当事者の双方が確認した事項とうじしゃのそうほうがかくにんしたじこう
既存の建物の売買・交換で37条書面に記載する、建物の構造耐力上主要な部分等の状況について売主と買主の双方が確認した事項です(37条1項2号の2)。つまり、中古の建物の柱や屋根の傷み具合を、契約の時点で二人がどう確かめ合ったかを書き残すものです。
築25年の中古住宅を買うとき、契約の前に建築士が床下や屋根裏を調べ、「土台の一部に腐食あり」「雨漏りの跡なし」といった結果が出たとします。売主と買主はその結果を見たうえで、代金を少し下げて契約しました。この「二人が確かめ合った建物の状態」を37条書面に書いておくのが、当事者の双方が確認した事項です。対象は、建物の構造耐力上主要な部分等、つまり基礎・柱・梁のように建物を支える部分と、屋根や外壁のように雨水の浸入を防ぐ部分の状況です。引渡しの後に「こんな傷みは聞いていない」と争いになるのを防ぐための記載です。

書くのは、専門家の調査結果を双方が確かめた内容です
何を「双方が確認した事項」として書くかについて、国土交通省の解釈は、原則として、建物状況調査など専門的な第三者による調査が行われ、その結果の概要を重要事項として説明したうえで契約に至った場合の、その調査結果の概要としています。それ以外の場合は「無」と記載します。ただし、写真や売主の告知書などをもとに双方が建物の状況を客観的に確かめ、それを価格の交渉や担保責任の免除に反映した場合のように、状況が実際に確かめられ、契約の内容になっていると考えられる場合には、その事項を記載して差し支えないとされています。当事者がただ「見ました」と言うだけのことではなく、契約の中身になった確認を書く、という考え方です。
既存建物の売買・交換で書き、貸借では書きません
この事項は37条1項2号の2に置かれ、「当該建物が既存の建物であるときは」と書かれているので、新築の建物には掛かりません。37条2項が貸借の書面に引く事項は1項の1号・2号・4号・7号・8号・10号だけで、2号の2は入っていないため、既存建物の貸借の媒介では記載しません。また「定めがあるときは」という言葉が付いていない必要的記載事項なので、売買・交換の相手方が宅地建物取引業者でも省略できません。

媒介契約、重要事項説明、契約の書面へと引き継がれます
既存建物の取引では、建物の状態の情報が三つの書面を順に流れます。媒介契約の書面には、建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項を記載します(34条の2第1項4号)。重要事項説明では、実施後1年(鉄筋コンクリート造等の共同住宅等は2年)以内の建物状況調査について、実施の有無と結果の概要を説明します(35条1項6号の2)。そして契約が成立したら、37条書面に双方が確認した事項を記載します。条文に理由は書いていませんが、調べる、説明する、確かめ合って契約に織り込む、という順序で、中古住宅の状態をめぐる誤解を減らすためと考えられます。

宅地建物取引業法 37条1項2号の2当該建物が既存の建物であるときは、建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項
試験ではこう問われる
- 既存住宅の売買の媒介では、建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項を37条書面に記載する
- 相手方が宅地建物取引業者でも、双方が確認した事項の記載は省略できない
- 既存住宅の貸借の媒介では、37条書面に双方が確認した事項を記載する必要はない。貸借の37条書面で必ず記載するのは、当事者の氏名・住所、物件の表示、引渡しの時期、借賃の額と支払の時期・方法
- 自ら売主として既存の建物を売るときも、37条書面に記載する
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