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フォーサイト宅建講座|料金と合格率の読み方

試験対策・勉強法 読了 約24分

フォーサイトの宅建講座を公式サイトの公表情報だけで整理します。2026年8月28日時点のコース構成と価格、公表合格率75.0%の算出方法、不合格時の制度、教育訓練給付の確認方法を扱います。

目次

    この記事は、フォーサイトの宅建講座について、公式サイトが公表している事実を確認し、その読み方を整理するものです。他社を含めた選び方の軸は宅建の通信講座の選び方に、費用の全体像は宅建の予備校の選び方にあります。

    最初に、この記事の性質を明示します。筆者はこの講座を受講していません。したがって、教材が分かりやすいか、講義が聞き取りやすいか、サポートの対応が丁寧かといった、受講しなければ分からないことは書きません。「評判が良い」「口コミが多い」といった記述も、出所を示せないので書きません。

    書くのは二つです。一つは、公式サイトに表示されている事実。価格、コースの構成、教材の内訳、公表されている合格率とその算出方法、不合格時の制度、教育訓練給付の扱い。もう一つは、その情報をどう読むかという方法です。とくに公表合格率の読み方は、この講座に限らず、どの通信講座を検討するときにも使えます。

    以下の記載は2026年8月28日に公式サイトで確認した内容です。価格もコース構成も改定されるため、申し込む前には必ず公式サイトで最新の表示を確認してください。

    コース構成と価格

    バリューセットという名称の三段階

    フォーサイトの宅建講座は、バリューセットという名称のパッケージで販売されています。バリューセット1、2、3の三段階で、番号が大きくなるほど含まれる講座が増えます。

    バリューセット3のページには、含まれる講座として基礎講座、過去問講座、直前対策講座、科目別答練講座、そして過去問一問一答演習が表示されていました。上位のセットが下位のセットを包含する構成なので、価格差はこの講座の数と対応しています。バリューセット1と2にそれぞれ何が含まれるかは、コースページの比較表で確認してください。この記事では、表示が判別できた範囲を超えて内訳を書くことはしません。

    価格

    公式サイトのコースページに表示されていた税込価格は次のとおりです。バリューセット1が59,800円、バリューセット2が64,800円、バリューセット3が69,800円。いずれも送料は別途とされています。

    バリューセット3にはDVDオプションを付けた構成もあり、こちらは78,800円です。通常セットとの差額は9,000円と表示されていました。

    三段階の価格差は、1と2の間が5,000円、2と3の間が5,000円です。全部入りのバリューセット3と最小構成のバリューセット1の差は1万円で、講座の数の違いに対して価格差は大きくありません。この構造は選択に影響します。予算が許すなら上位を選ぶか、あるいは含まれる講座を実際に使い切れるかで判断するか、という比較になります。

    バリューセット3の教材の内訳

    バリューセット3のページには、教材の内訳が具体的に表示されていました。基礎講座のテキストが4冊、問題集が5冊、再現問題集、模擬試験1回分、直前対策の特別テキストが2冊、科目別答練の問題用紙が4冊と解答・解説が4冊と解答用紙が4枚です。

    冊数が明示されている点は、教材の分量を見積もるうえで参考になります。ただし、1冊あたりのページ数や講義の総時間は表示されていませんでした。したがって、他社と分量を比較したい場合、この情報だけでは足りません。

    確認できなかったこと

    正直に書いておきます。次の項目は公式サイトで確認できませんでした。

    講義の総収録時間。バリューセット1とバリューセット2それぞれに含まれる講座の正確な内訳。デジタルプランの価格。バリューセット3の全額返金保証の詳細な適用条件(該当ページに到達できませんでした)。

    これらについては、この記事では書きません。他社のレビュー記事に数値が書かれていることがありますが、公式の表示と一致するかは確認できないので、申し込み前に自分で確認することをおすすめします。

    教材と学習環境として公表されている内容

    テキストと講義動画

    公式サイトは、テキストについてフルカラーであることを表示しています。紙の教材が届く形式で、後述するeラーニングシステムでもデジタルテキストを閲覧できると案内されています。

    講義動画については、最大15分以内の単元に区切られていると表示されていました。1本あたりが短いという設計思想が示されていることになります。ただし、単元の長さと講義の総時間は別の情報なので、短い単元がいくつあるのかは、この表示だけでは分かりません。

