表題登記ひょうだいとうき
表示に関する登記のうち、その不動産について表題部に最初にされる登記です。つまり、新しくできた建物や土地を登記記録に初めて載せる登記で、建物は所有権を取得した日から1月以内に申請する義務があります。
家を新築して引っ越しても、その建物は登記所の記録にはまだ存在しません。登記記録は一個の建物ごとに作られるので、まず「この場所にこういう建物ができた」と記録を起こす登記が要ります。それが表題登記で、所在・家屋番号・種類・構造・床面積が表題部に書き込まれます。誰のものかを記録する所有権の保存の登記は、この表題登記の後でしかできません。現況を公示するための登記なので、申請には期限と義務が付いています。

表題登記は、所有権の取得の日から1月以内に申請する義務があります
47条1項は、新築した建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1月以内に表題登記を申請しなければならない、と定めています。起算日は工事が終わった日ではなく、所有権を取得した日です。土地も同じで、新たに生じた土地の所有権を取得した者は取得の日から1月以内に申請します(36条)。権利に関する登記の申請が原則として当事者の任意であるのと違い、表示に関する登記は現況を公示するための義務で、怠ると10万円以下の過料の対象になります(164条1項)。
区分建物は、一棟の建物にある他の区分建物と併せて申請します
マンションのように一棟の建物が区分建物に分かれているとき、一棟の建物の所在や構造は全戸に共通の登記事項です。そこで48条1項は、一棟の建物が新築されたときの各区分建物の表題登記は、その一棟に属する他の区分建物の表題登記と併せて申請しなければならない、と定めています。一戸ずつばらばらに登記させると、一棟の建物の記録が食い違うおそれがあるからです。併せて申請する必要がある以上、他の所有者が動かないと困るので、48条2項は、区分建物の所有者は他の区分建物の所有者に代わってその表題登記を申請できる、と定めています。

新築の後に相続があれば、相続人が被承継人の名で申請できます
区分建物を新築した所有者が表題登記の前に亡くなったときは、47条2項により、相続人その他の一般承継人も、被承継人を表題部所有者とする表題登記を申請できます。表題部に記録されるのは相続人ではなく、新築した被相続人です。「も」とあるとおり、相続人自身を表題部所有者とする申請ができないわけではなく、被承継人の名でも申請できるという規定です。分譲業者が一棟を新築した直後に合併した場合など、一棟分の申請を承継人が滞りなく進められるようにしています。
不動産登記法 47条1項新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。
試験ではこう問われる
- 新築した建物の所有権を取得した者は、取得の日から1月以内に表題登記を申請しなければならない(47条1項)
- 1月以内の申請義務があるのは表題登記。「所有権の保存の登記を申請しなければならない」に置き換えた肢は誤り
- 建物が滅失したときの滅失の登記、床面積など表題部の登記事項の変更の登記も、1月以内に申請する義務がある(57条・51条1項)
- 区分建物の表題登記は、一棟の建物に属する他の区分建物の表題登記と併せて申請する(48条1項)
- 権利に関する登記の申請は原則として任意だが、相続による所有権の移転の登記(3年以内)と、所有権の登記名義人の氏名・住所の変更の登記(2年以内)には申請義務がある(76条の2・76条の5)
- 土地の表題登記も、所有権の取得の日から1月以内(36条)
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