最有効使用の原則さいゆうこうしようのげんそく
不動産の価格は、その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用を前提として把握される価格を標準として形成される、という原則です。つまり、その不動産をいちばん上手に使った場合の値打ちで価格が決まるという考え方です。
駅前の商店街に、月極駐車場として使われている土地があるとします。周りは5階建ての店舗ビルばかりで、この土地にも同じようなビルが建てられます。この土地を買いたい人は、駐車場の売上げではなく、ビルを建てた場合の収益をもとに値段を考えます。いちばん高い値段を出せるのは、その土地をいちばん上手に使う人です。不動産の価格は、こうした最も効用の高い使い方を前提に決まり、これを最有効使用の原則といいます。

良識と通常の使用能力を持つ人の使い方で考えます
基準は最有効使用を、現実の社会経済情勢の下で客観的にみて、良識と通常の使用能力を持つ人による合理的かつ合法的な最高最善の使用方法に基づくものとしています。特別な才能のある人だけができる使い方は含みません。合法的な使用方法に限られるので、法令で建てられない建物を前提にすることもできません。ふつうの人が、法令の範囲で、合理的に考えて選ぶ最善の使い方です。
現実の使い方が最有効使用とは限りません
基準は、ある不動産についての現実の使用方法は、必ずしも最有効使用に基づいているものではないと注意しています。不合理な又は個人的な事情による使用方法のために、その不動産が十分な効用を発揮していない場合があるからです。先祖代々の土地だから空き地のままにしている、古い平屋のまま建て替えずにいる、といった事情が考えられます。鑑定評価では、今の使われ方をそのまま前提にせず、最有効使用が何かを判定します。

不動産の価格に関する諸原則の一つです
基準は、不動産の価格がどのように形成されるかについての法則を「不動産の価格に関する諸原則」としてまとめています。最有効使用の原則はその一つで、ほかに需要と供給の原則、代替の原則、均衡の原則、適合の原則などがあります。適合の原則は、不動産の収益性又は快適性が最高度に発揮されるためには、その不動産が環境に適合していることが必要であるという原則です。最有効使用の原則とは別の原則として定められています。
不動産鑑定評価基準 総論第4章Ⅳ不動産の価格は、その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用(以下「最有効使用」という。)を前提として把握される価格を標準として形成される。
試験ではこう問われる
- 不動産の価格は、その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用を前提として把握される価格を標準として形成される。これを最有効使用の原則という
- 同じ定義文を「適合の原則という」とするのは誤り
- 不動産についての現実の使用方法は、当該不動産が十分な効用を発揮していない場合があることに留意すべきである
- 最有効使用は、良識と通常の使用能力を持つ人による合理的かつ合法的な最高最善の使用方法に基づく
- 正常価格の前提となる市場参加者も、対象不動産の最有効使用を前提とした価値判断を行うものとされる
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