    紙とデジタルの両方が来る構成

    公表内容から読み取れる特徴の一つが、紙のテキストとデジタルテキストの両方が提供される構成になっている点です。バリューセット3では基礎講座のテキスト4冊をはじめとする冊子が送付され、同じ内容をManaBun上でも閲覧できると案内されています。

    この構成は、学習の場所によって使い分けができることを意味します。机に向かうときは紙、移動中はスマートフォン、という形です。一方、デジタルのみの講座に比べると価格は上がり、紙のみの教材に比べると端末が必要になります。

    どちらが自分に向くかは、学習時間をどこで確保しているかで決まります。まとまった時間を家で取れる人は紙の比重が高くなり、細切れの時間を積み上げる人はデジタルの比重が高くなります。自分の学習時間の内訳を先に把握しておくと、この判断がしやすくなります。

    ManaBunという学習システム

    eラーニングシステムの名称はManaBunです。バリューセット1のページに表示されていた機能は次のとおりでした。講義動画と音声、デジタルテキスト、学習スケジュール、eライブスタディ、過去問再現演習、チェックテスト、確認テスト、合格カード、用語集。

    この中で、後述する制度と直結するのが確認テストです。不合格時の特典も、教育訓練給付の修了認定も、確認テストの得点が条件になっています。つまり確認テストは、単なる理解度チェックではなく、制度上の判定に使われる仕組みでもあります。

    学習スケジュールの機能は、計画を自分で立てるのが苦手な人にとって意味があります。ただし、機能があることと、その機能が自分に合うことは別なので、資料請求や無料体験で実際の画面を見てから判断するのが確実です。

    質問対応

    質問対応について、公式サイトはバリューセットについて無制限と表示していました。デジタルプランについては無料質問10回と表示されています。

    この点は注意が必要です。フォーサイトを紹介する記事の多くが「質問回数に制限がある」「10回から15回程度」と書いていますが、2026年8月28日時点でバリューセットのページに表示されていたのは無制限です。過去の条件がそのまま引用され続けている可能性があります。

    これはフォーサイトに限った話ではありません。講座の条件は改定されるのに、レビュー記事は更新されないまま検索結果に残ります。質問回数のように選択を左右する条件は、記事ではなく公式表示で確認してください。他社の質問制度の比較は宅建の通信講座の選び方にまとめてあります。

    公表合格率75.0%をどう読むか

    数値と算出方法

    フォーサイトは公式サイトで、2025年実績の合格率として75.0%という数値を公表しています。そして同じページに、算出方法を次のように明記しています。確認テスト・学力テストの条件を満たした受講生のうち、受験番号を提出した合格者数で算出。さらに、第三者機関であるかがやき監査法人による合意された手続業務を実施したとも記載されています。

    まず押さえるべきは、算出方法が書かれているという事実です。これは評価すべき点です。数値だけを掲げて定義を示さない場合、読み手には検証のしようがありません。定義が書かれていれば、その定義で何が測られているのかを読み手が判断できます。

    分母が絞られると何が起きるか

    そのうえで、この定義が何を意味するかを読みます。

    分母に入るのは、確認テストと学力テストの条件を満たした受講生です。教材が届いた時点で学習をやめた人、途中で離脱した人は、この条件を満たさないので分母から外れます。学習を続けた人だけが残る分母だということです。

    さらに、合格者としてカウントされるには受験番号の提出が必要です。これは受講生の側の能動的な行為です。合格した人は報告する動機がありますが、不合格だった人は報告しないまま終わる可能性が構造的に高くなります。

    この二つが重なると、数値は上振れします。これはこの会社に固有の問題ではありません。通信講座は受講生の合否を全数把握できないため、何らかの絞り込みが避けられない業態です。全受講生の受験結果を漏れなく追跡している事業者は存在しません。

    したがって、75.0%という数値は「この講座を選べば75%の確率で合格する」という意味には読めません。「学習の条件を満たし、かつ結果を報告した受講生の中では、この割合が合格していた」という意味です。

    「全国平均の約4倍」という表現

    通信講座の広告でよく使われるのが、全国平均の何倍という表現です。ここで比較されている全国平均が何かを確認しておきます。

    不動産適正取引推進機構が公表した令和7年度宅地建物取引士資格試験の結果によれば、申込者数306,099人、受験者数245,462人、合格者数45,821人、合格率18.7%でした。令和6年度は18.6%です。年度別の推移は宅建試験の合格率推移にまとめてあります。

