特定事項の明示義務とくていじこうのめいじぎむ
一般消費者が通常予期することができない物件の地勢、形質、立地、環境等に関する事項や、取引の相手方に著しく不利な取引条件について、広告に明瞭に表示しなければならないという、不動産の表示に関する公正競争規約の義務です。つまり、買う人が気づきにくい不利な点は、広告の段階で書いておくという決まりです。
安い土地の広告を見て現地に行ったら、細い通路の奥にある土地だった、ということがあります。あるいは、買った後で「この土地には家を建てられません」と分かるかもしれません。こうした不利な点は、広告に書いていなければ、買う人には分かりません。そこで表示規約は、買う人がふつう予想できない物件の事情や、著しく不利な取引条件を、広告に明示するよう義務づけています。これを特定事項の明示義務といいます。

建物を建てられるかどうかに関わる事項を明示します
市街化調整区域に所在する土地は、原則として「市街化調整区域。宅地の造成及び建物の建築はできません。」と明示します。新聞折込チラシ等やパンフレット等では、16ポイント以上の大きさの文字を用います。建築基準法の道路に2メートル以上接していない土地は、原則として「再建築不可」又は「建築不可」と明示します。道路とみなされる部分、いわゆるセットバックを要する部分を含む土地はその旨を表示し、その面積がおおむね10パーセント以上のときは面積も明示します。
土地の形や現況に関する事項を明示します
土地の上に古家、廃屋等が存在するときは、その旨を明示します。路地状部分のみで道路に接する土地で、路地状部分の面積が土地面積のおおむね30パーセント以上を占めるときは、路地状部分を含む旨と、その割合又は面積を明示します。路地状部分とは、道路から奥の敷地へ延びる細い通路の部分です。高圧電線路の下にある土地は、その旨とおおむねの面積を表示します。擁壁におおわれないがけの上又は下にある土地も、その旨を明示します。

建築条件付土地は、土地の取引である旨も明示します
建築条件付土地とは、土地を売るに当たり、その土地に建てる建物について、一定期間内に建築請負契約が成立することを条件として取引される土地です。売主や売主が指定する建設業者と契約する場合だけでなく、請負契約の相手方となる者を制限しない場合も含みます。広告には、取引の対象が土地である旨、条件の内容、条件が成就しなかったときの措置の内容を明示します。成就とは、条件が満たされることです。建物付きで売る建売住宅と誤解されないようにするためと考えられます。
不動産の表示に関する公正競争規約施行規則 7条7号・8号(7) 土地取引において、当該土地上に古家、廃屋等が存在するときは、その旨を明示すること。
(8) 路地状部分のみで道路に接する土地であって、その路地状部分の面積が当該土地面積のおおむね30パーセント以上を占めるときは、路地状部分を含む旨及び路地状部分の割合又は面積を明示すること。
試験ではこう問われる
- 土地の上に廃屋が存在するときは、現地を見れば明らかであっても、その旨を明示しなければならない
- 古家がある旨を表示すれば、その古家が住宅として使用できる状態であっても、「売地」と表示して販売できる
- 路地状部分のみで道路に接する土地で、路地状部分の面積が土地面積のおおむね30パーセント以上を占めるときは、路地状部分を含む旨及びその割合又は面積を明示する
- 建築条件付土地の広告では、条件の内容、条件が成就しなかったときの措置の内容に加え、取引の対象が土地である旨も明らかにして表示する
- 建物の発注先を購入者が自由に選定できる場合でも、一定期間内の建築請負契約の成立を条件とするなら「建築条件付土地」に当たる
- 市街化調整区域内の土地は、区域内に所在する旨だけでなく、宅地の造成及び建物の建築ができない旨まで表示する。新聞折込チラシ等では16ポイント以上の文字を用いる
用語で読んだ論点を、解説つきの肢別演習で確かめられます。無料プランは月300肢まで。