土砂災害警戒区域どしゃさいがいけいかいくいき
急傾斜地の崩壊等が発生した場合に住民等の生命又は身体に危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、土砂災害を防止するために警戒避難体制を特に整備すべき区域として、都道府県知事が指定する区域です(土砂災害防止法7条)。つまり、がけ崩れや土石流から逃げる備えを整える区域で、建築や開発が制限されるのは、その中の土砂災害特別警戒区域です。
山すその住宅地の案内図に、黄色と赤で塗られた範囲が示されていることがあります。大雨で裏山が崩れたり、谷から土石流が流れ出したりしたときに、土砂が届くおそれのある範囲です。土砂災害防止法は、この範囲を都道府県知事が区域として指定し、まず住民が逃げられる備えを整えさせます。そのうえで、建物が壊れるほど危ない範囲に限って、開発や建築を規制します。広いほうが土砂災害警戒区域、その中の特に危ない範囲が土砂災害特別警戒区域です。

警戒区域は、知事が指定して避難の体制を整える区域です
土砂災害とは、急傾斜地の崩壊、土石流、地滑りなどを原因として、国民の生命又は身体に生ずる被害のことです。都道府県知事は、これらが発生した場合に住民等の生命又は身体に危害が生ずるおそれがある区域を、土砂災害警戒区域として指定することができます。指定があると、市町村の地域防災計画に、情報の伝達、避難場所や避難経路、避難訓練などが定められます。警戒区域は避難の備えを整える区域で、この区域に入っただけで建築や開発が制限されるわけではありません。
特別警戒区域では、開発に許可が要り、建築物の構造が規制されます
都道府県知事は、警戒区域のうち、建築物に損壊が生じ住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがある区域を、土砂災害特別警戒区域として指定することができます。特別警戒区域内で、自己の居住の用に供するものを除く住宅や、社会福祉施設、学校、医療施設を建てるための開発行為(特定開発行為)をしようとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければなりません(10条)。分譲住宅や賃貸住宅のように他人が住む住宅と、自分ではすぐに逃げられない人が使う施設を、危ない場所に新しく造らせないためです。居室を有する建築物は、土砂の衝撃に対して安全な構造であることが求められ、建築確認の対象になります。

開発許可の基準で除かれるのは、特別警戒区域のほうです
都市計画法の開発許可の基準は、自己の居住用の住宅のための開発行為を除いて、開発区域内に災害の危険が特に大きい区域の土地を原則として含まないことを求めています(都市計画法33条1項8号)。挙げられているのは、災害危険区域、地すべり防止区域、土砂災害特別警戒区域、浸水被害防止区域、急傾斜地崩壊危険区域です。土砂災害防止法の区域のうち入っているのは特別警戒区域だけで、警戒区域は入っていません。警戒区域は避難の備えで対応する区域なので、開発そのものを止める対象にはされていません。

土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律 7条1項都道府県知事は、基本指針に基づき、急傾斜地の崩壊等が発生した場合には住民等の生命又は身体に危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、当該区域における土砂災害(河道閉塞による湛水を発生原因とするものを除く。…)を防止するために警戒避難体制を特に整備すべき土地の区域として政令で定める基準に該当するものを、土砂災害警戒区域(以下「警戒区域」という。)として指定することができる。
試験ではこう問われる
- 自己の業務の用に供する施設のための開発行為でも、開発区域内に土砂災害警戒区域内の土地を含むことはできる。開発許可の基準で原則として含んではならないのは土砂災害特別警戒区域(都市計画法33条1項8号)
- 土砂災害警戒区域と土砂災害特別警戒区域を指定するのは都道府県知事(土砂災害防止法7条1項・9条1項)
- 土砂災害特別警戒区域内で特定開発行為(自己の居住用を除く住宅、社会福祉施設、学校、医療施設のための開発行為)をしようとする者は、あらかじめ都道府県知事の許可を受けなければならない(10条)
- 宅地又は建物が土砂災害警戒区域内にあるときは、その旨を重要事項として説明する。売買でも貸借でも説明が要る(宅地建物取引業法施行規則16条の4の3第2号)
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