準住居地域じゅんじゅうきょちいき
道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める用途地域です(9条7項)。つまり、幹線道路沿いに自動車販売店や倉庫、事務所が並ぶことは受け入れつつ、その後ろで暮らす人の環境も守る、住居系の中でいちばん業務寄りの地域です。
国道沿いを車で走ると、自動車販売店、ガソリンスタンド、倉庫、ファミリーレストランが並び、その裏の路地には住宅が続いている街並みがあります。道路沿いの土地を住宅専用にしてもだれも住みたがらず、かといって商業地域にすると裏の住宅が守れません。そこで、道路の沿道にふさわしい業務は受け入れ、それと調和した範囲で住居の環境を守る地域として、準住居地域が用意されています(9条7項)。13種類の用途地域のうち住居系8地域の一つで、住居系の中では建てられる建物の幅がいちばん広く、住居地域では建てられない倉庫業の倉庫や、作業場の床面積150㎡以下の自動車修理工場、客席200㎡未満の劇場や映画館も建てられます。

業務の利便と住居の環境の、二つを同時に掲げる地域です
9条の定義文は、ほとんどの地域が守るものを一つだけ書きます。第一種住居地域は「住居の環境を保護するため」、商業地域は「主として商業その他の業務の利便を増進するため」です。準住居地域は「業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため」と、二つを一文に並べ、しかも業務の利便を先に置きます。道路沿いの土地は業務で使われるのが自然だと認めたうえで、それが住居を壊さない範囲に収める、という順番です。同じ二本立ての書き方は田園住居地域(農業の利便と低層住宅の環境)にもあり、近隣商業地域は「日用品の供給」を主たる内容とする商業の利便だけを掲げます。

住居系の中で建てられる幅がいちばん広く、それでも住居地域です
建築基準法は、準住居地域に建ててはいけない建物を別表第二(と)項に並べます。作業場の床面積の合計が50㎡を超える原動機を使う工場は原則として建てられませんが、150㎡以下の自動車修理工場は除かれ、客席200㎡未満の劇場や映画館、倉庫業の倉庫も建てられます。第二種住居地域では自動車修理工場の例外も劇場も倉庫業の倉庫も認められないので、この差が「道路の沿道にふさわしい業務」の中身です。一方で、危険物の貯蔵所や大きな工場、キャバレーのような住居の環境を害する用途は禁じられたままで、住居系の枠を出ません。だから都市施設として義務教育施設を定める8地域にも入り(13条1項11号)、幹線道路の裏で子どもが育つ地域であることが前提です。

業務寄りだから、高層住宅や大型店を誘導する地区も重ねられます
準住居地域は、高層住居誘導地区を定められる5つの用途地域(第一種住居、第二種住居、準住居、近隣商業、準工業。9条17項)、開発整備促進区を定められる3つの用途地域(第二種住居、準住居、工業。12条の5第4項4号)、特例容積率適用地区を定められる9つの用途地域(9条16項)のすべてに入っています。低層住居専用地域はどの地区にも入らず、第一種住居地域も開発整備促進区には入りません。準住居地域が三つのすべてに入るのは、道路沿いで業務と住居が混じることを前提にした地域だからです。劇場や大型店といった特定大規模建築物を集める開発整備促進区に、住居系で第二種住居地域と準住居地域だけが入るのも同じ理由です。
都市計画法 9条7項準住居地域は、道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める地域とする。
試験ではこう問われる
- 定義は「道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため」(9条7項)。条文どおりの文は正しい
- 第二種住居地域は「主として住居の環境を保護するため」。準住居地域の定義文を第二種住居地域に付けた文は誤り
- 「近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給」は近隣商業地域の定義(9条9項)。準住居地域と入れ替えた文は誤り
- 映画館は、客席部分の床面積の合計が200平方メートル未満なら準住居地域に建てられる。300平方メートルの映画館は準住居地域でも第二種住居地域でも建てられない
- 高層住居誘導地区を定められる5つの用途地域(第一種住居・第二種住居・準住居・近隣商業・準工業)の一つ
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