    18.7%のおよそ4倍が75%です。数値としては対応しますが、この二つは測っているものが違います。18.7%の分母は、受験料を払って会場に来た人全員です。宅建試験には受験資格がなく、ほとんど学習せずに受験した人も、記念受験の人も、この分母に含まれています。一方、75.0%の分母は、有料の講座に申し込んだうえで学習の条件を満たした人です。

    学習量が違う二つの集団を比べれば、教材の質と無関係に差が出ます。ここで測られているものの一部は、講座の効果ではなく、集団の違いです。

    この記事では自前の計算をしない

    もう一点、方法について書いておきます。「全国平均の約4倍」という表現から逆算して受講生の合格率を推定する、という書き方をしている記事があります。この記事ではそれをしません。

    倍率という表現がどの年度の全国平均を指しているのかが明示されていない場合、逆算した数値は前提次第で動きます。18.7%の4倍と、15%の4倍では結果が違います。公表されている数値が75.0%であるなら、それをそのまま扱えば足ります。推定を重ねると、元の情報にはなかった精度が生まれたように見えてしまいます。

    他社の数値と並べられない

    以上を踏まえると、各社の公表合格率を並べて優劣を論じることには意味がありません。分母の定義が違えば、数値の大小は定義の違いを反映しているだけだからです。

    分母を全受講生にすれば数値は下がり、学習条件を満たした人に絞れば上がります。報告制にすればさらに上がります。定義を厳しくした事業者ほど数値が低く見える、という逆転が起こりえます。他社の講座についてはアガルート宅建講座スタディング宅建講座でも同じ観点で扱っています。

    合格率の高い講座を選んでも自分の確率は変わらない

    もう一段、踏み込んでおきます。仮にある講座の受講生の合格率が実際に高かったとしても、それは自分がその講座を選んだときの合格確率を意味しません。

    理由は、講座を選ぶ人と選ばない人が、もともと違う集団だからです。数万円を払って通信講座に申し込む人は、その時点で一定の投資判断をしています。学習時間を確保する見込みがあり、合格の必要性を感じている人ほど申し込みます。この違いは、教材の質とは無関係に結果に反映されます。

    同じことは、複数の講座を比べる場合にも起こります。高額な講座を選ぶ層と低価格の講座を選ぶ層では、予算に加えて、学習にかけられる時間や覚悟も違いえます。数値の差がどこから来ているのかを分離することは、公表データからはできません。

    したがって、合格率は「この講座を選ぶと自分がどうなるか」を教えてくれる指標ではありません。教えてくれるのは、その事業者がデータをどう扱っているかです。

    合格率から読み取れる実用的な情報

    では合格率の欄を見る意味がまったくないかというと、そうでもありません。次の三点は読み取れます。

    第一に、算出方法を公表しているかどうか。定義を書いている事業者は、検証可能性を確保しようとしています。書いていない数値は、そもそも読めません。

    第二に、第三者の検証が入っているかどうか。監査法人等による手続の記載があるかは一つの目安になります。

    第三に、自分がその分母に入れるかどうか。確認テストと学力テストの条件が分母の要件になっているなら、それは自分が達成すべき学習水準の目安でもあります。数値の高さより、この条件のほうが実用的な情報です。

    不合格時の制度

    バリューセット1・2の翌年デジタルプラン無料提供

    公式サイトによれば、バリューセット1と2には、不合格の場合に翌年のデジタルプランを無料で提供する制度があります。

    適用条件として表示されていたのは三つです。すべての確認テストで80点以上を取得すること。学力テストの得点が受験者の上位56%に入ること。受講期間内に受験票を提出すること。

    三つ目は手続の問題ですが、一つ目と二つ目は学習の水準に関する条件です。とくに「すべての確認テストで80点以上」は、一回でも下回れば条件を満たさないという読み方になります。この制度を織り込んで受講を決めるなら、この水準を自分が維持できるかを先に見積もる必要があります。

    バリューセット3の全額返金

    バリューセット3については、条件を満たした場合に受講料を全額返金する制度が案内されています。ただし、適用条件を詳しく記載したページには到達できませんでした。したがって、この記事では条件の中身を書きません。申し込み前に公式サイトで条件を確認してください。

