収益還元法しゅうえきかんげんほう
対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価値の総和を求めることにより、対象不動産の試算価格を求める鑑定評価の手法で、求めた試算価格を収益価格といいます。つまり、その不動産がこれから稼ぐお金をもとに、今の値打ちを出す方法です。
賃貸アパートを1棟買おうとする人は、「毎年いくら家賃が入り、経費を引いていくら残るか」を計算します。年に300万円残る物件と100万円しか残らない物件では、出せる値段が違います。このように、不動産が将来生み出す収益から価格を求めるのが収益還元法です。収入から経費を引いた残りを純収益といい、将来の純収益を今の価値に直して合計します。こうして求めた試算価格を収益価格といいます。

賃貸用や事業用の不動産に、特に有効です
基準は、収益還元法は賃貸用不動産又は賃貸以外の事業の用に供する不動産の価格を求める場合に特に有効であるとしています。賃貸アパート、貸店舗、ホテルのように、収益を得るために持つ不動産です。収益価格を求める方法には、一期間の純収益を還元利回りによって還元する直接還元法と、連続する複数の期間の純収益などを現在価値に割り引いて合計するDCF法があります。
自分で住む家にも、賃貸を想定して適用します
基準は、不動産の価格は一般にその不動産の収益性を反映して形成されるもので、収益は不動産の経済価値の本質を形成するとしています。このため収益還元法は、文化財の指定を受けた建造物等の一般的に市場性を有しない不動産以外のものには、基本的にすべて適用すべきものとされます。自用の不動産、つまり自分で使っている住宅などでも、「貸したらいくらの家賃が取れるか」と賃貸を想定することにより適用されます。

取引価格の上昇が著しいときこそ、活用します
土地の値段が急に上がっている時期には、「もっと上がるだろう」という期待で取引価格が先走り、その土地が生む収益から説明できる水準を超えることがあります。基準は、市場における不動産の取引価格の上昇が著しいときは、取引価格と収益価格との乖離が増大するとしています。そのうえで、先走りがちな取引価格に対する有力な験証手段として、この手法が活用されるべきであるとしています。験証とは、確かめることです。
不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節Ⅳ1収益還元法は、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価値の総和を求めることにより対象不動産の試算価格を求める手法である(この手法による試算価格を収益価格という。)。
試験ではこう問われる
- 収益還元法は、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価値の総和を求めることにより試算価格(収益価格)を求める手法
- 賃貸用不動産又は賃貸以外の事業の用に供する不動産の価格を求める場合に特に有効
- 自用の不動産といえども、賃貸を想定することにより適用される。「自用の不動産の鑑定評価には適用すべきではない」は誤り
- 市場における不動産の取引価格の上昇が著しいときは、先走りがちな取引価格に対する有力な験証手段として活用されるべき。「適用は避けるべき」は誤り
- 文化財の指定を受けた建造物等の一般的に市場性を有しない不動産以外のものには、基本的にすべて適用すべきものとされる
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