がない場合)。

Q. 領収書と契約書の非課税金額が違うのはなぜですか?

売買契約書(第1号文書)は記載金額1万円未満が非課税、領収書(第17号文書)は記載金額5万円未満が非課税です。文書の種類ごとに非課税の基準が異なるため、混同しないよう注意が必要です。


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