期間の計算きかんのけいさん
法令や契約で日・週・月・年を単位に期間を定めたとき、いつから数え始めていつ終わるかを決める民法の決まりで、初日は算入せず、期間は末日の終了をもって満了します(民法140条・141条)。つまり、4月10日の午前中に「1か月」と決めれば、翌日の4月11日から数えて5月10日の終わりまでです。
売買契約で引渡しを「契約日から1年後」、借入金の返済を「契約日から1か月後」と決めることはよくあります。そのとき、契約した当日を1日目に数えるのか、期限の日の何時に終わるのかで争いにならないよう、民法は138条から143条に期間の計算の決まりを置いています。日・週・月・年で定めた期間は、初日を算入しないで翌日から数え(140条)、末日の終了、つまりその日の夜12時をもって満了します(141条)。週・月・年の期間は日数ではなく暦に従って数えるので、30日の月も31日の月も同じ「1か月」です(143条1項)。法令や契約に特別の定めがあれば、そちらが優先します(138条)。

初日は数えず、翌日から起算します
日・週・月・年によって期間を定めたときは、期間の初日は算入しません(140条本文)。条文に理由は書いていませんが、午前10時に契約した日はすでに一部が過ぎていて丸1日がなく、それを1日と数えると期間が短くなってしまうためと考えられます。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、初日にまるまる1日があるので算入します(140条ただし書)。「来月1日から3か月」と定めた場合がこれに当たります。時間によって期間を定めたときは即時から起算し、「今から24時間」はその時刻から数えます(139条)。
月や年の期間は、起算日に応当する日の前日に満了します
週・月・年の初めから起算しないときは、期間は、最後の週・月・年において起算日に応当する日の前日に満了します(143条2項本文)。10月17日午前10時に「1年後」を引渡日と定めると、起算日は10月18日で、翌年の10月18日の前日、つまり翌年10月17日が末日になります。最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了します(143条2項ただし書)。5月30日に「1か月後」と定めると起算日は5月31日で、6月には31日がないので、6月30日の終了で満了します。8月31日に「1か月後」と定めると起算日は9月1日で、月の初めから数えることになるので、9月という暦の1か月が過ぎる9月30日の終了で満了します。

末日が休日なら、取引をしない慣習があるときに翌日に延びます
期間の末日が日曜日、国民の祝日に関する法律に規定する休日その他の休日に当たるときは、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、期間はその翌日に満了します(142条)。条文に理由は書いていませんが、取引をしない日に支払や手続を済ませることを求めるのは無理があるためと考えられます。延びるのは翌日で、前日に繰り上がるのではありません。取引をしない慣習がなければ、末日が日曜日でも、その日の終了で満了します。

民法 140条・141条日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。(141条)前条の場合には、期間は、その末日の終了をもって満了する。
試験ではこう問われる
- 10月17日午前10時に「契約日から1年後」を引渡日と定めると、初日不算入で起算日は10月18日、引渡日は翌年10月17日。翌年10月16日ではない
- 8月31日午前10時に「契約日から1か月後」を弁済期限と定めると、9月1日から起算し、9月30日の終了をもって弁済期限となる
- 5月30日午前10時に「契約日から1か月後」を支払期限と定めると、起算日は5月31日で、6月に応当する日がないので6月30日の終了で満了。7月1日ではない
- 末日が日曜日・祝日その他の休日で、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、期間は翌日に満了する(142条)。「前日に満了する」は誤り
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