    一般に、この種の返金制度には学習の進捗と本試験の受験に関する条件が付きます。制度があること自体より、その条件を自分が満たせるかのほうが重要です。

    返金制度を選択の理由にしない

    制度の存在は安心材料ですが、講座を選ぶ理由としては弱いと考えてください。理由は二つあります。

    一つは、条件を満たすためにやることが、結局は真面目に学習することだからです。すべての確認テストで80点以上を取り、学力テストで一定水準に入り、本試験を受験する。これを実行できる人は、返金制度がなくても同じことをします。

    もう一つは、返金を前提にすると学習の動機がずれることです。「不合格でも戻ってくる」という状態は、合格に向けた集中を弱める方向に働きえます。制度は最後の保険として扱い、選択の主軸は教材とサポートの内容に置いてください。

    確認テストが三つの制度の軸になっている

    同じ条件が三か所に現れる

    ここまでに出てきた情報を並べると、一つの構造が見えてきます。

    公表合格率の分母は、確認テストと学力テストの条件を満たした受講生です。バリューセット1・2の不合格時の特典は、すべての確認テストで80点以上を取ることが条件です。教育訓練給付の修了認定基準も、確認テストを全回80点以上得点することです。

    三つとも、確認テストの得点が判定に使われています。これは偶然ではなく、この講座の設計そのものだと読めます。eラーニング上で確認テストを受け、一定の得点を維持することが、制度上の各種の扱いに接続されている。そういう作りになっています。

    この設計が受講者にとって意味すること

    受け手の側から見ると、二つの意味があります。

    一つは、やるべきことが明確になることです。何を目標に学習を進めればよいかが、確認テストの得点という一つの指標に集約されています。学習の進め方に迷ったとき、「まず確認テストで80点を取る」という基準があるのは、計画を立てるうえで扱いやすい形です。

    もう一つは、条件を外したときに複数の権利を同時に失うことです。確認テストを一つ落とせば、不合格時の特典の条件も、給付の修了認定も、同時に満たせなくなります。「すべての確認テストで80点以上」という条件は、一度でも下回れば取り返しがつかない可能性があります。

    検討段階で見積もるべきこと

    したがって、この講座を検討するときに見積もるべきなのは、価格でも合格率でもなく、確認テストで80点以上を継続して取れるかどうかです。

    これは学力の問題というより、学習を継続できるかの問題に近いと考えられます。確認テストは各単元の学習後に受けるものなので、単元を飛ばさず順に進めていれば得点は取れる設計になっているはずです。逆に、動画だけ見て確認テストを飛ばす、あるいはまとめて後でやろうとして積み残す、という進め方だと条件から外れます。

    給付を受けることや不合格時の特典を織り込んで予算を組む場合は、この点を先に確認してください。制度の存在ではなく、条件を満たせるかどうかが、実際に受け取れるかを決めます。

    他社を見るときにも同じ観点を使う

    この観点は他社にも当てはまります。返金制度や合格特典を用意している事業者は、必ず何らかの条件を付けています。合格体験記の提出、インタビューへの出演、一定の学習進捗、本試験の受験。

    制度の名称と金額だけを比べるのではなく、条件が何で、それを自分が満たせるかを見てください。条件を満たせない制度は、存在しないのと同じです。各社の合格特典と返金制度の条件は宅建の通信講座の選び方で横並びに整理しています。

    教育訓練給付制度の対象かを確認する

    公表されている内容

    フォーサイトの教育訓練給付制度のページには、バリューセット1、2、3が対象であると表示されていました。給付率は受講料の20%、上限は10万円、給付額が4千円を超えない場合は支給されない、と記載されています。

    DVDオプションの料金と送料は給付の対象外です。また、修了認定基準として、確認テストを全回80点以上得点することが示されていました。給付は受験の有無や合否には関係なく、修了要件を満たしたかどうかで決まる旨も記載されています。

    ここでも確認テストが条件になっています。不合格時の特典、教育訓練給付の修了認定、そして公表合格率の分母。三つとも確認テストの得点が関わる設計です。この講座を検討するなら、確認テストで80点以上を継続して取れるかどうかが、実質的な分かれ目になります。

    給付率と下限額の意味

    一般教育訓練の給付率は20%です。受講料59,800円なら、およそ1万2千円が戻る計算になります。上限10万円に届くのは受講料50万円の講座なので、宅建の通信講座では上限が問題になることはまずありません。

    むしろ効いてくるのが下限です。給付額が4千円を超えない場合は支給されません。給付率20%で4千円ということは、受講料が2万円程度を下回る講座では給付を受けられないことになります。低価格帯の講座を検討している場合、そもそも制度の射程外である可能性があります。

