標準地ひょうじゅんち
土地鑑定委員会が、公示区域内で、自然的及び社会的条件からみて類似の利用価値を有すると認められる地域の中から、土地の利用状況、環境等が通常と認められる一団の土地として選定する土地です。つまり、その地域の代表として毎年価格を公示するために選ばれた土地です。
同じ住宅街に土地が100区画あっても、全部の値段を毎年調べて発表するわけにはいきません。そこで、その街の中で広さも形も使われ方もごく普通の一区画を選び、その1平方メートル当たりの価格を毎年公示します。この選ばれた土地が標準地です。周りの土地を売り買いする人や不動産鑑定士は、標準地の価格と比べて自分の土地の価格の見当を付けます。選ぶのも、価格を判定して公示するのも、国土交通省に置かれた土地鑑定委員会です。

標準地を選ぶのは土地鑑定委員会です
3条は、標準地は土地鑑定委員会が国土交通省令で定めるところにより選定する、と定めています。土地鑑定委員会は、この法律と不動産の鑑定評価に関する法律に基づく権限を行うために国土交通省に置かれた合議体で、委員7人で組織されます(12条・14条)。地価公示では、標準地の選定、鑑定評価の依頼、価格の判定、官報での公示までを、この委員会が一貫して担います。国土交通大臣が出てくるのは、委員を任命する場面や、公示区域を省令で定める場面で、標準地を選ぶ場面ではありません。
利用状況や環境が通常と認められる土地を選びます
3条は、選ぶ場所を、自然的及び社会的条件からみて類似の利用価値を有すると認められる地域の中とし、その中で土地の利用状況、環境等が通常と認められる一団の土地を選ぶ、と定めています。「類似の利用価値の地域」とは、駅前の商店街、坂の上の住宅街のように、土地の使われ方がひとまとまりになっている範囲です。その中でも、角地で広すぎるとか、細長くて使いにくいといった特徴のある土地ではなく、その街で標準的な土地を選びます。特徴のある土地を選ぶと、周りの土地と比べる目安になりにくいからです。施行規則3条は、地積や形状もその地域で通常であることを求めています。
二人以上の鑑定士の評価を委員会が審査して判定します
2条1項は、委員会が毎年一回、公示区域内の標準地について二人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め、その結果を審査し、必要な調整を行って、一定の基準日における単位面積当たりの正常な価格を判定する、と定めています。鑑定士が出した額をそのまま公示するのではなく、複数の評価を突き合わせ、委員会が最終的に一つの価格を判定します。一人の見方に偏らないための仕組みです。委員会は、鑑定評価のため必要があると認めるときは、不動産鑑定士に鑑定評価を命ずることができ(25条1項)、命じられた鑑定士には旅費と報酬が支給されます。

鑑定士は三つの推定価格を勘案して評価します
4条は、標準地の鑑定評価を行う不動産鑑定士は、近傍類地の取引価格から算定される推定の価格、近傍類地の地代等から算定される推定の価格、同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額を勘案してこれを行わなければならない、と定めています。近くの取引の値段から見る、近くの地代から見る、同じ土地を造ったらいくらかかるかから見る、という三つの角度です。鑑定評価基準の取引事例比較法、収益還元法、原価法にあたります。一つの角度だけで決めず、三つを見比べて価格を出すことが条文で求められています。評価を終えた鑑定士は、鑑定評価額などを記載した鑑定評価書を委員会に提出します(5条)。

地価公示法 3条前条第一項の標準地は、土地鑑定委員会が、国土交通省令で定めるところにより、自然的及び社会的条件からみて類似の利用価値を有すると認められる地域において、土地の利用状況、環境等が通常と認められる一団の土地について選定するものとする。
試験ではこう問われる
- 標準地を選定するのは土地鑑定委員会。国土交通大臣や都道府県知事ではない
- 選ぶのは、自然的及び社会的条件からみて類似の利用価値を有すると認められる地域の中で、土地の利用状況、環境等が「通常」と認められる一団の土地。「特に良好」は誤り
- 標準地は公示区域内から選ぶ。都市計画区域の外からも選ばれうるが、国土利用計画法の規制区域からは選ばれない
- 毎年「一回」、「二人以上」の不動産鑑定士の鑑定評価を求め、委員会が審査し必要な調整を行って価格を判定する。「毎年2回」は誤り
- 標準地の鑑定評価は、近傍類地の取引価格、近傍類地の地代等、同等の効用を有する土地の造成費用の三つから算定される推定の価格・額を「勘案して」行う(4条)
- 取引を行う者が指標とするのは、対象土地に「類似する利用価値を有する」標準地の公示価格。「最も近傍の標準地」は誤り
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