石綿等の飛散・発散に対する措置せきめんとうのひさん・はっさんにたいするそち
建築材料から石綿その他の物質が飛散又は発散して衛生上の支障が生じないように、建築物が適合しなければならない基準です(28条の2)。つまり、石綿は建築材料に添加することも添加した材料を使うことも禁じ、居室を有する建築物ではクロルピリホスとホルムアルデヒドについて建築材料と換気設備を規制します。
新築の家に入ると目がちかちかする、古いビルの解体で細かい繊維が舞う。建物に使われた材料から体に悪い物質が空気の中に出てくることがあります。細かい繊維が舞うのが飛散、薬剤が気体になって出てくるのが発散です。建築基準法は、材料に何を混ぜてはいけないか、どの材料をどれだけ使ってよいか、換気をどうするかを定めて、建物の中の空気を守っています。対象の物質は、石綿、クロルピリホス、ホルムアルデヒドの三つです。

石綿は、添加することも、添加した材料を使うことも禁じられます
石綿(アスベスト)は、吸い込むと長い年月の後に重い肺の病気を引き起こす繊維です。建築基準法は、建築材料に石綿その他の著しく衛生上有害なものとして政令で定める物質を添加しないこと、そして石綿等をあらかじめ添加した建築材料を使用しないことを求めています。政令で定める物質は石綿だけです。添加した建築材料でも、石綿等を飛散又は発散させるおそれがないものとして国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものは、使用が認められます。この基準は、住宅か事務所か、居室があるかないかを問わず、すべての建築物に掛かります。

居室を有する建築物では、二つの物質を材料と換気で抑えます
居室を有する建築物には、石綿のほかに、その居室内で衛生上の支障を生ずるおそれがある物質についての基準が加わります(28条の2第3号)。政令が定める物質は、しろあり駆除などに使われた薬剤のクロルピリホスと、合板や接着剤から出るホルムアルデヒドの二つです。クロルピリホスは、建築材料に添加しないこと、添加した建築材料を使用しないことが求められます。人が長い時間を過ごす居室の空気が相手なので、居室のない倉庫や車庫だけの建築物には、この基準は掛かりません。
ホルムアルデヒドは一律の禁止ではなく、量に応じた制限です
ホルムアルデヒドを発散させる建築材料は、発散する量によって区分されています。発散の量がいちばん多い区分の建築材料は、居室の内装の仕上げに使用できません。それより少ない区分の建築材料は、居室の床面積に応じて使える面積が制限され、発散の量がごく少ないものは制限を受けません。合板や壁紙は内装に欠かせず、発散を完全になくすことは難しいので、使う量を抑える方法がとられています。そのうえで、家具などからの発散もあるので、居室には原則として機械換気設備などの換気設備を設けなければなりません。

建築基準法 28条の2建築物は、石綿その他の物質の建築材料からの飛散又は発散による衛生上の支障がないよう、次に掲げる基準に適合するものとしなければならない。
一 建築材料に石綿その他の著しく衛生上有害なものとして政令で定める物質(次号及び第三号において「石綿等」という。)を添加しないこと。
二 石綿等をあらかじめ添加した建築材料(石綿等を飛散又は発散させるおそれがないものとして国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものを除く。)を使用しないこと。
三 居室を有する建築物にあつては、前二号に定めるもののほか、石綿等以外の物質でその居室内において衛生上の支障を生ずるおそれがあるものとして政令で定める物質の区分に応じ、建築材料及び換気設備について政令で定める技術的基準に適合すること。
試験ではこう問われる
- 石綿等をあらかじめ添加した建築材料は、石綿等を飛散又は発散させるおそれがないものとして国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものを除き、使用してはならない(28条の2第2号)
- 建築材料に石綿等を添加してはならない(28条の2第1号)。政令で定める著しく衛生上有害な物質は石綿(施行令20条の4)
- 居室を有する建築物では、クロルピリホスとホルムアルデヒドについて、建築材料と換気設備の技術的基準に適合しなければならない(28条の2第3号、施行令20条の5)
- ホルムアルデヒドを発散させる建築材料は、発散の量による区分に応じて居室の内装の仕上げへの使用が制限される。「居室の内装の仕上げに使用することが一切認められていない」は誤り(施行令20条の7)
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