技術的基準の強化・付加ぎじゅつてききじゅんのきょうか・ふか
都道府県知事が、その地方の気候、風土又は地勢の特殊性により、政令の技術的基準だけでは宅地造成、特定盛土等又は土石の堆積に伴う崖崩れや土砂の流出を防ぐ目的を達し難いと認める場合に、都道府県の規則で、技術的基準を強化し、又は必要な技術的基準を付加することです。つまり、全国共通の造成工事の基準に、地域の事情に合わせた上乗せをすることです。
盛土や切土の工事は、政令が定める技術的基準に従って行います。盛土は30センチメートルほどの層に分けて締め固める、崖には擁壁を造る、水を抜く排水施設を設ける、といった決まりです。けれども、雨が特に多い地方や、水を含むと崩れやすい火山灰の土が広がる地方では、全国共通の決まりだけでは足りないことがあります。そこで政令は、都道府県知事が規則で基準を厳しくしたり、新しい基準を足したりすることを認めています。

技術的基準は、政令が全国共通で定めています
宅地造成等工事規制区域内で行われる宅地造成等に関する工事は、政令で定める技術的基準に従い、擁壁、排水施設などの設置その他災害を防止するため必要な措置が講ぜられたものでなければなりません(13条1項)。都道府県知事は、工事の計画がこの基準に適合していなければ許可をしません。13条1項は、政令が都道府県の規則に委任した事項については、その規則も技術的基準に含むと書いています。規則で上乗せされた基準も、許可の審査でそのまま使われます。
強化と付加ができるのは、気候、風土、地勢に特殊性があるときです
施行令20条2項は、都道府県知事は、その地方の気候、風土又は地勢の特殊性により、政令の規定のみによっては崖崩れ又は土砂の流出の防止の目的を達し難いと認める場合に、都道府県の規則で、技術的基準を強化し、又は必要な技術的基準を付加することができると定めています。強化とは政令にある基準を厳しくすること、付加とは政令にない基準を新しく足すことです。災害を防ぐための上乗せなので、この規定で基準をゆるめることはできません。特定盛土等規制区域内の工事の技術的基準にも、この規定が準用されています。

定める形式は、条例ではなく都道府県の規則です
上乗せを定める形式は、都道府県の規則です。規則とは、知事が定める決まりで、議会が議決する条例とは別のものです。指定都市又は中核市の区域内の土地については、その市の長が、その市の規則で定めます。建築基準法が地方公共団体の条例で制限を付加できるとしているのとは、形式が違います。同じ施行令20条の1項は、災害の防止上支障がないと認められる土地で、擁壁の設置に代えて他の措置をとることを規則で定めることも認めています。

宅地造成及び特定盛土等規制法施行令 20条2項都道府県知事は、その地方の気候、風土又は地勢の特殊性により、第七条から前条までの規定のみによつては宅地造成、特定盛土等又は土石の堆積に伴う崖崩れ又は土砂の流出の防止の目的を達し難いと認める場合においては、都道府県の規則で、これらの規定に規定する技術的基準を強化し、又は必要な技術的基準を付加することができる。
試験ではこう問われる
- 都道府県知事は、その地方の気候、風土又は地勢の特殊性により、政令の規定のみでは崖崩れ又は土砂の流出の防止の目的を達し難いと認める場合、都道府県の規則で、技術的基準を強化し、又は必要な技術的基準を付加することができる(施行令20条2項)
- 定めるのは都道府県の規則。指定都市・中核市の区域内の土地については、その市の規則で定める
- 宅地造成等に関する工事は、政令(規則に委任した事項は規則を含む)で定める技術的基準に従い、擁壁等の設置その他災害を防止するため必要な措置が講ぜられたものでなければならない(13条1項)
- 高さが5mを超える擁壁の設置と、盛土又は切土をする土地の面積が1,500㎡を超える土地における排水施設の設置は、政令で定める資格を有する者の設計によらなければならない(13条2項、施行令21条)
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