    自分で確認する方法

    重要なのは、公式サイトの表示だけを根拠に判断しないことです。教育訓練給付の指定はコース単位で行われます。同じ事業者の講座でも、コースや開講月によって対象と対象外が分かれます。

    厚生労働省の教育訓練給付制度検索システムで、申し込む予定のコースそのものが指定されているかを検索してください。事業者名で検索して一覧を見れば、どのコースが指定されているかが分かります。制度の全体像、受給要件、申請の期限は宅建の教育訓練給付金にまとめてあります。

    受給要件は自分の側にもある

    給付を受けられるかは、講座が指定されているかだけでは決まりません。受講する本人の雇用保険の加入期間が要件になります。

    ハローワークインターネットサービスの記載によれば、一般教育訓練給付金は、受講開始日時点で雇用保険の支給要件期間が3年以上ある人が対象です。ただし初めて受給する場合は1年以上で足ります。離職している場合は、資格を喪失した日から受講開始日までが1年以内である必要があります。

    申請期限も短く、修了日の翌日から1か月以内です。宅建試験の直後と重なることがあるので、修了の見込みが立った段階で書類の受け取り方法を確認しておいてください。

    年度と申し込みのタイミング

    講座は年度目標で売られている

    通信講座は、何年度の試験を目標とするかを指定して販売されます。フォーサイトのコースページにも「2026年試験対策」といった表示があります。

    これは当たり前のようで、見落とすと問題になります。宅建は毎年10月の第3日曜日に実施され、法改正はその年の4月1日時点の法令が基準になるのが通例です。年度目標が違えば、教材に反映されている法令の基準日が違います。

    したがって、申し込むときに確認すべきなのは価格だけではありません。その価格がどの年度の試験に対応した教材のものかを確認してください。年度が切り替わる時期には、旧年度版が割引されていることがあります。安いのには理由があります。

    申し込む時期による違い

    年間を通じて申し込める講座でも、時期によって手元に来るものが変わります。直前対策講座や答練は、試験に近い時期に配信・発送されるのが通常です。したがって、直前期に申し込んだ場合、基礎講座を消化する時間が残っていない、ということが起こりえます。

    学習開始の時期から逆算して、必要な学習時間が確保できるかを先に見積もってください。時間の見積もり方は宅建の勉強時間にまとめてあります。

    年度をまたぐ場合に何が残るか

    今年の試験に届かず、翌年も学習を続ける場合を想定しておいてください。このとき問題になるのは、手元に何が残るかです。

    紙のテキストは残ります。しかし、eラーニングへのログイン期限、動画の視聴期限、質問できる期間は、それぞれ設定されている場合があります。期限が切れれば、紙の教材だけが残ることになります。

    そして翌年は法改正が入ります。前年度の教材をそのまま使い続けると、改正前の内容で覚えてしまう危険があります。フォーサイトのバリューセット1・2には、条件を満たした場合に翌年のデジタルプランを無料で提供する制度がありますが、これはまさにこの問題への対応です。制度を使わない場合、翌年の教材費が別途かかることを予算に入れておいてください。

    資料請求と無料体験を先に使う

    多くの事業者が、サンプル教材の送付や無料体験を用意しています。フォーサイトも資料請求の窓口を設けています。

    価格とコース構成は公式サイトで分かりますが、テキストのレイアウトが自分に合うか、講義の話し方が聞き取りやすいかは、実物を見なければ判断できません。この記事で書けないのもそこです。数万円の判断をする前に、無料で確認できるものは確認しておいてください。

    覚え方・整理の仕方|公表情報から判断する手順

    ここからは、フォーサイトに限らず通信講座を検討するときに使える手順です。

    手順1 価格に何が含まれるかを分解する

    表示価格を見る前に、その価格に何が含まれるかを分解してください。確認する項目は、講義、紙のテキスト、問題集、模試、直前対策、答練、質問対応、法改正情報の提供、送料です。

    含まれていないものは後から追加費用になります。フォーサイトの場合、送料が別途であることと、DVDオプションが別料金であることが表示されていました。この種の「別途」の項目を洗い出してから、総額で比較します。

    手順2 質問対応の条件を確認する

    質問できるかどうかではなく、どういう条件で質問できるかを見ます。回数制限の有無、回数制の場合の上限、追加購入の可否と価格、回答までの日数、質問できる期間。

    とくに期間は見落とされます。受講期間が終わると質問もできなくなる設計が一般的なので、次のような場合に問題になります。今年の試験に落ちて翌年も学習を続けるとき、質問の窓口が残っているかどうか。

