特定盛土等とくていもりどとう
宅地又は農地等において行う盛土その他の土地の形質の変更で、隣接し又は近接する宅地において災害を発生させるおそれが大きいものとして政令で定めるものです。つまり、宅地にする目的でなくても、隣や近くの宅地を危なくする一定の規模以上の盛土や切土です。
住宅地の裏手の畑や林に、工事現場から運び出した残土を何年も積み上げて平らに広げていくことがあります。宅地を造る工事ではないので、改正前の法律ではこの盛土に許可は要りませんでした。ところが、盛土の端にできた崖が大雨で崩れれば、すぐ隣の家や谷の下の住宅地に土砂が流れ込みます。そこで、宅地や農地等で行う盛土のうち、隣や近くの宅地に崖崩れや土砂の流出を起こすおそれが大きいものを特定盛土等と呼び、宅地造成と並ぶ規制の対象にしました。

場所は宅地でも農地等でもよく、宅地にする目的も要りません
宅地造成は「宅地以外の土地を宅地にするため」の工事に限られます。特定盛土等は、宅地又は農地等において行う盛土その他の土地の形質の変更で、その土地に隣接し又は近接する宅地に災害を発生させるおそれが大きいものと定義され(2条3号)、宅地にする目的は要りません。守りたいのは工事をする土地そのものではなく、その隣や近くにある宅地です。規模は宅地造成と同じ施行令3条で、盛土で1メートル超の崖、切土で2メートル超の崖、崖ができなくても2メートル超の盛土、面積500平方メートル超の盛土や切土です。
どちらの区域で行うかで、許可か届出かが変わります
宅地造成等工事規制区域の中では、宅地造成等の工事に知事の許可が要り(12条1項)、宅地造成等には特定盛土等も土石の堆積も含まれます。区域の外に指定される特定盛土等規制区域では、着手の30日前までの届出が原則で(27条1項)、盛土で2メートル超の崖、切土で5メートル超の崖、5メートル超の盛土、面積3,000平方メートル超のような大規模なものだけが許可制です(30条1項、施行令28条・23条)。条文に理由は書いていませんが、住まいに近い市街地側の区域は全部を許可制にし、山側の区域は届出で見張って大規模なものだけ許可制にすると、段を付けていると考えられます。

特定盛土等が加わり、宅地にしない盛土も規制の対象です
改正前の宅地造成等規制法は宅地造成だけを規制していたので、宅地にしない盛土は許可の対象外でした。令和3年の熱海の土石流を受けた改正法が令和5年に施行され、特定盛土等と土石の堆積が加わり、法律の名前も宅地造成及び特定盛土等規制法に変わりました。宅地で行った特定盛土等の工事が施行された宅地は、宅地造成が施行された宅地と同じく造成宅地に含まれます(2条9号)。
宅地造成及び特定盛土等規制法 2条3号特定盛土等 宅地又は農地等において行う盛土その他の土地の形質の変更で、当該宅地又は農地等に隣接し、又は近接する宅地において災害を発生させるおそれが大きいものとして政令で定めるものをいう。
試験ではこう問われる
- 定義は「宅地又は農地等において行う」盛土その他の土地の形質の変更で、「隣接し、又は近接する宅地において災害を発生させるおそれが大きいもの」(2条3号)
- 規模は宅地造成と同じ(施行令3条)。盛土1メートル超の崖・切土2メートル超の崖・盛土2メートル超・面積500平方メートル超
- 宅地造成等工事規制区域内では、特定盛土等の工事も12条1項の許可の対象
- 特定盛土等規制区域内では、着手する日の30日前までの届出が原則(27条1項)。政令で定める大規模なものは許可(30条1項)
- 造成宅地防災区域の対象になるのは、宅地造成と「宅地において行う」特定盛土等(45条1項)
- 2023年以前の出題は旧法(宅地造成等規制法)の用語で作られている。現行法では、宅地造成・特定盛土等・土石の堆積をまとめて宅地造成等という
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