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宅建試験の配点と科目別の目標点の決め方

宅建試験の正しい配点(権利14問・法令8問・税その他3問・業法20問・免除5問)を整理し、合格点が相対評価で変動するからこそ「取りこぼさない科目」を作る目標点の決め方を、タイプ別の具体的な点数配分で解説します。

宅建試験は50問・50点満点ですが、科目ごとの出題数には大きな偏りがあります。そして合格点は「事前に決まった何点」ではなく、その年の難易度で変わる相対評価です。だからこそ大切なのは「固定の目標点を闇雲に追うこと」ではなく、配点を正しく理解したうえで“取りこぼさない科目”を意図的に作ることです。本記事では宅建の正しい配点を整理し、科目ごとに何点を狙うべきかを戦略的に解説します。

なお、各科目の出題テーマや問題番号のさらに細かい内訳は 宅建の配点・点数配分の詳細 でも扱っています。本記事は「目標点の決め方」に重点を置きます。

宅建試験の正しい配点(全50問・1問1点)

宅建試験は全50問、1問1点で50点満点です。科目によって1問の重みが変わることはなく、すべて等しく1点です。出題数の内訳は次のとおりで、これが本記事の基準になります。

科目 問題番号 出題数 主な出題分野
権利関係 問1〜問14 14問 民法・借地借家法・区分所有法・不動産登記法
法令上の制限 問15〜問22 8問 都市計画法・建築基準法・国土利用計画法・農地法・盛土規制法・土地区画整理法など
税・その他の価格の評定 問23〜問25 3問 国税・地方税・地価公示・不動産鑑定評価
宅建業法 問26〜問45 20問 宅地建物取引業法・関連法令
5問免除科目 問46〜問50 5問 住宅金融支援機構・景品表示法・統計・土地・建物
合計 問1〜問50 50問

「税その他」の広義・狭義に注意

宅建では「税その他」という言葉が2通りの意味で使われます。本記事では混同を避けるため、次のように用語を統一します。

  • 狭義の「税・その他(問23〜25)」=3問:税金(国税・地方税)と価格の評定(地価公示・不動産鑑定評価)のみを指す。
  • 広義の「税その他=8問」:上の3問に、5問免除科目(問46〜50)の5問を加えた合計。市販テキストで「税その他」とまとめられる場合はこちらを指すことが多い。
区分 含まれる範囲 問題番号 合計
狭義「税・その他」 税金+価格の評定 問23〜25 3問
免除科目 機構・景表法・統計・土地・建物 問46〜50 5問
広義「税その他」 上記2つの合計 問23〜25+問46〜50 8問

以降、目標点の表では原則として狭義の「税・その他(3問)」と「免除科目(5問)」を分けて扱います。

合格点は相対評価で毎年変わる

宅建の合格点は事前に固定されておらず、その年の問題の難易度に応じて決まる相対評価(上位者から一定割合が合格する方式)です。難しい年は合格点が下がり、易しい年は上がります。近年の合格点は次のとおりです。

年度 合格点
令和7年(2025年) 33点
令和6年(2024年) 37点
令和5年(2023年) 36点
令和4年(2022年) 36点
令和元年(2019年) 35点

ここ数年は33〜37点の幅で動いており、合格率は18%台で推移しています。つまり「○点取れば必ず合格」という固定ラインは存在しません。だからこそ目標設定の本質は、何点取るかよりも「どの科目で確実に点を積み上げるか」にあります。難しい年に合格点が下がっても上位に残れるよう、安定して取れる得点源を持っておくことが合格の決め手になります。

目標は合格点ではなく「38点前後」を基準に

合格点が変動する以上、その年の合格点ぴったりを狙うのは危険です。近年の最高値(37点)に余裕を上乗せした38点前後を実力の目標に置くと、合格点が高い年でも対応できます。

目標レベル 目安の点数 位置づけ
最低ライン 36点 合格点が低い年なら届く
標準目標 38点 多くの年で合格圏
安全目標 40点 ほぼ確実に合格
理想目標 42点以上 どの年でも余裕

科目別「得点しやすさ」と目標点の考え方

目標点は「出題数が多い順」ではなく「得点のしやすさ順」で組み立てます。努力が点に直結する科目を厚く、伸びにくい科目は深追いしない――これが基本方針です。得点しやすさの順番はおおむね次のようになります。

