工事完了時の形状・構造こうじかんりょうじのけいじょう・こうぞう
取引する宅地・建物が造成や建築の工事の完了前のものであるときに、完了した時の形状・構造などを説明する重要事項です(35条1項5号、施行規則16条)。つまり、まだ出来上がっていない物件について、出来上がりの姿を図面などで契約の前に知らせる項目です。
新築マンションの多くは、建物が建つ前に売り出され、買主はモデルルームとパンフレットを見て申し込みます。造成中の分譲地も、区画の線や道路はまだ図面の上にしかありません。目の前に実物がない以上、出来上がったときにどんな姿になるのかを書面で確かめるしかありません。そこで35条1項5号は、宅地・建物が工事の完了前のものであるときは、完了した時の形状・構造その他省令で定める事項を説明させ、図面が必要なときは図面を交付させています。省令で定める事項は、施行規則16条が宅地と建物に分けて定めています。

宅地は、完了時の形状・構造と接する道路を説明します
宅地の造成の工事の完了前なら、完了時の宅地の形状・構造と、宅地に接する道路の構造及び幅員を説明します(施行規則16条)。形状・構造は、地積や各辺の長さを書いた平面図のほか、道路からの高さ、擁壁、階段、排水施設の位置や構造などで示します。道路は位置と幅員を平面図に書き、側溝や舗装の状況を説明します(国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」)。条文に理由は書いていませんが、どの道路に何メートル接するかで、建てられる建物が変わるからと考えられます。
建物は、主要構造部・内装外装・設備まで説明します
建物の建築の工事の完了前なら、完了時の建物の形状・構造に加えて、主要構造部、内装及び外装の構造又は仕上げ、設備の設置及び構造を説明します(施行規則16条)。主要構造部は建築基準法の主要構造部、つまり壁・柱・床・はり・屋根・階段で、それぞれの材質を説明します。内装と外装は主に天井と壁の材質や塗装の状況、設備は厨房設備や照明設備、門や塀なども含む主要な設備の有無と配置などです。図面を交付したときは、図面に書かれている事項を重要事項説明書に重ねて書かなくてかまいません。

売買でも貸借でも、完成前なら説明します
35条1項5号には、売買に限るといった限定がありません。完成前の賃貸マンションを借りる契約でも、完了時の形状・構造を説明します。工事が完了した直後に売る場合も、工事完了前の売買と同じように説明することとされています(国土交通省「解釈・運用の考え方」)。工事完了前の物件については、このほか広告の開始時期と契約の締結時期の制限、自ら売主となる場合の手付金等の保全措置の規律も掛かります。
宅地建物取引業法施行規則 16条法第三十五条第一項第五号の国土交通省令・内閣府令で定める事項は、宅地の場合にあつては宅地の造成の工事の完了時における当該宅地に接する道路の構造及び幅員、建物の場合にあつては建築の工事の完了時における当該建物の主要構造部、内装及び外装の構造又は仕上げ並びに設備の設置及び構造とする。
試験ではこう問われる
- 工事完了前の宅地の売買では、完了時の形状・構造のほか、宅地に接する道路の構造及び幅員を説明する
- 工事完了前の建物では、完了時の主要構造部、内装及び外装の構造又は仕上げ、設備の設置及び構造を説明する
- 工事完了前の建物の貸借でも、完了時の形状・構造等を、必要に応じて図面を交付して説明する
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