特定街区とくていがいく
市街地の整備改善を図るため街区の整備又は造成が行われる地区について、その街区内における建築物の容積率並びに建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限を定める街区です。つまり、道路に囲まれた一区画をまるごと計画し、用途地域の制限をその街区だけの容積率・高さ・壁面の位置に置き換える仕組みです。
都心の超高層ビルの足元に、誰でも通り抜けられる広い広場がある場所を思い浮かべてください。あの多くは、道路に囲まれた一区画(街区)をまるごと一つの計画として整備し、広場を公開する代わりに、用途地域で決まっている容積率や高さの限度を外して、その街区だけの数字を都市計画で定めたものです。この仕組みが特定街区です。都市計画法の地域地区は「地域」か「地区」の名が付きますが、「街区」を単位にするのはこれだけです。敷地一つひとつではなく街区全体で見るので、ビルは高く、足元は広く空けられます。

定めるのは容積率、高さの最高限度、壁面の位置の三つです
街区全体で広場を空ける見返りに、多くの場合は用途地域で決まる数字より大きな容積率を街区に与えます。容積率をいくつにするかは、条文ではなく街区ごとの都市計画で決めます。超高層を認めつつ際限なく高くならないよう、高さは最高限度を定めます。壁面の位置の制限は、道路から壁を後ろに下げて、広場や歩道を街区の縁に確保するためのものです。容積率は一つの数字で最高と最低の区別がなく、高さも最高限度だけです。

高度利用地区と違い、建蔽率と建築面積は定めません
高度利用地区は地区の中に多くの敷地があり、小さな敷地に小さな建物が建つのを防ぐために建蔽率の最高限度と建築面積の最低限度を置きます。特定街区は街区をまるごと一つの計画として整備するので、敷地の細分化を防ぐ仕掛けは要りません。その代わり、超高層の上限として高さの最高限度があります。壁面の位置の制限は、道路側に空間を確保する目的が共通なので両方にあります。
街区の中では、用途地域の容積率や斜線制限が外れます
建築基準法60条は、特定街区内の建築物の容積率と高さは都市計画で定められた限度を超えてはならず、壁面の位置の制限に反して建ててはならない、と定めます。そのうえで、容積率・建蔽率・高さ・斜線制限・日影規制といった一般の制限(建築基準法52条から59条の2まで)は特定街区内には適用しません。用途地域の数字を街区のルールで置き換える、というのはこの意味です。準都市計画区域に置ける地域地区(8条2項)に特定街区は入っていないので、準都市計画区域には定められません。特定街区を定めるのは市町村です。

都市計画法 9条20項特定街区は、市街地の整備改善を図るため街区の整備又は造成が行われる地区について、その街区内における建築物の容積率並びに建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限を定める街区とする。
試験ではこう問われる
- 「市街地の整備改善を図るため街区の整備又は造成が行われる地区について、その街区内における建築物の容積率並びに建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限を定める街区」と条文どおりの記述は正しい(9条20項)
- 定める三つのうち、高さを「最低限度」に変えた記述や、容積率を落とした記述は誤り
- 建蔽率の最高限度や建築面積の最低限度を定めるのは高度利用地区。高さの最高限度又は最低限度を定めるのは高度地区。三つの地区の定める事項の入れ替えに注意
- 準都市計画区域には定められない(8条2項)。定めるのは市町村
- 建築基準法60条: 街区内の容積率と高さは都市計画で定められた限度以下、壁面の位置の制限に反して建築できない。一般の容積率・建蔽率・高さの制限などの規定(52条から59条の2まで)は適用しない
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