  1. 宅建業法(20問):最も配点が大きく、最も得点しやすい。最優先の得点源。
  2. 法令上の制限(8問):暗記中心で点が安定。第2の得点源。
  3. 免除科目(5問):範囲が狭く対策しやすい。確実に積み上げたい。
  4. 税・その他=狭義(3問):出題が読みづらいが、半分は取りたい。
  5. 権利関係(14問):出題数は多いが難問も多い。深追いせず半分前後を確保。

宅建業法(20問):18〜20点を狙う最重要の得点源

宅建業法は配点が最大(20問)で、かつ出題パターンが安定し過去問の焼き直しも多いため、学習量がそのまま点数になります。ここを取りこぼすと他科目でいくら頑張っても挽回が難しくなります。18点以上(できれば19〜20点)を合格の前提条件と考えましょう。20問中2問までしかミスできない、という意識で仕上げます。

法令上の制限(8問):6〜7点で第2の柱に

法令上の制限は、覚えるべき数字や用語は多いものの、正確に暗記すれば確実に得点できる分野です。建築基準法・都市計画法を中心に、横断整理や語呂合わせで知識を固めれば8問中6〜7点が安定して狙えます。宅建業法に次ぐ第2の得点源として位置づけます。

免除科目(5問):一般受験でも3〜4点を確保

免除科目(問46〜50)は範囲が狭く対策しやすいのが特徴です。住宅金融支援機構・景品表示法・土地・建物は過去問対策で得点でき、統計は直前期の暗記で1点取れます。5問免除の資格がない一般受験者でも5問中3〜4点は十分に確保できます。費用対効果が高いので、直前期に必ず詰めておきたい分野です。

5問免除者の場合:登録講習修了者は問46〜50が免除(自動的に正解扱い)となり、残り45問で合否が判定されます。実質的に5点が上乗せされるアドバンテージなので、対象者は活用を強くおすすめします。

税・その他=狭義(3問):1〜2点を取りこぼさない

狭義の税・その他(問23〜25)は、税金(国税・地方税)から2問、価格の評定(地価公示・不動産鑑定評価)から1問程度が出題されます。出題テーマが年によって入れ替わるため山が張りにくい分野ですが、頻出テーマに絞れば3問中1〜2点は確保できます。深入りせず、出やすい論点だけ押さえるのが効率的です。

権利関係(14問):深追いせず7〜9点を「守る」

権利関係は14問と出題数こそ多いものの、毎年2〜3問は法律の深い理解を問う難問が混ざり、学習時間を増やしても得点が頭打ちになりやすい分野です。全問正解を狙うのは非効率なので、借地借家法・区分所有法・不動産登記法といった得点しやすいテーマと、民法の基礎・標準問題を確実に取り、半分前後(7〜9点)を“守る”のが現実的です。難問は割り切って捨て、確実な問題でミスをしないことを優先します。

タイプ別・目標点の配分例

ここまでの方針を踏まえ、学習スタイル別の目標点配分を示します。いずれも合計50問・1問1点で計算し、現実的に到達できる配分にしています。

業法重視型(短期・効率重視)

得点源の宅建業法と暗記科目に絞り込み、権利関係は深追いしないタイプです。学習時間が限られる人向け。

科目 出題数 目標点 方針
宅建業法 20問 19点 最優先。満点近くまで仕上げる
法令上の制限 8問 6点 暗記で安定させる
免除科目 5問 4点 過去問+直前暗記で確保
税・その他 3問 1点 頻出論点のみ
権利関係 14問 7点 基礎・借地借家・区分所有に絞る
合計 50問 37点 合格圏を狙う

バランス型(標準的な学習時間)

全科目をまんべんなく仕上げ、特定科目に依存しない安定型。最もおすすめの標準モデルです。

科目 出題数 目標点 方針
宅建業法 20問 18点 高得点を確保
法令上の制限 8問 7点 第2の柱として高精度に
免除科目 5問 4点 確実に積み上げる
税・その他 3問 2点 半分以上を狙う
権利関係 14問 9点 基礎〜標準を確実に
合計 50問 40点 安全圏

確実合格型(学習時間が十分に取れる)

