修繕積立金しゅうぜんつみたてきん
区分所有建物(分譲マンションなど)の一棟の建物について、計画的な維持修繕のための費用を積み立てるお金です。重要事項説明では、積立てを行う旨の規約の定めがあるときに、その内容と既に積み立てられている額を説明します(施行規則16条の2第6号)。
マンションは十数年ごとに、外壁の塗り直しや屋上の防水、給水管の交換といった大きな工事が要ります。一度に何千万円もかかるので、区分所有者は毎月少しずつお金を出し合って管理組合に積み立てておきます。これが修繕積立金で、積立ての額やルールは管理規約で決まっています。中古マンションを買う人にとっては、積立てが十分にあるか、前の持ち主が滞納していないかで、買った後の負担が大きく変わります。そこで施行規則16条の2第6号は、積立てを行う旨の規約の定めがあるときは、その内容と既に積み立てられている額を説明事項にしました。

説明するのは、規約の内容と既に積み立てられている額です
6号が求めるのは二つで、積立てを行う旨の規約の定めの内容と、既に積み立てられている額です。規約の内容とは毎月いくらを誰が出すかといった決まりで、額は管理組合が今持っている残高です。規約の内容だけでは、これまで計画どおりに積み立てられてきたかが分かりません。積立ての額は時間とともに変わるので、直前の決算期の額などを、いつの時点かを示して書くこととされています(国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」)。

滞納があるときは、その額も告げます
国土交通省の「解釈・運用の考え方」は、修繕積立金に滞納があるときはその額を告げることとしています。区分所有法8条により、滞納分は滞納した区分所有者の特定承継人、つまり部屋を買った人にも請求できるので、買主の負担に直結するためと考えられます。毎月の管理費用の額も別の号(16条の2第7号)で説明し、管理費用に滞納があるときも、その額を告げます。積立金の対象は大規模修繕などの計画修繕で、日常の小さな修繕は管理費でまかなわれ、6号の対象ではありません。

建物の貸借では、修繕積立金は説明しません
施行規則16条の2の柱書は、建物の貸借では3号と8号だけを説明するとしており、6号の修繕積立金は入っていません。修繕積立金を負担するのは区分所有者で、部屋を借りる人ではないからです。売買・交換では、区分所有建物であれば新築でも中古でも説明します。特定の区分所有者だけ修繕積立金や管理費を減免する規約があるときは、その内容も別の号(16条の2第5号)で説明します。
宅地建物取引業法施行規則 16条の2第6号当該一棟の建物の計画的な維持修繕のための費用の積立てを行う旨の規約の定めがあるときは、その内容及び既に積み立てられている額
試験ではこう問われる
- 区分所有建物の売買では、修繕積立金の規約の内容と既に積み立てられている額の両方を説明する。「既に積み立てられている額は説明不要」は誤り
- 修繕積立金や管理費に滞納があるときは、その額を告げる
- 建物の貸借では、修繕積立金は説明事項ではない(説明するのは専有部分の利用制限と管理の委託先だけ)
- 通常の管理費用の額は、修繕積立金とは別の説明事項(施行規則16条の2第7号)
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