法令に基づく制限の概要ほうれいにもとづくせいげんのがいよう
都市計画法、建築基準法その他の法令に基づく制限のうち、契約内容の別に応じて政令で定めるものについて、その概要を説明する重要事項です(35条1項2号、施行令3条)。つまり、その土地や建物に何が建てられ、どう使え、売るのに許可が要るかといった法律上の縛りを、契約の前に知らせる項目です。
家を建てるつもりで買った土地に、思ったより小さな家しか建てられない、農地なので使い道を変えるのに許可が要る、といった法律上の縛りは、土地を見ただけでは分かりません。そこで35条1項2号は、都市計画法、建築基準法その他の法令に基づく制限で政令で定めるものについて、その概要を説明事項にしました。どの法令の制限を説明するかは施行令3条が定め、売買・交換では64の号にわたって法律の規定が並びます。ただし、宅地か建物か、売買か貸借かという契約内容の別によって、説明する範囲が変わります。

説明するのは、政令が挙げる法令の制限の概要です
35条1項2号を受けた施行令3条1項は、都市計画法の開発許可、建築基準法の用途制限・建蔽率・容積率・防火地域の制限、農地法の許可、急傾斜地法や土砂災害防止法の行為制限などを、条番号まで挙げて列挙しています。説明するのは、その物件に掛かる制限の「概要」、つまり何をするのに誰の許可が要るか、どこまでなら建てられるかといった制限の中身の要点です。急傾斜地崩壊危険区域のように区域の中では行為が制限される場合、区域内にある旨だけでなく、行為の制限の概要も説明します。条文に列挙されていない制限でも、取引の判断に重要なら説明が要る場合がありますが、35条1項2号として説明義務が掛かるのは政令に挙がったものです。

建物の貸借では、説明する法令がごく一部に絞られます
施行令3条3項は、建物の貸借について説明する制限を、新住宅市街地開発法32条1項、新都市基盤整備法51条1項、流通業務市街地の整備に関する法律38条1項に基づく制限に限っています。新住宅市街地開発法32条1項は、造成宅地等の上の建築物に賃借権を設定するのにも都道府県知事の承認を要するとしていて、借りること自体に関わる制限です。一方、建蔽率・容積率、準防火地域の構造の制限、開発許可の制限は3項に挙がっていないので、建物の貸借では説明しません。条文に理由は書いていませんが、これらは建物を建てる人や土地を造成する人に掛かる制限だからと考えられます。宅地の貸借では、施行令3条2項により、売買・交換の制限から一部を除いたものを説明します。

災害の区域にあることは、別の号で貸借でも説明します
宅地造成及び特定盛土等規制法の造成宅地防災区域、土砂災害警戒区域、津波災害警戒区域の中にあるときは、その旨を説明します(施行規則16条の4の3第1号〜3号)。これらは35条1項2号の法令の制限とは別に、14号を受けた省令で定められた事項で、売買・交換でも、宅地と建物の貸借でも説明します。条文に理由は書いていませんが、建物を建てるかどうかにかかわらず、住む人の安全に関わるからと考えられます。
宅地建物取引業法 35条1項2号都市計画法、建築基準法その他の法令に基づく制限で契約内容の別(当該契約の目的物が宅地であるか又は建物であるかの別及び当該契約が売買若しくは交換の契約であるか又は貸借の契約であるかの別をいう。以下この条において同じ。)に応じて政令で定めるものに関する事項の概要
試験ではこう問われる
- 建物の貸借の媒介では、建蔽率・容積率の制限は説明しなくてよい
- 建物の貸借の媒介では、都市計画法29条1項(開発許可)の制限は説明事項に挙げられていない
- 建物の貸借の媒介で、準防火地域内の建築物の構造の制限(建築基準法61条1項)は説明しなくてよい
- 急傾斜地崩壊危険区域内の宅地の売買では、区域内にある旨だけでなく行為の制限の概要も説明する
- 造成宅地防災区域・土砂災害警戒区域・津波災害警戒区域内にあるときは、その旨を売買でも貸借でも説明する
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