    手順3 受講期間とサポートの期限を確認する

    教材の閲覧期限、動画の視聴期限、eラーニングへのログイン期限は、それぞれ別に設定されていることがあります。紙のテキストは手元に残っても、動画が見られなくなる、という状態はありえます。

    不合格時の制度がある場合、その制度で提供されるものの期限も確認してください。翌年のプランが無料で提供されるとしても、それがどの範囲のプランなのかで価値が変わります。

    手順4 法改正情報の提供方法を確認する

    宅建は毎年のように法改正が入ります。教材が印刷された後に施行される改正について、どう情報が提供されるかを確認してください。追補の配布、eラーニング上での更新、直前対策講座での言及など、方法は事業者によって違います。

    年度をまたいで教材を使う場合は特に重要です。前年度の教材で学習を続けると、改正前の内容を覚えてしまう危険があります。改正の扱いは民法改正のポイントも参考になります。

    手順5 模試と答練の回数を数える

    インプットの講義は各社が用意していますが、差が出やすいのは演習量です。模試が何回分含まれるか、答練が何回分かを数えてください。

    フォーサイトのバリューセット3では、模擬試験1回分と科目別答練(問題用紙4冊)が表示されていました。演習量が足りないと感じる場合は、市販の問題集や他社の公開模試で補うことになります。その追加費用も総額に入れて比較してください。模試の使い方は模試の活用法にまとめてあります。

    手順6 総額と、戻ってくる額を分けて計算する

    比較するときは、表示価格ではなく総額で並べてください。総額は、受講料に送料と必要なオプションを足し、追加で買う予定の市販教材や外部模試の費用を足したものです。

    そのうえで、戻ってくる可能性のある額を別に計算します。教育訓練給付が使えるなら受講料の20%。不合格時の返金や翌年の無料提供が使えるなら、その条件付きの価値。

    この二つを混ぜないことが重要です。給付は修了要件を満たせば受験の合否に関係なく支給されるので、比較的確実性が高い。一方、不合格時の制度は、不合格になったうえで条件も満たしたときにしか働きません。確実性の違うものを同じ「実質価格」として合算すると、判断を誤ります。表示価格から給付分だけを引いた額を実質負担と考え、不合格時の制度は計算に入れないでおくのが安全です。

    手順7 迷ったときの決め方

    軸を並べても決めきれないことがあります。その場合の考え方を二つ書いておきます。

    一つは、譲れない条件を二つだけ選ぶことです。価格、紙のテキストの有無、質問の回数、模試の回数、学習管理機能、給付の対象かどうか。この中から二つに絞り、その二つを満たすものだけを候補にします。全項目で最良のものを探そうとすると決まりません。

    もう一つは、迷ったら安いほうを選ぶことです。宅建の学習で最終的に得点を作るのは演習量であり、これはどの講座を選んでも自分で積むしかありません。差額を市販の問題集や外部模試に回したほうが、得点に直結する場合があります。予備校型との費用差の考え方は宅建の予備校の選び方で扱っています。

    手順8 独学との差分を言葉にする

    最後に、講座を使うことで何が手に入るのかを自分の言葉で書いてください。市販のテキストと過去問集を買えば、教材そのものは1万円台で揃います。詳しくはおすすめテキストの選び方無料の学習教材を参照してください。

    それでも講座に数万円を払う理由があるとすれば、教材の選定を代行してもらえること、学習の順序が設計されていること、質問できる相手がいること、進捗が可視化されることのいずれかです。この四つのうち、自分が本当に必要としているものを特定してください。どれも必要ないなら、独学のほうが速くなります。判断の材料は独学合格ガイド予備校と独学の併用にあります。

    試験での出題ポイント|講座を選ぶ前に知っておく配点

    講座選びの前提として、宅建試験の構成を押さえておいてください。どの講座を選ぶかより、どこに時間を配分するかのほうが得点に効きます。

    配点の偏り

    50問の内訳は、宅建業法20問、権利関係14問、法令上の制限8問、税・その他8問です。宅建業法だけで全体の4割を占めます。詳しい配分の考え方は宅建の科目別攻略法にあります。