時間をかけて全科目を底上げし、合格点が高い年でも余裕を持って合格するタイプです。

科目 出題数 目標点 方針
宅建業法 20問 19点 満点近くを維持
法令上の制限 8問 7点 取りこぼさない
免除科目 5問 5点 満点を狙う
税・その他 3問 2点 安定して取る
権利関係 14問 10点 標準以上を確保
合計 50問 43点 どの年でも余裕

いずれの型でも共通するのは、宅建業法・法令上の制限・免除科目という“取りこぼさない科目”で土台を固め、権利関係の難問の出来に合否を左右されない構造を作るという点です。

試験対策のチェックポイント

  • 宅建業法18点以上が合格の前提:20問中ミスは2問まで、という意識で仕上げる。
  • 法令上の制限と免除科目は暗記の精度勝負:数字1つのミスが失点に直結する。直前期に詰め切る。
  • 権利関係は取捨選択:借地借家法・区分所有法・不動産登記法は落とさず、民法の難問は割り切る。
  • 狭義の税・その他は欲張らない:3問で1〜2点取れれば十分。深入りは非効率。
  • 模試で目標配分どおり取れているか確認:足りない科目があれば学習時間の配分を調整する。

理解度チェッククイズ

Q1. 宅建試験で最も配点が大きい科目は権利関係である。(○か×か)

答えを見る ×:最も配点が大きいのは宅建業法(20問)です。権利関係は14問で2番目に出題数が多い科目です。

Q2. 宅建試験には合格点があらかじめ固定されている。(○か×か)

答えを見る ×:宅建の合格点はその年の難易度に応じて決まる相対評価で、毎年変動します。近年は33〜37点の幅で推移しています。だからこそ固定点を追うより「取りこぼさない科目」を作ることが重要です。

Q3. すべての科目で80%以上の正答率がないと合格できない。(○か×か)

答えを見る ×:全科目で高得点を取る必要はありません。例えば権利関係が半分前後(7〜9点)でも、宅建業法・法令上の制限・免除科目で着実に積み上げれば40点に届きます。科目ごとの特性に応じた配分が鍵です。

Q4. 「税その他」と言えば必ず3問のことである。(○か×か)

答えを見る ×:狭義の「税・その他(問23〜25)」は3問ですが、これに免除科目5問を加えた広義の「税その他」は8問を指します。テキストや文脈によって意味が変わるため、どちらを指すか確認が必要です。

まとめ

  • 正しい配点:権利関係14問・法令上の制限8問・税その他(狭義)3問・宅建業法20問・免除科目5問の合計50問。1問1点。
  • 合格点は相対評価で毎年変動する:固定の何点を追うのではなく、安定して取れる得点源を作ることが本質。
  • 目標点は得点しやすさ順に組む:宅建業法18〜20点を軸に、法令上の制限・免除科目で土台を固め、権利関係は深追いせず半分前後を確保する。
  • 自分の学習時間に合ったタイプ(業法重視型・バランス型・確実合格型)で、合計38点前後を目標に配分を設計しよう。

よくある質問(FAQ)

Q. 結局、何点を目標にすればいいですか?

合格点が毎年変わるため、近年の最高値(37点)に余裕を足した38点前後を実力目標にするのが安全です。合格点が低い年なら余裕で、高い年でもギリギリ届く水準です。学習時間が取れるなら40点以上を目指しましょう。

Q. 権利関係を捨てて他科目でカバーできますか?

完全に捨てるのはおすすめしません。権利関係が極端に低いと、他科目をほぼ満点にする必要が出て負担が偏ります。難問は割り切ってよいですが、借地借家法・区分所有法・不動産登記法や民法の基礎は取りこぼさず、7〜9点は確保しておきましょう。

Q. 宅建業法で20点満点は狙うべきですか?

満点を狙うより、18点以上を安定させることを目標にしましょう。毎年1〜2問は迷う問題が出るため、19点を安定して取れる実力があれば結果的に満点になる年もある、という考え方が現実的です。

Q. 免除科目は一般受験でも得点できますか?

できます。範囲が狭く対策しやすいため、住宅金融支援機構・景品表示法・土地・建物は過去問で、統計は直前暗記で対応でき、5問中3〜4点は十分狙えます。費用対効果が高い分野なので直前期に必ず固めましょう。


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