区分建物くぶんたてもの
一棟の建物の構造上区分された部分で、独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他の用途に供することができるものです。マンションの一住戸のように、区分所有法の専有部分に当たる部分をいい、住戸ごとに登記記録が作られます。
分譲マンションを買うと、買ったのは建物一棟ではなく、そのうちの一住戸です。壁や床で構造上区切られ、玄関を閉めれば独立して住める部分なので、法律はこれを区分建物として一個の建物と同じように扱い、住戸ごとに登記記録を作ります。ただし、その住戸は一棟の建物の一部でもあるので、一棟の建物の所在や構造も表題部に記録されます(44条1項)。一棟と各住戸が切り離せない関係にあることから、表題登記の申請方法、所有権の保存の登記、建物の合併に、区分建物だけの規定が置かれています。専有部分と切り離して処分できない敷地利用権は敷地権として建物の表題部に登記され(44条1項9号)、土地と建物が一体で動く仕組みになっています。

表題登記は、一棟の他の区分建物の分と併せて申請します
一棟の建物が新築されたときの区分建物の表題登記は、その一棟に属する他の区分建物の表題登記と併せて申請しなければなりません(48条1項)。一棟の建物の構造や床面積は各住戸に共通の登記事項なので、一戸ずつ別々に登記させると記録が食い違うからです。そのため、区分建物の所有者は他の区分建物の所有者に代わって表題登記を申請できます(48条2項)。新築後に所有者が亡くなったときは、相続人その他の一般承継人も、被承継人を表題部所有者とする表題登記を申請できます(47条2項)。
表題部所有者から買った人も、所有権の保存の登記を申請できます
所有権の保存の登記は、表題部所有者やその相続人など、法律が列挙した者しか申請できません(74条1項)。分譲マンションでは分譲業者が表題部所有者で、買主はその中に入っていないので、原則どおりなら業者が保存登記をしてから買主へ移転登記をすることになります。そこで74条2項は、区分建物にあっては表題部所有者から所有権を取得した者も保存の登記を申請できると定め、買主が直接自分の名義で登記できるようにしました。敷地権付き区分建物では、建物の保存の登記が敷地権にも及ぶので、敷地権の登記名義人の承諾を得なければなりません(74条2項後段)。

共用部分である旨の登記がある建物は、合併の登記ができません
管理人室や倉庫のように、構造上は独立していても規約で共用部分とされた建物は、共用部分である旨の登記ができます(58条)。この登記をすると権利部の登記は抹消され、所有者の記録がなくなります。区分所有者全員のものになった建物を、特定の住戸と一つにまとめる性質のものではないので、56条1号は、共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の合併の登記はできないと定めています。

不動産登記法 2条22号区分建物 一棟の建物の構造上区分された部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものであって、建物の区分所有等に関する法律(…以下「区分所有法」という。)第二条第三項に規定する専有部分であるもの(区分所有法第四条第二項の規定により共用部分とされたものを含む。)をいう。
試験ではこう問われる
- 区分建物では、表題部所有者から所有権を取得した者も、所有権の保存の登記を申請できる(74条2項)
- 敷地権付き区分建物では、敷地権の登記名義人の承諾を得なければ、その保存の登記を申請できない(74条2項後段)
- 区分建物の表題登記は、一棟の建物に属する他の区分建物の表題登記と併せて申請する(48条1項)
- 共用部分である旨の登記がある建物は、合併の登記ができない(56条1号)
- 敷地権は、建物の表題部の登記事項(44条1項9号)
用語で読んだ論点を、解説つきの肢別演習で確かめられます。無料プランは月300肢まで。