更正の登記こうせいのとうき
登記事項に錯誤又は遺漏があった場合に、その登記事項を訂正する登記です。登記した後に事実が変わった場合にする変更の登記と対になり、最初から間違っていたものを直すのが更正です。
登記された床面積が実際より小さいとき、直し方は二つに分かれます。登記のときに測り間違えていたのなら、はじめから誤りがあったので更正の登記です。登記の後に増築して広くなったのなら、登記のときは正しかったので変更の登記です(2条15号・16号)。どちらも登記を今の事実に合わせる登記ですが、誤りの訂正か、変化の反映かで名前が違います。表題部の更正と権利部の更正では、申請できる者や承諾の要否も別々に定められています。

最初から誤りなら更正、後から変わったなら変更の登記です
変更の登記は、登記事項に変更があった場合に当該登記事項を変更する登記(2条15号)、更正の登記は、登記事項に錯誤又は遺漏があった場合に当該登記事項を訂正する登記(2条16号)です。増築で床面積が増えた、畑を宅地に造成した、というのは登記の後の変化なので変更の登記に当たり、表題部所有者又は所有権の登記名義人が変更の日から1月以内に申請しなければなりません(37条1項・51条1項)。測り間違いや記載漏れは更正の登記で、表題部の更正には期限の定めがありません。
表題部所有者の更正は、真の所有者が申請し、本人が承諾します
表題登記のときから表題部所有者が真の所有者と違っていた場合の更正の登記は、当該不動産の所有者以外の者は申請できず(33条1項)、その所有者は表題部所有者の承諾があるときでなければ申請できません(33条2項)。名義を失う表題部所有者の承諾で、更正の正しさを確かめる仕組みです。地目や地積など、所有者以外の登記事項の更正は、表題部所有者又は所有権の登記名義人が申請し(38条・53条1項)、相続があればその相続人その他の一般承継人が申請できます(30条)。表示に関する登記なので、登記官が職権で更正することもできます(28条)。
氏名・住所の更正は単独申請で、権利の更正は付記登記が原則です
登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、登記名義人が単独で申請できます(64条1項)。住所が変わったことを直しても、不利益を受ける人がいないからです。権利の変更の登記又は更正の登記は、既にある登記に付記して順位を引き継ぐ付記登記でするのが原則ですが、登記上の利害関係を有する第三者の承諾がある場合と第三者がいない場合に限られます(66条)。抵当権の債権額を増やす更正を付記登記ですると後順位の抵当権者の取り分が減るので、その承諾が要るのです。

不動産登記法 2条16号更正の登記 登記事項に錯誤又は遺漏があった場合に当該登記事項を訂正する登記をいう。
試験ではこう問われる
- 登記名義人の氏名・名称・住所の変更の登記又は更正の登記は、登記名義人が単独で申請できる(64条1項)
- 建物の床面積に変更があったときは、変更の日から1月以内に変更の登記を申請しなければならない(51条1項)
- 所有権の登記名義人の氏名・住所の変更の登記は、変更の日から2年以内に申請する義務がある(76条の5)。「1月以内」は誤り
- 共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記は、共有者である全ての登記名義人が共同して申請する(65条)
- 最初から誤っていたなら更正の登記、後から変わったなら変更の登記。増築で床面積が増えたときは変更の登記
- 権利の変更・更正の登記は、登記上の利害関係を有する第三者の承諾があるか、第三者がいない場合に限り付記登記でする(66条)
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