条件・期限じょうけん・きげん
条件は、法律行為の効力の発生や消滅を、実現するかどうかが確実でない将来の事実にかからせる定めで、期限は、必ず到来する将来の事実にかからせる定めです。条件のうち、成就した時から効力を生ずるものを停止条件、成就した時から効力を失うものを解除条件といいます(127条)。
「試験に合格したら、この建物をあげよう」と約束する。「住宅ローンの審査に通らなかったら、この売買はなかったことにする」と決めておく。どちらも、将来どうなるか分からない事実に、契約の効力を結びつけています。この結びつける定めが条件です。合格したら効力が生じる、というように効力の発生を止めておくのが停止条件で、審査に通らなかったら効力がなくなる、というように効力を消すのが解除条件です。「来年3月31日に代金を支払う」のように、必ず来る日に結びつける定めは期限といいます。

停止条件付きの契約は、成就した時から効力を生じます
停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生じます(127条1項)。「合格したら建物を贈与する」という約束なら、受贈者が建物の所有権を取得するのは合格した時で、約束した時にさかのぼるわけではありません。解除条件付法律行為は、解除条件が成就した時から効力を失います(127条2項)。ただし、当事者が、成就した時より前にさかのぼらせるという意思を表示したときは、その意思に従います(127条3項)。

条件の成否が決まる前でも、相手方の利益を害せません
条件が成就するかどうかが未定の間、受贈者はまだ建物を取得していません。しかし、「合格すれば建物をもらえる」という期待は、法律上守られる利益です。条件付法律行為の各当事者は、条件の成否が未定である間、条件が成就した場合に生ずるはずの相手方の利益を害することができません(128条)。贈与を約束した人が、合格発表の前に自分で建物に火をつけて滅失させ、その後に受贈者が合格したときは、損害賠償の責任を負います。
期限は、必ず来る時に効力や履行を結びつけます
期限は、到来することが確実な事実に結びつける定めです。法律行為に始期を付けると、その期限が来るまで履行を請求できません(135条1項)。「12月1日に代金を支払う」という契約では、買主は12月1日まで支払を待ってもらえます。この「期限が来るまで履行しなくてよい」という利益を期限の利益といい、期限は債務者の利益のために定めたものと推定されます(136条1項)。債務者は期限の利益を放棄して、期限の前に支払うこともできます(136条2項)。
民法 127条停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生ずる。 2 解除条件付法律行為は、解除条件が成就した時からその効力を失う。 3 当事者が条件が成就した場合の効果をその成就した時以前にさかのぼらせる意思を表示したときは、その意思に従う。
試験ではこう問われる
- 「試験に合格したときは建物を贈与する」という約定は、停止条件付贈与契約である
- 停止条件付法律行為は、条件が成就した時から効力を生ずる(127条1項)。合格しても、約定の時にさかのぼって所有権を取得するわけではない
- 条件の成否が未定の間に、贈与者が放火して建物を滅失させ、その後に条件が成就したときは、贈与者は損害賠償責任を負う(128条)
- 約定の時に贈与者に意思能力がなかったときは、契約が無効なので、条件が成就しても所有権を取得できない(3条の2)
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