    宅建業法は条文の要件と数字が明確で、正誤の判定が一義的に決まる問題が多い領域です。演習量がそのまま得点に反映されやすいので、講座のインプットより演習の量が効きます。頻出論点は宅建業法の頻出論点を参照してください。

    講義の分かりやすさが効く場面

    一方、権利関係は当事者の関係を追う必要があり、条文を読むだけでは構造がつかみにくい領域です。ここは講義の説明が効きます。講座の価値を判断するなら、権利関係の講義を無料体験で見て、自分に合うかを確かめるのが最も情報量の多い方法です。

    5問免除が使えるかを先に確認する

    宅建業に従事している人が登録講習を修了すると、登録講習修了試験に合格した日から3年以内の試験で問46から問50までの5問が免除されます(宅地建物取引業法施行規則10条の14)。この制度が使えるかどうかは、必要な学習範囲そのものを変えます。

    不動産適正取引推進機構の公表によれば、令和7年度試験における登録講習修了者の合格率は24.2%で、全体の18.7%を上回っています。免除を受けられる立場なら、講座を選ぶ前にこちらを確認してください。免除される5問の対策に費やす時間が丸ごと不要になります。

    なお、登録講習は宅建業に従事している人が対象で、通信講座とは別の制度です。講座がこの講習を提供しているとは限らないので、勤務先や講習実施機関に確認してください。

    講座を選んでも変わらないこと

    どの講座を選んでも、肢別の演習量は自分で積むしかありません。講義を見る時間と演習の時間の配分を誤ると、教材の質にかかわらず得点が伸びません。記憶と復習の設計は宅建の暗記術で扱っています。

    理解度チェッククイズ

    第1問。フォーサイトが公表している合格率75.0%は、同社の宅建講座の全受講生を分母として算出されたものである。

    答えは誤り。公式サイトに明記されている算出方法は、確認テスト・学力テストの条件を満たした受講生のうち、受験番号を提出した合格者数で算出する、というものです。学習の条件を満たさなかった受講生は分母に入らず、また合格者としてカウントされるには受験番号の提出という能動的な行為が必要です。全受講生を分母にした数値ではありません。なお、算出方法が明示されていること自体は、検証可能性の点で評価できます。

    第2問。令和7年度の宅地建物取引士資格試験の合格率は、不動産適正取引推進機構の公表値で18.7%であった。

    答えは正しい。同機構の公表によれば、令和7年度は申込者数306,099人、受験者数245,462人、合格者数45,821人、合格率18.7%でした。令和6年度は18.6%です。通信講座の広告に見られる「全国平均の何倍」という表現は、この数値との比較を指しますが、分母に含まれる集団の性質が異なるため、倍率をそのまま講座の効果として読むことはできません。

    第3問。各社が公表している合格率は、数値が高いほうが優れた講座であることを示すので、講座選びの序列を決める指標として使える。

    答えは誤り。合格率の算出方法に統一された基準はなく、分母の定義は各社で異なります。分母を全受講生にすれば数値は下がり、学習条件を満たした人に絞れば上がり、報告制にすればさらに上がります。定義の異なる数値を並べて優劣を論じることはできません。読み取るべきは数値の大小ではなく、算出方法が公表されているか、第三者の検証があるか、自分がその分母の条件を満たせるかです。

    第4問。教育訓練給付制度の対象かどうかは、講座を提供する事業者ごとに決まるため、その事業者の講座であればどのコースを選んでも対象になる。

    答えは誤り。指定はコース単位で行われます。同じ事業者でも、コースや開講月によって対象と対象外が分かれます。フォーサイトの場合、公式サイトではバリューセット1・2・3が対象と表示されていましたが、DVDオプションの料金と送料は対象外とされています。申し込む予定のコースそのものが指定されているかは、厚生労働省の教育訓練給付制度検索システムで確認してください。

    第5問。教育訓練給付金は、受講した講座の対象試験に合格しなければ支給されない。

    答えは誤り。給付の前提は修了であって、試験の合否ではありません。不合格でも修了要件を満たしていれば支給され、合格していても修了要件を満たしていなければ支給されません。フォーサイトの公式サイトでは、修了認定基準として確認テストを全回80点以上得点することが示され、受験の有無や合否に関係なく支給される旨が記載されていました。また、支給申請は修了日の翌日から1か月以内に行う必要があります。

    宅建試験AIブートラボのアプリでは、どの講座を選んだ場合でも別に必要になる肢別演習を、年度別・論点別に積み上げられます。

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