特定用途制限地域とくていようとせいげんちいき
用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く)に、良好な環境の形成又は保持のため、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地域です。つまり、用途地域の塗り分けがない白地の土地に、「この種類の建物だけは建てない」という最低限の枠をはめる都市計画です。
区域区分のない地方都市の郊外や準都市計画区域では、用途地域が塗られていない白地の土地が広がっています。用途地域が無い土地で建築基準法が用途を制限するのは、床面積の合計が1万平方メートルを超える店舗や劇場などの大規模な集客施設だけで(48条14項)、それより小さな大型店やパチンコ店、工場が田園の中に次々と建つおそれがあります。そこで市町村が、「この区域では大規模な店舗と工場は建てない」というように、制限したい建物の種類だけを都市計画に定めるのが特定用途制限地域です。平成12年の法改正で、こうした白地の乱開発を防ぐために設けられました。制限の具体的な中身は、都市計画に即して地方公共団体の条例で定めます(建築基準法49条の2)。

用途地域のない土地に定め、市街化調整区域は除きます
用途地域がある土地では、建築基準法48条が用途地域ごとに建てられる建物を細かく決めているので、重ねて定める必要がありません。用途地域のない土地でこそ、良好な環境を守るために建物の用途を絞る仕組みが要るので、対象は「用途地域が定められていない土地の区域」です。市街化調整区域にも用途地域はありませんが、そこは市街化を抑制する区域で、開発許可と建築許可によって土地利用が直接おさえられているので、対象から除かれています。つまり特定用途制限地域が働く場面は、区域区分のない都市計画区域の白地と、準都市計画区域です。

特別用途地区が内側を補うのに対し、こちらは外側の穴を埋めます
特別用途地区は、用途地域の制限を土台に、その地区の目的に合わせて制限を足したり緩めたりする地区です。特定用途制限地域には土台になる用途地域が無いので、足したり緩めたりするのではなく、制限すべき建物の種類を一から決めます。だから条文の書き出しも、特別用途地区は「用途地域内の一定の地区」、特定用途制限地域は「用途地域が定められていない土地の区域」と、正反対の場所を指しています。二つを並べると、用途地域という塗り分けの内側と外側を、それぞれが受け持っていることが分かります。
都市計画には用途の概要を定め、詳しい制限は条例で定めます
地域地区の都市計画に定める事項として、特定用途制限地域は「制限すべき特定の建築物等の用途の概要」と決められています(8条3項2号ニ)。都市計画では「大規模な店舗」「工場」のように制限する用途の大枠だけを示し、どの規模から、どの業種を制限するかは地方公共団体の条例で定める二段構えです(建築基準法49条の2)。準都市計画区域にも定められ(8条2項)、定めるのは市町村です。開発許可の審査でも、特定用途制限地域は用途地域や特別用途地区とともに「用途地域等」の一つとして扱われ、予定建築物の用途がその制限に合っているかが確かめられます(33条1項1号)。
都市計画法 9条15項特定用途制限地域は、用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く。)内において、その良好な環境の形成又は保持のため当該地域の特性に応じて合理的な土地利用が行われるよう、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地域とする。
試験ではこう問われる
- 定義は「用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く。)内において、…制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地域」(9条15項)。「用途地域が定められている土地の区域内において」とした記述は誤り
- この定義文を特別用途地区の説明にした記述も誤り。特別用途地区は用途地域内に、用途地域の指定を補完して定める
- 市街化調整区域には定められない。定められるのは、非線引き区域と準都市計画区域のうち用途地域のない区域
- 準都市計画区域にも定めることができる(8条2項)
- 都市計画に定めるのは制限すべき用途の「概要」(8条3項2号ニ)。具体的な制限は地方公共団体の条例で定める(建築基準法49条の2)
- 定めるのは市町村(15条1項)
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