表示に関する登記ひょうじにかんするとうき
不動産の表示に関する登記、つまり土地や建物がどこにあり、どんな広さと形をしているかという物理的な現況を公示する登記です。登記記録の表題部に記録され、誰の権利があるかを記録する権利に関する登記と対になります。
登記事項証明書を開くと、上の段に土地の所在・地番・地目・地積、建物なら所在・種類・構造・床面積が並び、下の段に所有者や抵当権者の名前が並びます。上の段が表題部で、ここに記録されるのが表示に関する登記です。物としての不動産の姿を記録する部分なので、誰のものかは書きません。表題登記、地目や床面積の変更の登記、更正の登記、分筆や合筆の登記、滅失の登記がここに入ります。現況を正しく保つことが目的なので、申請の義務と登記官の職権が付いているのが特徴です。

表示に関する登記は、登記官が職権ですることができます
28条は、表示に関する登記は登記官が職権ですることができる、と定めています。目的が現況と記録を一致させることなので、申請を待たずに登記官が自ら正すことを認めています。29条1項は、申請があった場合と職権で登記しようとする場合に、必要があると認めるときは不動産の表示に関する事項を調査できると定め、日出から日没までの間は不動産を検査し、関係者に質問することもできます(29条2項)。権利に関する登記は当事者の申請や官庁・公署の嘱託によるのが原則で(16条1項)、登記官が職権でできるのは法令に定めがある場合に限られます。

申請に登記原因を証する情報は要らず、図面などを添えます
61条は、権利に関する登記を申請する場合に、申請情報と併せて登記原因を証する情報を提供しなければならない、と定めています。売買契約書のような書面で権利が動いた原因を裏づける仕組みで、対象は権利に関する登記だけです。表示に関する登記の申請には、土地所在図や地積測量図、建物図面や各階平面図のような図面を添え(不動産登記令7条・別表)、登記官の調査とあわせて現況を確かめます。原因を証明する相手方がいない登記なので、原因の証明ではなく図面で姿を示させる、という組み立てです。

登記事項が変わったら、所有者側が1月以内に申請する義務があります
地目や地積が変わったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人が、変更があった日から1月以内に変更の登記を申請しなければなりません(37条1項)。建物の種類・構造・床面積が変わったときも同じく1月以内です(51条1項)。申請人になれるのは表題部所有者か所有権の登記名義人で、これらの者に相続があったときは相続人その他の一般承継人が申請できます(30条)。変更の登記も更正の登記も分筆・合筆の登記も、申請人の範囲はこの組み立てです。
不動産登記法 28条表示に関する登記は、登記官が、職権ですることができる。
試験ではこう問われる
- 表示に関する登記は、登記官が職権ですることができる(28条)
- 建物の床面積などに変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人が、変更の日から1月以内に変更の登記を申請する(51条1項)
- 建物が滅失したときは、滅失の日から1月以内に滅失の登記を申請する(57条)
- 所有権の登記名義人の住所の変更の登記は権利に関する登記。申請の期限は変更の日から2年以内で、1月以内ではない(76条の5)
- 建物の名称があるときは、その名称も建物の表示に関する登記の登記事項になる(44条1項4号)
- 登記原因を証する情報の提供が要るのは、権利に関する登記の申請(61条)
- 登記は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事者の申請又は官庁・公署の嘱託がなければすることができない(16条1項)
用語で読んだ論点を、解説つきの肢別演習で確かめられます。無料プランは月300肢まで。