地区計画等ちくけいかくとう
地区計画、防災街区整備地区計画、歴史的風致維持向上地区計画、沿道地区計画、集落地区計画の五つをまとめて呼ぶ言葉で、都市計画区域について都市計画に定めることができます。つまり、街区の単位で建物の建て方や小さな道路・公園まで細かく決める都市計画の総称です。
同じ用途地域の中でも、この一角だけは道路から壁を下げて生け垣にしよう、この通りは高さをそろえよう、というように、住民の顔が見える街区の単位で細かい約束を決めたいことがあります。用途地域は市の全体を大づかみに塗り分ける道具なので、そこまで細かくは決められません。この街区単位の都市計画が地区計画で、都市計画法そのものに根拠があります。同じ発想で、密集市街地の防災、歴史的な町並み、幹線道路の沿道、農村の集落という別の課題に合わせた四つの計画が、それぞれ別の法律に用意されています。都市計画法は、この五つをまとめて地区計画等と呼び(4条9項)、都市計画区域について都市計画に定めることができるとしています(12条の4第1項)。

五つとも市町村が定め、準都市計画区域には定められません
地区計画等は、15条1項で都道府県が定めると列挙された都市計画に入っていないので、市町村が定めます。街区ごとの建て方の約束は、住民に一番近い市町村でなければ決められないからです。12条の4第1項の主語は「都市計画区域については」なので、都市計画区域の外にある準都市計画区域には定められません。準都市計画区域は用途地域などで最低限の枠をかける区域で、街区の中まで細かく整える段階にないからです。都市計画には五つのどれかという種類、名称、位置、区域を定め、区域の面積は定めるよう努めるものとされています(12条の4第2項、施行令7条の3)。
案は、区域内の土地の所有者などの意見を求めて作ります
一般の都市計画の案は、必要があると認めるときに公聴会などを開けば足ります(16条1項)。地区計画等は、壁の位置や高さ、用途まで一軒一軒の建て方を縛るので、区域内の土地の所有者その他の利害関係を持つ人の意見を必ず求めて案を作ります(16条2項)。意見の出し方や案の示し方は市町村の条例で定め、意見を求める相手には、対抗要件を備えた地上権者や賃借権者、登記した抵当権者なども含まれます(施行令10条の3・10条の4)。市町村は条例で、住民や利害関係人の側から地区計画等の案の内容を申し出る方法を定めることもできます(16条3項)。

都市計画法 12条の4都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる計画を定めることができる。一 地区計画 二 密集市街地整備法第三十二条第一項の規定による防災街区整備地区計画 三 地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律…第三十一条第一項の規定による歴史的風致維持向上地区計画 四 幹線道路の沿道の整備に関する法律…第九条第一項の規定による沿道地区計画 五 集落地域整備法…第五条第一項の規定による集落地区計画 2 地区計画等については、都市計画に、地区計画等の種類、名称、位置及び区域を定めるものとするとともに、区域の面積その他の政令で定める事項を定めるよう努めるものとする。
試験ではこう問われる
- 種類・名称・位置・区域は定めるもので、区域の面積は努力義務(12条の4第2項)。「面積を定めなければならない」「建蔽率や容積率の最高限度を定めなければならない」は誤り
- 地区計画では、さらに地区整備計画を定めるものとし、目標と整備・開発・保全の方針は努力義務(12条の5第2項)。地区施設や地区整備計画を「定めるよう努める」とした文は誤り
- 地区計画は、用途地域が定められている区域のほか、定められていない区域でも一定の場合に定められる(12条の5第1項)。「用途地域が定められている区域についてのみ」は誤り
- 市街化調整区域の地区計画は、周辺の市街化を促進しないなど、計画的な市街化を図る上で支障がないように定める(13条1項15号イ)
- 定めるのは市町村で、都市計画区域について定める。準都市計画区域には定められない
- 五種類は地区計画・防災街区整備地区計画・歴史的風致維持向上地区計画・沿道地区計画・集落地区計画。案は条例で定める方法により、区域内の土地の所有者などの意見を求めて作る(16条2項)
用語で読んだ論点を、解説つきの肢別演習で確かめられます。無料プランは月300肢まで。