宅建試験AIブートラボ 宅建試験AIブートラボ

電磁的方法による提供でんじてきほうほうによるていきょう

宅建業法 媒介・重要事項説明・37条書面・広告 過去問で10肢

媒介契約書面・重要事項説明書・37条書面などの交付に代えて、相手方の承諾を得て、書面に記載すべき事項を電子メールやWEBでのダウンロードなどの電磁的方法で提供することです(34条の2第11項、35条8項、37条4項)。つまり、紙の書面を電子ファイルで渡す仕組みで、令和4年5月18日施行の改正で認められました。

遠くに住む買主に、契約の書類を郵送する代わりにPDFのファイルをメールで送る。こうした書面の電子化が、宅地建物取引業法では電磁的方法による提供と呼ばれます。電磁的方法とは、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法のことで、電子メール、WEBでのダウンロード、CD-ROMなどの記録媒体の交付がこれに当たります。媒介契約書面、重要事項説明書、37条書面のほか、手付金等の保全措置の書面も、相手方の承諾があれば電子ファイルで渡せます。紙で渡すのと同じ効果を持たせるため、承諾の取り方と、ファイルの作り方に決まりがあります。

相手が承諾すれば、紙の書面をファイルで渡せる。
相手が承諾すれば、紙の書面をファイルで渡せる。

相手方の承諾を、記録に残る方法で前もって得ます

業者は、提供の前に、使う方法(電子メールか、WEBでのダウンロードかなど)とファイルの記録の方式を相手方に示し、そのうえで承諾を得なければなりません(施行令3条の3・3条の4)。承諾は、書面か、電子メールやWEB上の操作のように書面に出力できる方法で得るもので、口頭で「メールでいいですよ」と言われただけでは足りません。方法を示すのは業者の手続で、取引士に説明させなければならないという定めはありません。いったん承諾を得ても、相手方から書面等で電磁的方法による提供を受けない旨の申出があったときは、もう電磁的方法では提供できず、再び承諾を得たときに限って戻せます。

出力でき、改変が分かり、取引士が明示されるファイルにします

提供するファイルは、相手方が出力して書面を作ることができ、記載事項が改変されていないかを確かめられる措置を講じたものでなければなりません(施行規則16条の4の8、16条の4の12)。WEBでのダウンロードの方法では、ファイルを置いたことを相手方に通知します。重要事項説明書と37条書面では、さらに書面の交付に係る宅地建物取引士が明示されることが求められ、これが紙の書面の取引士の記名に代わります。媒介契約書面では、業者の記名押印に代わる措置として出力と改変の確認ができるものにします(施行規則15条の14)。

ファイルは、出力でき、改変が分かり、取引士の名前が見えるものにする。
ファイルは、出力でき、改変が分かり、取引士の名前が見えるものにする。

提供すれば、紙の書面を重ねて交付する必要はありません

条文は、電磁的方法で提供した業者は書面を交付したものとみなす、と定めています(37条4項後段など)。そのため、提供した後に同じ内容の紙を改めて渡す義務はありません。ただし、重要事項説明書を電磁的方法で提供しても、取引士が説明する義務はそのまま残ります。一方、クーリング・オフを告げるときの書面は施行規則16条の6が書面の交付を定めていて電磁的方法による定めがなく、買主の撤回も37条の2第1項が「書面により」と定めているので、どちらも電磁的方法によることはできません。

ファイルで渡せば紙は要らないが、クーリング・オフは紙に限られる。
ファイルで渡せば紙は要らないが、クーリング・オフは紙に限られる。
宅地建物取引業法 37条4項(抜粋)

宅地建物取引業者は、第一項の規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法であつて前項の規定による措置に代わる措置を講ずるものとして国土交通省令で定めるものにより提供することができる。この場合において、当該宅地建物取引業者は、当該書面を交付したものとみなし、同項の規定は、適用しない。

試験ではこう問われる

  1. 37条書面を電磁的方法で提供するには相手方の承諾が要る。承諾なしに提供はできない
  2. 承諾は書面や電子メールなど記録に残る方法で得る。「口頭で依頼があったので改めて承諾を得る必要はない」は誤り。方法の種類と内容は業者が示し、取引士に説明させる定めはない
  3. 承諾の後でも、相手方から書面で電磁的方法による提供を受けない旨の申出があれば、電磁的方法で提供できない
  4. 提供するファイルは、相手方が出力して書面を作成でき、改変の有無を確認できる措置を講じたもの。37条書面・重要事項説明書では交付に係る取引士が明示されるものでなければならない。承諾を得る通知に取引士を書いても代わらない
  5. 電磁的方法で提供すれば、提供後に改めて37条書面を交付する必要はない
  6. クーリング・オフを告げる書面と、買主の撤回の通知は電磁的方法によれない。手付金等の保全措置の書面は、買主の承諾があれば電磁的方法による措置に代えられる
宅建業法を肢別で解く

用語で読んだ論点を、解説つきの肢別演習で確かめられます。無料プランは月300肢まで。

関連する用語

媒介・重要事項説明・37条書面・広告

重要事項説明

宅地建物取引業者が、契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、登記された権利や法令の制限など法定の事項を記載...
媒介・重要事項説明・37条書面・広告

37条書面

宅地建物取引業者が、売買・交換の契約が成立したときは遅滞なく(37条1項)、貸借の契約が代理・媒介で成立したときに...
自ら売主の制限(8種制限)

クーリング・オフ

宅地建物取引業者が自ら売主となる売買で、業者でない買主が事務所等以外の場所で買受けの申込みをしたとき、書面で告げら...
媒介・重要事項説明・37条書面・広告

宅地建物取引士の記名

重要事項説明書(35条書面)と37条書面に、宅地建物取引士が自分の氏名を記載することです(35条5項・7項、37条...
媒介・重要事項説明・37条書面・広告

ITを活用した重要事項説明

テレビ会議などのITを使って、宅地建物取引士が画面越しに重要事項の説明をすることで、国土交通省の解釈が定める要件を...
媒介・重要事項説明・37条書面・広告

媒介契約書面

宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買・交換の媒介契約を締結したときに、遅滞なく、物件の表示、売買すべき価額、有効期...